▸10月11日(金)~14日(月)は所用で高知市、その後は徳島県の実家に回って今日に至っているので、この1週間は映画鑑賞ナシ。
高知市を訪れたのは小学校の修学旅行以来。ということは50数年ぶりかー! うーむ・・・。
17日には横浜に戻りますが、ふと考えたのはこのまま半月以上コチラに滞在し続けたら、シネコンとミニシアターを合わせて5館以上の映画館に30~40分以内に行けるという横浜での生活がいかに恵まれているかが実感されます。徳島県では映画館が3館。そして高知県は高知市内に1955年開業という高知あたご劇場と、TOHOシネマズ高知の2館があるだけです。私ヌルボ、横浜と同じような映画鑑賞生活を続けるとなると、高速バスで大阪や神戸に行かざるをえないでしょう。いや、全国の10ヵ所にも満たない都市以外はほんど徳島や高知とさして変わらない状況のようです。
1950年代頃の映画の全盛期には全国で7千以上あった映画館は90年代頃には2千を割り込むほど減りました。その後シネコンの発展で今は3千5百を超えるほど持ち直してはいるものの、その所在地は県庁所在地を主とした中都市で、映画館空白地域の拡大という長期的趨勢に変わりはありません。(→参考)
したがって、日本全国の映画ファンの多くはレンタルDVDで観たり、近年はネット配信で観るということになるのでしょうか。
なお、→コチラの統計資料は2017年のアメリカ&カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリア、韓国の6ヵ国と、日本の映画館での上映状況を比較したものですが、各国の国民1人当たりの映画館での年間鑑賞本数は、
①韓国4.3回 ②アメリカ&カナダ3.4回 ②オーストラリア3.4回 ④フランス3.2回 ⑤イギリス2.6回 ⑥ドイツ1.5回 ⑦日本1.4本
で、日本が最下位。韓国の約3分の1にとどまっています。この数字も上記のような映画館事情と関係があるかもしれません。
あるいは数ヵ月前、「紙の新聞と映画館は高齢者限定のもので、遠からず消えてゆくものだ」といった内容のツイートをたまたま目にして、どちらにも愛着を感じている高齢者のヌルボとしてはガーン!と衝撃を受けましたが、そういう傾向があるとして、それが世界的な時代の趨勢なのか、日本独自のものなのか、そこらへんは今ひとつわかりません。(映画館での鑑賞は、作品のみならず、その時代、その映画館ならではのいろんな懐かしい記憶とセットなんだけどなー、・・・という感じ方自体が高齢者っぽい?)
▸高知関連の映画を考えてみると、竜馬をはじめ幕末物は別にして、アタマに浮かぶのは宮尾登美子原作のいろいろ。今回初めて行った高知県立文学館には彼女の特別展示室がありました。しかし私ヌルボが読んだのは自伝4部作の3番目「朱夏」だけ。7作ある映画化作品は全然読んでいないし、映画も観ていません。せめて「鬼龍院花子の生涯」(1982)だけでも観ておきたかったです。(「なめたらいかんぜよ!」の夏目雅子が亡くなったのは1985年だった。)
▸とくに韓国オタクとして「高知 韓国 映画」の3語で脳内検索するとヒットする作品はもちろん「愛の黙示録」(1995)です。韓国・慶尚南道の木浦(モッポ)で孤児救済のために生涯をかけ、<木浦の母>と呼ばれた高知市出身の田内千鶴子さん(1912~68)(→ウィキペディア)の生涯を描いた日韓合作の作品で、監督は韓国のキム・スヨン、主演は石田えりでした。
この作品について書くと長くなるので、別記事にします。とりあえずは→白井佳夫さんの記事を読んでみてください。
上の写真は、もちろん私ヌルボがホテルで借りた自転車に乗って現地に行って撮ったものです。
▸<コリアン・シネマ・ウィーク 2019>(10/29(火)~11/2(土)の上映作品・スケジュール等は→コチラ参照。観覧申込締切は10/21(月)です。※10/29(火)シネマート新宿で上映の「完璧な他人」の前売券はすでに売り切れているようですが、11/15(金)~シネマート新宿他で全国公開されます。
★★★ NAVERの人気順位(10月15日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(1) 私の歌は遠く遠く(韓国) 9.78(115)
②(3) 主戦場 9.51(973)
③(-) 星の庭園(韓国) 9.49(191)
④(4) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 9.47(103)
⑤(5) 愛の贈り物(韓国) 9.45(345)
⑥(6) 僕のワンダフル・ジャーニー 9.40(600)
⑦(8) ポーランドに行った子供たち(韓国) 9.32(537)
⑧(-) アンダードッグ(韓国) 9.30(1,463)
⑨(10) 明かりの下で(韓国) 9.30(20)
⑩(-) 教会のお兄さん(韓国) 9.28(1,545)
入れ替わりはありましたが、新登場の作品はありません。
【記者・評論家による順位】
①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国) 9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国) 8.38(13)
③(3) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 7.90(10)
④(4) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 7.60(5)
⑤(5) ジョーカー 7.50(10)
⑥(6) アド・アストラ 7.38(8)
⑦(7) 主戦場 7.33(6)
⑧(8) EXIT(韓国) 7.23(13)
⑨(9) ミッドソマー[夏至祭] 7.20(10)
⑩(10) 動物、園(韓国) 7.20(5)
今回の新登場はありません。順位・ポイントも先週と全く同じです。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月11日(金)~10月13日(日) ★★★
2週連続1位の「ジョーカー」が累積400万人に迫る
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ジョーカー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・767,788・・・・・・3,847,443 ・・・・・・・33,491・・・・・・1,312
2(2)・・いちばん普通の恋愛(韓国)・・・・10/02・・・・・・・・・468,413・・・・・・2,046,869 ・・・・・・・17,473・・・・・・1,036
3(6)・・パーフェクトマン(韓国)・・・・・・10/02・・・・・・・・・167,677・・・・・・1,033,562 ・・・・・・・・8,631 ・・・・・・・719
4(11)・・ジェミニマン ・・・・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・154,654 ・・・・・・・302,136 ・・・・・・・・2,620 ・・・・・・・828
5(4)・・長沙里:忘れられた英雄(韓国)・・9/25・・・・・・・・・25,153・・・・・・1,110,468 ・・・・・・・・8,831・・・・・・・・325
6(新)・・ミッシング・リンク ・・・・・・・・・10/09 ・・・・・・・・・・9,390 ・・・・・・・・17,510 ・・・・・・・・・・136 ・・・・・・・268
7(5)・・ソフィーとドラゴン ・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・・8,731 ・・・・・・・・90,886 ・・・・・・・・・・708 ・・・・・・・193
:魔法の本の秘密
8(7)・・ノーム・アローン ・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・8,528・・・・・・・・・58,612 ・・・・・・・・・・469 ・・・・・・・130
9(新)・・パンソリ・ボクサー(韓国)・・・・10/09 ・・・・・・・・・・8,233・・・・・・・・・16,827 ・・・・・・・・・・137 ・・・・・・・297
10(9)・・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド・・9/25・・4,385・・270,172・・・・・・・・・・2,209 ・・・・・・・・47
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今回の新登場は4・6・9位の3作品です。
4位「ジェミニマン」は、アメリカのSF。最強スナイパーのヘンリー(ウィル・スミス)は、政府から依頼されたミッションを遂行している最中、何者かの襲撃を受けます。やがてその襲撃者の正体が若き日のヘンリー自身のクローンだという衝撃的な事実を知るとともに、想像を遥かに超えた巨大な陰謀に巻き込まれていきます。過去2回のアカデミー賞監督賞をはじめ数々の受賞歴のあるアン・リー監督作品で、ほぼ(?)ハズレなしでしょうが今作はどうか? 個人的にはハリウッド進出前の「推手」「ウェディング・バンケット」「恋人たちの食卓」とかが好きなんだけどなー。韓国題は「제미니 맨」。日本公開は10月25日です。
6位「ミッシング・リンク」は、カナダ・アメリカ合作の冒険&コメディ・アニメ。ライオネル・フロストは、ライバル視しているピゴット=ダンスビー卿などの貴族仲間に自分の実力を認めさせてやるぞ!との思いで未知の生命体を探し求めたものの一向に見つからず。そんな中、<ビッグフット>が目撃されたという情報が飛び込んできました。<イエティ>等ともよばれる伝説上の動物です。つまり雪男の類。勇んで現地・北アメリカに赴いたフロストは首尾よくビッグフットと遭遇します。ところが、ここで想定外の事実が判明します。そのビッグフットは人間の言語がわかる!のです。しかも、そのMr.リンクという名のビッグフットこそフロストに情報を提供した張本人だったのです。リンクはヒマラヤに住む親類のイエティをを探すためフロストの力を借りたかったのだとか。フロストはリンクの願いを聞き入れることにします。一方、その頃、ピゴット=ダンスビー卿はフロストが貴族の名誉を汚していると思っており、彼を排除する機会を窺っていました・・・。韓国題は「잃어버린 세계를 찾아서」。日本公開は、今のところ未定です。
9位「パンソリ・ボクサー」は、韓国のコメディ&ドラマ。元プロボクサーのピョング(オム・テグ)は、かつてボクシングチャンピオンの有望株として注目されていました。しかし取り返しのつかない一瞬の過ちでボクシング協会で永久除名になってしまいました。その後彼はパク・クァンジャン(キム・ヒウォン)の配慮でジムの雑務を引き受けて暮らしています。再びボクシングを始めたい気持ちはありますが、悪いことに脳細胞が損傷されているパンチドランカーの診断まで受けているピョングですが、ある日彼がばらまいたチラシを持ってジムを訪れた新入り練習生のミンジ(イ・ヘリ)は、ボクシングに対するピョングの純粋な情熱を知って彼の強力な支援者になってくれます・・・。原題は「판소리 복서」です。
【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・3,501・・・・・・・・124,358・・・・・・・・1,017 ・・・・・・・・・・52
2(2)・・Then Came you・・・・・・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・3,026・・・・・・・・・・9,598 ・・・・・・・・・・78 ・・・・・・・・・115
3(2)・・ナマズ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/26・・・・・・・・・2,662・・・・・・・・・30,005 ・・・・・・・・・252 ・・・・・・・・・・49
4(4)・・怪しい隣人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・2,404・・・・・・・・・・6,337 ・・・・・・・・・・48 ・・・・・・・・・135
5(5)・・12番目の容疑者(韓国) ・・・・・・・・・10/10・・・・・・・・・2,273・・・・・・・・・・3,274 ・・・・・・・・・・26 ・・・・・・・・・106
先週は記事の更新後に元のデータが変わったため順位に矛盾が生じてしまいました。以下の2~5位はいずれも本ブログ内での新登場です。
2位「Then Came you」は、アメリカのドラマ。空港の手荷物取扱い人として働いているカルバン(エイサ・バターフィールド)は心を病んでいる19歳の青年。ある支援団体のセミナーに参加した彼は、そこで末期のガンにかかっているイギリスのティーンエイジャー、スカイ(メイジー・ウィリアムズ)と出会います。スカイは彼にバケットリスト(死ぬ前にしたいことのリスト)を実行するのを手伝ってくれるように頼みます。(「物を盗んでみる」というのもあったり・・・。) 彼女にとってはどれだけ長く生きるかではなく、どれだけ自分の思いを実現するかということが重要なのです。2人が一緒に行動しているうちに病状は悪化し、スカイはカフェで倒れます。一方、カルバンはフライトアテンダントのイジー(ニーナ・ドブレフ)に片想いをしていました。彼女はカルバンがガンだと誤解して接近してきた女性です。スカイは最後に思いのこもった絵葉書をカルバンに送ります・・・。韓国題は「디어 마이 프렌드(ディア・マイ・フレンド)」。日本公開は未定です。(というか、なさそう? ネット配信?)
3位「ナマズ」は、韓国のドラマ&ミステリー&コメディ。ここはマリア愛の病院。今日はすごくヤバい写真1枚で病院が上へ下への大騒ぎ。 その写真というのが、なんと男女のセックス現場のX線写真! <私>が好きな看護師のユンヨン(イ・ジュヨン)さんは噂の主人公が自分と彼氏のソンウォン(ク・ギョファン)かもしれないと疑っています。ユニョンさんは次の日辞職願いを持って出勤しますが、それを出す前にキョンジン(ムン・ソリ) 副院長に休職を要求されます。ところがその日同僚たちは一切出勤しない等々、事態は複雑なことになっていきます。はたしてユニョンさんはこの疑いの穴から抜け出られるでしょうか? あ、申し遅れましたが<私>はナマズです・・・。原題は「메기」です。社会的な問題意識のある独立系作品で、「シネプレイ」のシム・ギュハ記者の「青年たちのための<穴からの脱出案内書>」等々、高評価が多く寄せられています。ヌルボ個人として、ぜひ観てみたいな。
4位「怪しい隣人」は、韓国のコメディ。ある平凡な町で繰り広げられたナゾの事件。一体犯人は誰? 秘密の多いの警備員から、復讐心を抱いているイジメにあっていた少年。ポーカーフェイスのご近所アイドル、人生2回目の疑いのある小学生まで優劣つけがたい怪しい隣人がいっぱいの町内に、ある日突然薄汚いなりの怪しいお節介屋のテソン(オ・ジホ)が現われ、平和な日常がどこかねじれてしまいます・・・。原題は「수상한 이웃」です。
5位「12番目の容疑者」は韓国のミステリー。朝鮮戦争の戦雲がまだ消えやらない1953年秋、南山で有名詩人のペク・ドゥファン(ナム・ソンジン)が殺されます。翌日、彼が足繁く出入りしていたオリエンタル喫茶に事件の捜査官キム・ギチェ(キム・サンギョン)が入って来て、店内にいた全ての人々を容疑者として聞き取りを始めます。徐々に明らかになる殺人事件の真実、はたして誰が真犯人なのか・・・?
原題は「열두 번째 용의자」です。
高知市を訪れたのは小学校の修学旅行以来。ということは50数年ぶりかー! うーむ・・・。
17日には横浜に戻りますが、ふと考えたのはこのまま半月以上コチラに滞在し続けたら、シネコンとミニシアターを合わせて5館以上の映画館に30~40分以内に行けるという横浜での生活がいかに恵まれているかが実感されます。徳島県では映画館が3館。そして高知県は高知市内に1955年開業という高知あたご劇場と、TOHOシネマズ高知の2館があるだけです。私ヌルボ、横浜と同じような映画鑑賞生活を続けるとなると、高速バスで大阪や神戸に行かざるをえないでしょう。いや、全国の10ヵ所にも満たない都市以外はほんど徳島や高知とさして変わらない状況のようです。
1950年代頃の映画の全盛期には全国で7千以上あった映画館は90年代頃には2千を割り込むほど減りました。その後シネコンの発展で今は3千5百を超えるほど持ち直してはいるものの、その所在地は県庁所在地を主とした中都市で、映画館空白地域の拡大という長期的趨勢に変わりはありません。(→参考)
したがって、日本全国の映画ファンの多くはレンタルDVDで観たり、近年はネット配信で観るということになるのでしょうか。
なお、→コチラの統計資料は2017年のアメリカ&カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリア、韓国の6ヵ国と、日本の映画館での上映状況を比較したものですが、各国の国民1人当たりの映画館での年間鑑賞本数は、
①韓国4.3回 ②アメリカ&カナダ3.4回 ②オーストラリア3.4回 ④フランス3.2回 ⑤イギリス2.6回 ⑥ドイツ1.5回 ⑦日本1.4本
で、日本が最下位。韓国の約3分の1にとどまっています。この数字も上記のような映画館事情と関係があるかもしれません。
あるいは数ヵ月前、「紙の新聞と映画館は高齢者限定のもので、遠からず消えてゆくものだ」といった内容のツイートをたまたま目にして、どちらにも愛着を感じている高齢者のヌルボとしてはガーン!と衝撃を受けましたが、そういう傾向があるとして、それが世界的な時代の趨勢なのか、日本独自のものなのか、そこらへんは今ひとつわかりません。(映画館での鑑賞は、作品のみならず、その時代、その映画館ならではのいろんな懐かしい記憶とセットなんだけどなー、・・・という感じ方自体が高齢者っぽい?)
▸高知関連の映画を考えてみると、竜馬をはじめ幕末物は別にして、アタマに浮かぶのは宮尾登美子原作のいろいろ。今回初めて行った高知県立文学館には彼女の特別展示室がありました。しかし私ヌルボが読んだのは自伝4部作の3番目「朱夏」だけ。7作ある映画化作品は全然読んでいないし、映画も観ていません。せめて「鬼龍院花子の生涯」(1982)だけでも観ておきたかったです。(「なめたらいかんぜよ!」の夏目雅子が亡くなったのは1985年だった。)
▸とくに韓国オタクとして「高知 韓国 映画」の3語で脳内検索するとヒットする作品はもちろん「愛の黙示録」(1995)です。韓国・慶尚南道の木浦(モッポ)で孤児救済のために生涯をかけ、<木浦の母>と呼ばれた高知市出身の田内千鶴子さん(1912~68)(→ウィキペディア)の生涯を描いた日韓合作の作品で、監督は韓国のキム・スヨン、主演は石田えりでした。
この作品について書くと長くなるので、別記事にします。とりあえずは→白井佳夫さんの記事を読んでみてください。
上の写真は、もちろん私ヌルボがホテルで借りた自転車に乗って現地に行って撮ったものです。
▸<コリアン・シネマ・ウィーク 2019>(10/29(火)~11/2(土)の上映作品・スケジュール等は→コチラ参照。観覧申込締切は10/21(月)です。※10/29(火)シネマート新宿で上映の「完璧な他人」の前売券はすでに売り切れているようですが、11/15(金)~シネマート新宿他で全国公開されます。
★★★ NAVERの人気順位(10月15日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(1) 私の歌は遠く遠く(韓国) 9.78(115)
②(3) 主戦場 9.51(973)
③(-) 星の庭園(韓国) 9.49(191)
④(4) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 9.47(103)
⑤(5) 愛の贈り物(韓国) 9.45(345)
⑥(6) 僕のワンダフル・ジャーニー 9.40(600)
⑦(8) ポーランドに行った子供たち(韓国) 9.32(537)
⑧(-) アンダードッグ(韓国) 9.30(1,463)
⑨(10) 明かりの下で(韓国) 9.30(20)
⑩(-) 教会のお兄さん(韓国) 9.28(1,545)
入れ替わりはありましたが、新登場の作品はありません。
【記者・評論家による順位】
①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国) 9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国) 8.38(13)
③(3) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 7.90(10)
④(4) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 7.60(5)
⑤(5) ジョーカー 7.50(10)
⑥(6) アド・アストラ 7.38(8)
⑦(7) 主戦場 7.33(6)
⑧(8) EXIT(韓国) 7.23(13)
⑨(9) ミッドソマー[夏至祭] 7.20(10)
⑩(10) 動物、園(韓国) 7.20(5)
今回の新登場はありません。順位・ポイントも先週と全く同じです。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月11日(金)~10月13日(日) ★★★
2週連続1位の「ジョーカー」が累積400万人に迫る
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ジョーカー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・767,788・・・・・・3,847,443 ・・・・・・・33,491・・・・・・1,312
2(2)・・いちばん普通の恋愛(韓国)・・・・10/02・・・・・・・・・468,413・・・・・・2,046,869 ・・・・・・・17,473・・・・・・1,036
3(6)・・パーフェクトマン(韓国)・・・・・・10/02・・・・・・・・・167,677・・・・・・1,033,562 ・・・・・・・・8,631 ・・・・・・・719
4(11)・・ジェミニマン ・・・・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・154,654 ・・・・・・・302,136 ・・・・・・・・2,620 ・・・・・・・828
5(4)・・長沙里:忘れられた英雄(韓国)・・9/25・・・・・・・・・25,153・・・・・・1,110,468 ・・・・・・・・8,831・・・・・・・・325
6(新)・・ミッシング・リンク ・・・・・・・・・10/09 ・・・・・・・・・・9,390 ・・・・・・・・17,510 ・・・・・・・・・・136 ・・・・・・・268
7(5)・・ソフィーとドラゴン ・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・・8,731 ・・・・・・・・90,886 ・・・・・・・・・・708 ・・・・・・・193
:魔法の本の秘密
8(7)・・ノーム・アローン ・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・8,528・・・・・・・・・58,612 ・・・・・・・・・・469 ・・・・・・・130
9(新)・・パンソリ・ボクサー(韓国)・・・・10/09 ・・・・・・・・・・8,233・・・・・・・・・16,827 ・・・・・・・・・・137 ・・・・・・・297
10(9)・・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド・・9/25・・4,385・・270,172・・・・・・・・・・2,209 ・・・・・・・・47
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今回の新登場は4・6・9位の3作品です。
4位「ジェミニマン」は、アメリカのSF。最強スナイパーのヘンリー(ウィル・スミス)は、政府から依頼されたミッションを遂行している最中、何者かの襲撃を受けます。やがてその襲撃者の正体が若き日のヘンリー自身のクローンだという衝撃的な事実を知るとともに、想像を遥かに超えた巨大な陰謀に巻き込まれていきます。過去2回のアカデミー賞監督賞をはじめ数々の受賞歴のあるアン・リー監督作品で、ほぼ(?)ハズレなしでしょうが今作はどうか? 個人的にはハリウッド進出前の「推手」「ウェディング・バンケット」「恋人たちの食卓」とかが好きなんだけどなー。韓国題は「제미니 맨」。日本公開は10月25日です。
6位「ミッシング・リンク」は、カナダ・アメリカ合作の冒険&コメディ・アニメ。ライオネル・フロストは、ライバル視しているピゴット=ダンスビー卿などの貴族仲間に自分の実力を認めさせてやるぞ!との思いで未知の生命体を探し求めたものの一向に見つからず。そんな中、<ビッグフット>が目撃されたという情報が飛び込んできました。<イエティ>等ともよばれる伝説上の動物です。つまり雪男の類。勇んで現地・北アメリカに赴いたフロストは首尾よくビッグフットと遭遇します。ところが、ここで想定外の事実が判明します。そのビッグフットは人間の言語がわかる!のです。しかも、そのMr.リンクという名のビッグフットこそフロストに情報を提供した張本人だったのです。リンクはヒマラヤに住む親類のイエティをを探すためフロストの力を借りたかったのだとか。フロストはリンクの願いを聞き入れることにします。一方、その頃、ピゴット=ダンスビー卿はフロストが貴族の名誉を汚していると思っており、彼を排除する機会を窺っていました・・・。韓国題は「잃어버린 세계를 찾아서」。日本公開は、今のところ未定です。
9位「パンソリ・ボクサー」は、韓国のコメディ&ドラマ。元プロボクサーのピョング(オム・テグ)は、かつてボクシングチャンピオンの有望株として注目されていました。しかし取り返しのつかない一瞬の過ちでボクシング協会で永久除名になってしまいました。その後彼はパク・クァンジャン(キム・ヒウォン)の配慮でジムの雑務を引き受けて暮らしています。再びボクシングを始めたい気持ちはありますが、悪いことに脳細胞が損傷されているパンチドランカーの診断まで受けているピョングですが、ある日彼がばらまいたチラシを持ってジムを訪れた新入り練習生のミンジ(イ・ヘリ)は、ボクシングに対するピョングの純粋な情熱を知って彼の強力な支援者になってくれます・・・。原題は「판소리 복서」です。
【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・3,501・・・・・・・・124,358・・・・・・・・1,017 ・・・・・・・・・・52
2(2)・・Then Came you・・・・・・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・3,026・・・・・・・・・・9,598 ・・・・・・・・・・78 ・・・・・・・・・115
3(2)・・ナマズ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/26・・・・・・・・・2,662・・・・・・・・・30,005 ・・・・・・・・・252 ・・・・・・・・・・49
4(4)・・怪しい隣人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・2,404・・・・・・・・・・6,337 ・・・・・・・・・・48 ・・・・・・・・・135
5(5)・・12番目の容疑者(韓国) ・・・・・・・・・10/10・・・・・・・・・2,273・・・・・・・・・・3,274 ・・・・・・・・・・26 ・・・・・・・・・106
先週は記事の更新後に元のデータが変わったため順位に矛盾が生じてしまいました。以下の2~5位はいずれも本ブログ内での新登場です。
2位「Then Came you」は、アメリカのドラマ。空港の手荷物取扱い人として働いているカルバン(エイサ・バターフィールド)は心を病んでいる19歳の青年。ある支援団体のセミナーに参加した彼は、そこで末期のガンにかかっているイギリスのティーンエイジャー、スカイ(メイジー・ウィリアムズ)と出会います。スカイは彼にバケットリスト(死ぬ前にしたいことのリスト)を実行するのを手伝ってくれるように頼みます。(「物を盗んでみる」というのもあったり・・・。) 彼女にとってはどれだけ長く生きるかではなく、どれだけ自分の思いを実現するかということが重要なのです。2人が一緒に行動しているうちに病状は悪化し、スカイはカフェで倒れます。一方、カルバンはフライトアテンダントのイジー(ニーナ・ドブレフ)に片想いをしていました。彼女はカルバンがガンだと誤解して接近してきた女性です。スカイは最後に思いのこもった絵葉書をカルバンに送ります・・・。韓国題は「디어 마이 프렌드(ディア・マイ・フレンド)」。日本公開は未定です。(というか、なさそう? ネット配信?)
3位「ナマズ」は、韓国のドラマ&ミステリー&コメディ。ここはマリア愛の病院。今日はすごくヤバい写真1枚で病院が上へ下への大騒ぎ。 その写真というのが、なんと男女のセックス現場のX線写真! <私>が好きな看護師のユンヨン(イ・ジュヨン)さんは噂の主人公が自分と彼氏のソンウォン(ク・ギョファン)かもしれないと疑っています。ユニョンさんは次の日辞職願いを持って出勤しますが、それを出す前にキョンジン(ムン・ソリ) 副院長に休職を要求されます。ところがその日同僚たちは一切出勤しない等々、事態は複雑なことになっていきます。はたしてユニョンさんはこの疑いの穴から抜け出られるでしょうか? あ、申し遅れましたが<私>はナマズです・・・。原題は「메기」です。社会的な問題意識のある独立系作品で、「シネプレイ」のシム・ギュハ記者の「青年たちのための<穴からの脱出案内書>」等々、高評価が多く寄せられています。ヌルボ個人として、ぜひ観てみたいな。
4位「怪しい隣人」は、韓国のコメディ。ある平凡な町で繰り広げられたナゾの事件。一体犯人は誰? 秘密の多いの警備員から、復讐心を抱いているイジメにあっていた少年。ポーカーフェイスのご近所アイドル、人生2回目の疑いのある小学生まで優劣つけがたい怪しい隣人がいっぱいの町内に、ある日突然薄汚いなりの怪しいお節介屋のテソン(オ・ジホ)が現われ、平和な日常がどこかねじれてしまいます・・・。原題は「수상한 이웃」です。
5位「12番目の容疑者」は韓国のミステリー。朝鮮戦争の戦雲がまだ消えやらない1953年秋、南山で有名詩人のペク・ドゥファン(ナム・ソンジン)が殺されます。翌日、彼が足繁く出入りしていたオリエンタル喫茶に事件の捜査官キム・ギチェ(キム・サンギョン)が入って来て、店内にいた全ての人々を容疑者として聞き取りを始めます。徐々に明らかになる殺人事件の真実、はたして誰が真犯人なのか・・・?
原題は「열두 번째 용의자」です。
韓国映画の名作「ペパーミント・キャンディー」のデジタルリマスター版がDVD/ブルーレイや配信でリリースされてるみたいです。
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%83%9A%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC&_encoding=UTF8&imageClass=hi-res&phoneCarrier=wifi&phoneType=Android&rd=1&view=Touch9&ref=nb_sb_noss
ヌルボさんの記事の紹介で3月にアップリンク吉祥寺で観ましたが、
走馬灯のように駆ける列車と劇伴にノスタルジーな雰囲気を感じるとともに、
かつて民主化運動に夢見た青年の変貌に、反戦意識?を掻き立てられるような思いに。
軍隊の本質を垣間見たようで、底知れぬ恐怖もあり、
「タクシー運転手」「1987」よりもヌルボさんのスタンス的にこの映画を評価するのも納得です。
僕も挙げた二つの勝利?の映画よりも、
敗北や挫折感が漂う「マイ・バック・ページ」「ニュースの真相」「ランナウェイ/逃亡者」といった映画の方が肌に合うようです。
(腑抜け具合がすっかり板についてしまってるかも?)
韓国の甘いメロドラマの中にも、軍事政権下での軍による弾圧の恐怖が垣間見えることがあります。日本軍による残酷な支配、朝鮮戦争、軍事政権などを経験した韓国の映画やドラマには、日本映画にはない厳しさ、深さがあるように思います。
ヌルボさんが書いておられる田内千鶴子さんのことをNHKのドキュメンタリーで知りました。ヌルボさんは、はるか以前に知っておられたのですね。こんな方がおられたことを知らなかった自分が恥ずかしいです。
私が「タクシー運転手」「1987」について、光州民主化闘争や6月抗争について知らなかった多くの人にその史実を知らせたという意義は認めながらも、必ずしも全面的には共感できなかったのはその描き方がストレートすぎると思ったからです。セクトによって、あるいは個人によって闘争目的からして「まちまち」だった日本の60年代末の学生運動と比べると、80年代の韓国の民主化闘争は軍事独裁政権打倒という明確な目標が共有され、また勝利したという点でも大きく異なっています。その分ストレート&シンプルな物語になるのも無理ないなとは思います。しかし、<正義>の側にも<悪>の側にもそれぞれかなりの夾雑物が混じっているものなのにそれを排して「わかりやすく」してしまっているし、ちょっと考えれば<正義>の内実も疑わしいものまで含んでいる。わかりやすい例をあげれば根拠のない北朝鮮美化や過度な民族主義。それが現在の文在寅政権が抱える大きな問題になっていると思われますが、そんな疑問は微塵もない、今の進歩系政権の歴史観に沿った作品になっているのは観る前から予測した通りでした。
Yabさんが「腑抜け具合がすっかり板についてしまってる」と仰るのは謙遜と受けとめました。本や映画では赤軍のような突出した部分がよく描かれますが、運動全体の中ではごく一部分にすぎません。ワタシも当時の全共闘運動に大なり小なり関わった多くの(団塊の世代の)学生のうちの1人ですが、火炎瓶はもとより、ゲバ棒を振るったり石を投げたりしたこともありませんでした。しかし打ち明けて言えば、それでももしかしたら、今に至るまで当時の全共闘一派の<主流>を維持し続けているかもしれんなーと自負(?)しているんですけどねー(笑)。
考えてみれば、日本の近現代史で民衆の大規模な運動が政治を大きく変えたことはありませんね。そうしたことが映画等にも反映されているの゛しょうね。
映画「愛の黙示録」は田内基さん(千鶴子さんの息子)の著書「母よ、そして我が子らへ」に拠った作品とのことで、図書館で読みました。その田内基さんのドキュメンタリーが今年6月NHKで放送されていたことは今検索して知りました。 →
https://www4.nhk.or.jp/kokoro/32/
この映画は、韓国で長い間上映禁止になっていた日本映画が金大中政権の時初めて解禁された時の最初の上映作で、その意味でも画期的な作品です。
私は60年安保の昂揚感がまだ残っている中で、学生時代を送りました。強い政治意識を持ち、行動力だけは旺盛。読書も文学関係よりも、経済・政治関連の本を読むことが多いです。
韓国への関心は、子供の頃から学校の同級生の中に、在日韓国人がいたことに始まります。貧困と差別に苦しんでいる姿を見てきました。大学で出会った北朝鮮籍の友人は、総連の帰国事業の活動家で、同胞の家庭を毎夜訪問して、「祖国に帰って祖国建設のために働こう」と説得していました。自分は日本に残る子弟の教育に専念しなければならないと言っていました。真剣に自分の使命を語る彼女の姿に、心打たれるものを感じました。その後彼女はどんな人生を送ったのでしょうね。
ヌルボさんは、そもそも韓国にどういうきっかけで興味を持たれたのでしょうか?こんなに膨大なサイトを作られるエネルギーは、どこから来るのでしょうか?ぼちぼち語っていただけると嬉しいです。