ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国のベストセラー漫画(’11年8月) [韓国漫画編]

2011-08-10 23:58:53 | 韓国の漫画
 前回、ディジタル漫画奎章閣のサイトにある韓国のベストセラー漫画を紹介したのは昨年の10月2930日でした。その後どれくらい変動があったか、久しぶりに見てみました。
 前回同様、作者名と作品名を、韓国編と日本編の2回に分けて紹介します。
 ただ、このベストセラーが何を根拠にしているのかがちょっと疑問。たとえば最大のネット書店<YES24>のベストセラーと照らし合わせてみると、ビミョー以上に違いがあるような気もします。

  >  ②

  ③  ④

  ⑤  ⑥

  ⑦  ⑧

  ⑨  ⑩


【韓国漫画】
カンプル(강풀)「あなたが好きです(그대를 사랑합니다) 03」
パク・フンヨン(박흥용)「クルミの木の右の道へ(호두나무 왼쪽 길로 05 (完)」
イム・ジュヨン(임주연)「シェル(씨엘 (CIEL) )16」
チュ・ホミン(주호민)「神とともに あの世編(신과 함께 - 저승편)下」
クォン・キョジョン(권교정)「シャーロック(셜록)01」
パク・スヒ(박소희)「宮(궁) 24」
ユン・ミギョン(윤미경)「河伯の新婦(하백의 신부) 14」
イム・ジェウォン(임재원)「チャン(짱) 63」
イ・マルリョン(이말년)「イ・マルリョンシリーズ (이말년씨리즈 :)」
ホ・ヨンマン(허영만)「食客(식객) 27 (完)」

  昨年の記事で、「韓国は日本に比べ漫画家の数も少なく、当然作品数も少ないので、ベストテンもそんなにめまぐるしく変わることはないようです」と書きましたが、①⑥⑦⑩の4作品が今回も連続して入っていますね。①「あなたが好きです」は今年映画化され、カンプル作品初の大ヒットに。本ブログでも少し紹介しました。
 おなじみのホ・ヨンマン、パク・スヒとともに今回もベストテン入りしたのが⑩「河伯の新婦」。<河伯(ハベク)>というのはドラマ「朱蒙」に出てきましたね。水神のことで、村人のために水を降らしてもらおうと家族の悲しみを振り切って河伯の新婦となることを決心したソア。しかし水の国に着いて見ると・・・、という展開。
 ②「クルミの木の左の道へ」は2003年「韓国日報」連載漫画。これは私ヌルボ、全5巻イッキに読みましたよ。ふっふっふ。ロード・ムービーならぬロード・コミックとでもいおうか、高卒の若者が<いちご>という未知の人物を探して、オートバイにまたがり、忠清北道の永同から秋風嶺を越え、慶尚道、全羅道、さらには江原道、最後にソウルまで、韓国全土を駆ける・・・。ミステリー部分はやや単調でしたが、広寒楼・丹陽八景等々の名所や「木浦の涙」「七甲山(チルカプサン)」等のご当地ソングについての知識をいろいろ仕入れることができました。
 ③④⑤⑧についても気になるところですが、今回は字数と時間の関係でスルー。
 あ、ヘタウマのウェブ漫画はおもしろいから、いずれ記事にするかも。すぐ見たい人は→コチラで。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[8月5日(金)~7日(日)]

2011-08-09 22:17:41 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 最近映画を観てないなあ、ってどのくらい最近かというと、2週間前に観たのが最後。
 切実に観たいという映画がみあたらず、その2週間前というのも京橋のフィルムセンターで観た黒沢明監督の「蜘蛛之巣城」(1957年)。ストーリー展開も俳優の演技も、そしてとくに幻想と現実の間(あわい)といった雰囲気の映像も確固たるカタチが決まっていて見応えがありました。私の好きな山田五十鈴、さすがです。「マクベス」を忠実に時代劇に翻案した作品とのことで、あの「バーナムの森が動く」という場面はどうなっているのだろう、と興味をもって観ていたのですが、期待は裏切られなかったですね。怒鳴り声のセリフが多くて聞き取りにくかったのは他の多くの黒沢作品と同様でしたが。このような映画は、やはりあの時代でなくては作れないのでしょうかねー・・・。
 さて、今期待の韓国映画というと、「アジョシ」は9月17日公開ですか、待ち遠しいなー。9月16~25日の<アジアフォーカス・福岡国際映画祭>、行ければいいのですが・・・。韓国映画は「凍てつく夜に」(「見張り(番人)」)「浄土アニャン」が上映されます。

    ★★★ Daumの人気順位(8月9日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①トゥルー・マッ(味)・ショー(韓国)  9.7(266)
②アンサンディ  9.5(65)
③インサイド・ジョブ  9.4(40)
④ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2  9.3(1062)
⑤サニー(韓国)  9.3(3201)
⑥未来を生きる君たちへ  9.2(76)
⑦カストラート  9.1(56)
⑧リオ  9.1(106)
⑨庭を出ためんどり(韓国)  9.0(389)
⑩名探偵コナン:沈黙の15分(日本)  8.9(97)

 新登場は⑩だけ。この分野だけは日本作品が圧倒。

【専門家による順位】

①ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2  8.5(6)
②トスカーナの贋作  8.3(6)
③イリュージョニスト  8.0(6)
④アンサンディ  8.0(5)
⑤茂山日記(韓国)  7.9(11)
⑥インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実  7.5(2)
⑦心臓が鼓動する(韓国)  7.5(2)
⑧告白(日本)  7.3(9)
⑨高地戦(韓国)  7.2(10)
⑩庭を出ためんどり(韓国)  7.0(7)

 若干の順位変動等はありましたが、新登場はありません。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月5日(金)~7日(日)] ★★★
         韓国初の3D大作「7鉱区」が100万人を超えて1位に

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・7鉱区(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・8/04・・・・・・・・・1,160,483・・・・・・・・・・・・1,361,004・・・・・・・・・915
2・・クイック(韓)・・・・・・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・370,530 ・・・・・・・・・・・2,337,781・・・・・・・・・483
3・・高地戦(韓)・・・・・・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・331,641 ・・・・・・・・・・・2,481,753・・・・・・・・・465
4・・庭を出ためんどり(韓)・・・・・・7/27・・・・・・・・・・・252,350 ・・・・・・・・・・・・・882,507 ・・・・・・・・372
5・・名探偵コナン: ・・・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・・・・・223,555 ・・・・・・・・・・・・・328,763・・・・・・・・・348
沈黙の15分(日)
6・・ハリー・ポッターと ・・・・・・・・・7/13・・・・・・・・・・・157,538 ・・・・・・・・・・・4,237,012・・・・・・・・・326
     死の秘宝 PART2
7・・リオ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/28・・・・・・・・・・・・96,273 ・・・・・・・・・・・・・578,736・・・・・・・・・300
8・・最終兵器 弓(韓)・・・・・・・・・・8/10 ・・・・・・・・・・・77,420・・・・・・・・・・・・・・・97,645・・・・・・・・・237
9・・寄生霊(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・8/10 ・・・・・・・・・・・53,572・・・・・・・・・・・・・・・55,651・・・・・・・・・251
10・・キャプテン・アメリカ:・・・・・・7/28・・・・・・・・・・・・33,150・・・・・・・・・・・・・・497,092・・・・・・・・・231
ザ・ファースト・アベンジャー

 14週連続でベスト10に入っていた「サニー」が消えました。13位、動員数は7,323,110です。
 新登場は1・5・8・9位の4作品。1~4位まで韓国作品というのは今年初めて、かと思ったら、1月第2週にありましたね。
 1位、韓国初の3D映画で、100億を越える製作費をかけた大作。公開して即トップ。3日間で100万人突破という勢いです。さるブログによると、「7鉱区」というのは済州島と九州の間にある大陸棚地域。「韓日共同開発区域(JDZ)」が正式名称で、大規模石油・ガス埋蔵地なのだそうです。そこの海上に浮かぶ石油ボーリング船で、乗組員たちが謎の深海生命体と死闘を繰り広げる、という物語。少し前の記事で、「この映画の紹介記事を見ると、一昨年読んだ世界的ベストセラーSF小説「深海のYrr」と重なっていまうのですが・・・」と書きましたが、たぶん「7鉱区」の怪物はゴカイではないでしょう。では、どんな怪物? ・・・と訊かれても困りますが。
 8位、1636年に清が朝鮮に侵入した丙子胡乱の時、逆賊の子孫のナミ(パク・ヘイル)が清に囚われている姉(ムン・チェウォン)を救うため、弓1本で清の数十万人という大軍に立ち向かっていくという物語。あら、パク・ヘイル、初の時代劇でないの! 最近ホントにいろんな映画に出てますねー。今回はポスターを見ても彼とはわからない変身ぶり。本人の言によると、撮影中2回落馬したとか。
 9位、原題の「기생령」を見て、「妓生(기생.キーセン)」が化けて出てくるのかと思ってしまいました。ハングルだと「寄生」と同じですからね。ホントは殺された子どもの魂が他人の体に憑りついて起こる謎の殺人事件を描いたホラー映画。T-araのヒョミンも出演します。「「寄生霊」、異音発生で公開48時間延期」というニュースも怖くないですか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

孔枝泳(コン・ジヨン)の李箱文学賞受賞作を読む(2) 日本の記者に拉致の謝罪を求められた? 誤解?

2011-08-08 22:56:09 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 1つ前の記事のつづきです。

 作家孔枝泳が一人称の話者になっている孔枝泳の小説裸足で文章の路地を廻るは、どこまで事実そのままなのか、読んでいて首を傾げた箇所がいくつかありました。

 この小説の最初の方で、2007年の訪日時、羽田空港で初めてH(こと蓮池薫さん)と会った時のことが記されています。
 蓮池さんの著作半島へ、ふたたび」(新潮社)にも、彼女を空港に迎えに行ったことが書かれていました。細かなことですが、その日付は「五月九日」となってします。しかし「裸足で・・・」の方はなぜか四月になっています。
 蓮池さんの記述によれば、その日は「生まれて初めての雑誌の対談、生まれて初めての本格的な通訳の仕事、さらに生まれて初めての国際空港への客人のお出迎え」という新しいことずくめの日で、前月から耳を慣らす等々、準備が大変だったようです。
 当日の空港。声をかけた相手が間違いなく孔枝泳さんで、「それまでのいろいろな不安が一挙に払拭された」という蓮池さん、タクシーで都心に向かい、その日の午後は新潮社で延々と対談。そして夜は東京ミッドタウン内のイタリア料理店で歓迎晩餐会。
 蓮池さんの本では「本来明るい性格」の孔枝泳さんは「飲むとさらに陽気に、そして闊達に」さまざま能弁に語り、一人で通訳する蓮池さんは「息をつく間もなかった」そうです。

 この時のインタビューや日本人たちとの会話について小説「裸足で・・・」に戻ると、「あれれ!?」という記述が・・・。
 打ち続くインタビューで、記者たちの関心は作家・孔枝泳よりも翻訳者のHに向けられるんですねー・・・。
 ※当時の「朝日新聞」の関係記事でも、見出しは孔枝泳さんでなく、蓮池さんになっています。

 中でも、私ヌルボも「これはひどい!」と思ったのは3人目のインタビュアー。M新聞社の年配の部長だそうですが、Hへの質問だけで予定時間は残り5分。その間放っておかれた孔枝泳と映画「私たちの幸せな時間」の宋海星(ソン・ヘソン)監督が退屈して小声で話をしてしまうほど。

 その小声のやりとりの中身に、私ヌルボ、少し(以上)引っかかりました。
 Hの拉致についての宋監督の簡潔な感想です。
 북한 애들・・・・쎄다!(北韓の連中・・・・強い!)」。
 「쎄다!」をどう訳すのが正確かよくわかりませんが、「ようやるなあ!」というニュアンスでしょうか?
 さらに宋監督。
 「그런데 지네들은 몇 백만을 끌고 갔었잖아(ところで、おまえたちは何百万人も引っぱっていったじゃないか」。
 作家も控えめな表現ながら「頭の中で従軍慰安婦のことを思い浮かべていた。慰安婦たちの証言や涙のことを考えなかったなら嘘になる」とのことです。また「そこに憤りがなかったといえば嘘になる」とも・・・。
 (このあたりで、相当数の日本人はカチンとくるかも・・・。とりあえずここは抑えて、次。)

 その後ようやく孔枝泳に質問が向けられます。その最初の質問がHのことをどう思いますか?」。(あーあ、あきれるほどの無神経!)
 その言葉を訳すHは目で「すみません」という信号を送っていたそうです。ギラギラした目(부리부리한 눈)でじろじろ見る部長は「おまえ韓国人だろ? おまえたちは朝鮮人と兄弟だろ? だからおまえも結局・・・・だからすすんで悪いと認めるか?(자복(自服)을 하지?)」と言おうとしているようだった、と受け取った作家は、大きく息をついて落ち着け、と自らを鎮めながら用意した答えを言います。
 「胸が痛いことだと思います(가슴 아픈 일이라고 생각합니다)」。
 すると部長の目が異様に(야릇하게)輝いて、「・・・さらにつけ加えることはないですか?(・・・더 할 말이 없습니까?)」。
 「ずっと胸が痛いです(계속 가슴이 아픕니다)」。

 部長は首を傾げると、今度は宋監督にたずねます。
 「こんなあきれた腹立たしいことを映画化する考えはありませんか?」
 室内にしばしギクシャクした(어색한)沈黙が漂い、皆が宋監督を見守る中で、監督は少しためらいつつも泰然と答えます。
 「すごくあきれたことは 映画化するものではありません。それは記事化することでしょう」。
 息を殺していた人たちの間からクスクス笑い声がおこります。このあきれた雰囲気に対する憂慮が安堵に変わる笑いだった、というわけです。ただ1人笑わなかった部長は「あまりに豪快な宋監督の返答に困惑した表情を浮かべ」ると、「ソウデスカ?」と渋い顔で聞きます。
 その程度の日本語はわかる宋監督が答えます。
 「当然でしょう」。
 作家は心の中で思います。宋監督、強い(セダ. 쎄다)!」

 ・・・長々と紹介しましたが、このあたりのくだり、事実なら問題だし、作家の創作ならそれも問題です。
 「事実なら問題」というのは、メイン・ゲストに対してあまりに失礼だから。
 部長自身は「誤解だ!」と言うかもしれませんが、誤解されてしまったのはインタビューの仕方がなってなかったからであることはいうまでもありません。
 「作家の創作」だとすると日本人一般に対する韓国人の誤解を招くから。
 私ヌルボが想像するに、どうも部長の<失礼>を土台に、拉致問題についての彼我の認識の差が、双方の感情を一層逆撫でする結果になってしまったのではないでしょうか?

※「M新聞」は「毎日新聞?」とも思いましたが、「コチコチの保守新聞」とあるので別の某紙のようでもあります。実は少しネット検索してみたのですが、「不明」としておきましょう。

       
   【右から宋監督・孔枝泳さん・蓮池薫さん。(2007年5月)】

 その夜の晩餐会のあと、孔枝泳自身の希望で向かった馬刺しの店で、出版社の人たちも一緒に4人で楽しく酒を飲み文学を語っていると、また1人が訊ねます。
 「Hが拉致されたことに対して、韓国人としてどう思いますか?」。
 孔枝泳は通訳のHの方を見ながら答えます。
 「人間が人間の生を暴力で変えてしまうことを私はいちばん憎悪しています」。
 彼らがゆっくりとうなずいて作家に乾杯を願ったことを「理解してくれてありがとう」と解し、日本酒の盃を口に運ぶ瞬間、彼女は数年前京義道広州のナヌムの家を訪ねた時の慰安婦のおばあさんたちの顔を思い浮かべます・・・。

 その店を出て、ホテルへの帰途、彼女は歩みを止めてHに言います。
 「ミアネヨ(ごめんなさい)、H」。
 あきれたと云うにHは遠くを見て笑います。
 「ただ(그냥)、ごめんなさい。私が韓国人で」。
 Hは手で顔を一度撫でて力なく笑って・・・、
 なぜあなたが私にすまないんですか? ほんとにおかしいですよ。韓国の人たちは私に会うと皆そんな話をよくしますよ。心やさしい人ほどそうみたいですね。私は答えます。何がすまないのですか? あなた方が私を拉致したのでもないのに」。
 翌日もインタビューの連続。記者たちの質問はあい変わらず。「Hを知っていらっしゃいますか? どんな感じがしますか?」。

 作家は動じることなくゆっくり答えます。
 「運命というものについて考えました。なぜ心やさしい人たちにだけ起こるのか、私はそれが知りたいと思いました。ところで、今Hと会って、私はぼんやりとわかるようになりました。心やさしい人たちにだけそんなことが起こる理由は、彼らだけが、善意を持った彼らだけが自身に対する真の矜持として運命を解析できるためだということです」。
 記者たちは首を傾げます・・・。

 ここまでで全体の3分の1程度ですが、韓国人・日本人双方の「歴史認識のズレ」といったものが随所に見てとれます。
 さらには、日韓両国民の、国に対する、あるいは民族に対するアイデンティティの強弱の違いも関係していると思われます。自分と直接関係ない日本人の「悪事」について語られても、多くの日本人は「私に関係ないでしょ」と思うでしょうが、韓国人は「自分が責められている」と受けとめる人が多いのではないでしょうか? 
 このような「認識のズレ」に、に多くの(孔枝泳さんも含めて)韓国人と日本人が気づいてないまま感情的対立を生んでいるように思えます。(あ、神戸大の木村幹先生のような語り方になってきたなー・・・。)

 先に書いたように、孔枝泳さんが、拉致というHの個人的な事例から、より普遍的な正義を追求しているのが見てとれるだけに、それ以前の認識のミゾがそれを阻んでしまっている(と思われる)のが残念、というのが私ヌルボの感想です。

※この本の後ろの方に文芸評論家アン・ソヒョン氏が「文学、人間に対する責任の別名」と題して作家・孔枝泳を解説しています。読みやすく理解しやすい内容ですが、今回の記事も長くなりすぎたので、今後機会があれば紹介するということで・・・。

※なんと! この作品を全文掲せているサイトを発見してしまいました。あえてリンクは張りません。興味のある人はご自分で探してみてください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

孔枝泳(コン・ジヨン)の李箱文学賞受賞作を読む(1)  ・・・・蓮池薫さんとの出会いが重要なモチーフに

2011-08-08 20:38:56 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 韓国の代表的な女性作家の1人孔枝泳の小説裸足で文章の路地を廻る(맨발로 글목을 돌다)」を読みました。
 実はこの記事、昨日アップするつもりだったのが、彼女がゲスト出演しているTV番組(後述)の動画を延々と見ていたら、いつの間にか時間が経ってしまっていて、1日遅れになってしまいました。ははは。

       

 さて、この小説(正確には小説集)ですが、1、2ヵ月ほど前、職安通りのコリアプラザにあったのを見つけて買ってきました。

 以前から読もうと思っていた理由は次の3つです。

①今年(2011年)の李箱(イサン.이상)文学賞を受賞した作品である。 李箱文学賞は東仁文学賞とともに韓国で最も権威ある文学賞ですが、昨年(2010年)受賞の朴玟奎(パク・ミンギュ)よりも5歳年上で、作家としての経歴・実績も積んでいる孔枝泳がこれまで受賞していなかったのは意外でした。(社会正義のために闘う作家ということも関係しているのかも・・・。)

②私ヌルボが一昨年(2009年)読んだ彼女の小説「るつぼ(도가니)」がとても読み応えがあったから。
 この作品の反響は大きく、コン・ユとチョン・ユミの主演で映画化が進められて、すでにクランクアップ。年内に公開されます。(→関連記事)
 彼女は1988年のデビュー以来作品以外のことでも注目されてきました。今年2月9日韓国MBCテレビの人気番組「黄金漁場」中の<膝打ち導師>にもゲストに招かれ、いろんなことを語っています。(→動画) この番組の冒頭に入るテロップで、「小説より、もっと小説のような劇的な人生の主人公」と彼女を紹介しているのは言い得ていますね。

③そして何よりも、この小説の内容。話者=主人公は作家孔枝泳(!)であり、2007年に、カン・ドンウォンイ・ナヨンの主演の映画「私たちの幸せな時間」の公開に先がけて、その原作者としてプロモーションのため来日し、その際に翻訳者のHと出会っていろいろ話をしたことが作品の主要なモチーフになっています。Hとは、北朝鮮に拉致されて24年ぶりに帰ってきた人です。言うまでもなく、蓮池薫さんのことですが、この小説ではHとだけ記されています。
 孔枝泳がはたして蓮池さんや拉致問題等についてどのように書いているか、興味があった、というわけです。

 読んでみると、最初の方で訪日時の羽田空港でのHとの出会いについて記され、彼との話と、それに触発されて拉致被害者、従軍慰安婦、アウシュビッツ等々、「繰り返される人間に対する暴力とそれに耐えねばならない個人の苦痛」についての彼女の省察が展開されていきます。

 自分のことを(たぶん)そのまま書いたもののような作品で、形としては私小説のようでありながら、思弁的な内容ということもあって私小説的な臭みはなく、読者の興味を引くようなストーリー展開でもなく、ひたすら作家のイマジネーションによって普遍性を追求していく、という点に主眼がおかれているようです。

 日本語のブログの中からこの作品についての記事を探したら、ヒットしたのはわずか1つだけ。大学等で韓国語の講師をなさっている韓国人女性金京子さんの<パランセ 파랑새>というブログです。この小説を読んで、金京子さんは次のように記されています。

 小説の中に登場する多くの人々の声と不条理で苦しい事柄の前で「文学が私たちを育て救うだろう」という彼女のつぶやきが聞こえてくるようだった。かすめていく風のように、名もない野の花のように、なじみのなかった一つの文章が疲れた私の魂に恵みの雨ともなる。本当に「一人の人間が成長していくのは運命」であろう。

 なるほどなあ、と思います。
 私ヌルボも、作者が書きたかったことは自分なりにアタマでは理解したつもりですが、ただ作品の主題とは直接関わらない部分で(たぶん)フツーの日本人として引っかかってしまった部分が若干あったために、作品の世界に没入し感動するには至りませんでした。

 その点について書くと長くなりそうなので、今回はここでいったん切って、以下は<つづく>としておきます。

※[参考]ウィキペディアで李箱文学賞の項目を見ると、第1回の金承鈺(キム・スンオク)以下、李清俊(イ・チョンジュン)朴婉緒(パク・ワンソ)崔仁浩(チェ・イノ)李文烈(イ・ムニョル)梁貴子(ヤン・クィジャ)金薫(キム・フン)申京淑(シン・キョンスク)など、過去の受賞者を見るとこれまで本ブログでも紹介した作家が相当数含まれています。(各々リンク先参照) 
 ウィキにはまだ載っていませんが、2009年は金衍洙(キム・ヨンス)「散歩する者たちの5つの楽しみ」で、また2010年は朴玟奎(パク・ミンギュ)「朝の門」で受賞しました。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

集英社の全集「戦争×文学」中の朝鮮関係の作品 : 金在南「暗やみの夕顔」等

2011-08-06 23:54:36 | 韓国・朝鮮に関係のある本
       

 集英社が創業85周年記念企画として、この6月から「戦争×文学」(20巻+別巻)の刊行を開始しています。
 「朝日新聞」の紹介記事にもあるように、浅田次郎、奥泉光ら戦後生まれの作家や研究者だけで編集したもので、内容も、日本が関わった戦争だけでなく、朝鮮戦争やベトナム戦争、そして今月(8月)配本の第4巻『9・11 変容する戦争』では、9.11とそれに続く戦争をも含み、さらに『イマジネーションの戦争』と題した巻では、最近注目の故・伊藤計劃や、モブ・ノリオ、三崎亜記、星野智幸等の作品も収録しています。
※全巻の収録作品は→コチラで。

 さて、本ブログの趣旨に則って、朝鮮・韓国関係の巻及び作品をリストアップしてみました。

第1巻『朝鮮戦争』(2012年6月発売)
 敗戦からわずか五年、隣国で勃発した戦争に日本人作家は何を見、在日作家は、民族の悲劇をいかに描いたか。(解説=川村湊・成田龍一)
金石範『鴉の死』・張赫宙『眼』・北杜夫『浮漂』・日野啓三『無人地帯』・中野重治『司書の死』・松本清張『黒地の絵』・金達寿『孫令監』・下村千秋『痛恨街道』・田中小実昌『上陸』・佐多稲子『車輪の音』・小林勝『架橋』・野呂邦暢『壁の絵』・佐木隆三『奇蹟の市』 
◎詩歌 近藤芳美(短歌)・吉田漱(短歌)・谷川雁『丸太の天国』・江島寛『突堤のうた』・鈴木しづ子(俳句)

第17巻『帝国日本と朝鮮・樺太』(2012年9月発売)
 皇民化を強いられ、戦争に巻きこまれていく朝鮮の人々、朝鮮を故郷とする日本の子ら。日本支配の深い傷を見る。(解説=川村湊)
中島敦『巡査の居る風景』・張赫宙『岩本志願兵』・鄭人沢『かえりみはせじ』・金史良『草深し』・田中英光『碧空見えぬ』・梶山季之『族譜』・湯浅克衛『カンナニ』・小林勝『フォード・一九二七年』・李淳木『冬の橋』・森崎和江『土塀』・後藤明生『一通の長い母親の手紙』・冬木憑『和人』・譲原昌子『朝鮮ヤキ』・吉田知子『豊原』・渡辺毅『ぼくたちの<日露>戦争』・李恢成『砧をうつ女』

 上掲の2巻を見ると、読んだ作品は『鴉の死』『カンナニ』等6編。未読どころか題名も知らない作品、それどころか譲原昌子・鄭人沢・下村千秋・李淳木・冬木憑といった作家については名前さえ知りませんでした。おそらくほとんどは川村湊先生の選定によるものでしょうが、さすが専門家です。

 この全集では、『日清日露の戦争』の巻の岩井志麻子『依って件の如し』のように、現代作家の作品も交じっているので、歴史資料・文学史資料として読む場合には注意が必要かも・・・。
 上記の2巻の場合は皆朝鮮や樺太になんらかの関係がある作家のようですが・・・。(吉田知子が樺太の豊原から引き揚げてきた人とは知りませんでした。)

 その他の巻では第6巻『日清日露の戦争』に収録されている木村毅『兎と妓生と』が朝鮮関係のようです。ネット検索しても、レアな作品のようで、内容等はよくわかりません。

 今日は原爆投下から66年目ということで、とくにこの全集中から1編紹介します。
 この6月に第8巻『アジア太平洋戦争』とともに最初に発売された第19巻『ヒロシマ・ナガサキ』。この中に収められている金在南『暗やみの夕顔』という作品です。

 金在南は『鳳仙花のうた』で知られる在日作家ですが、私ヌルボが彼の作品を読んだのはこの『暗やみの夕顔』が初めて。
 戦後20年経った釜山の、長屋に住まう新聞記者の青年の視点で叙述されています。隣に日本帰りの老婆が越してきたのですが、毎夜何やらけものじみた呻り声が・・・、というやや謎めいた形で進められる物語の焦点は、子どもの頃長崎で被爆して心身に重大な傷害を負ってしまった娘の無惨な状況。その描写自体問題を含んでいるようにも思えるし、また一種耽美的な(?)要素も感じられないでもない、非常に強い印象を受ける作品でした。

 金在南の『鳳仙花のうた』は「<在日>文学全集」(勉誠出版)にも収録されていますが、図書館でその巻の自筆年譜を読んだら、実に波瀾万丈。朝鮮戦争の時に地主の息子という理由でパルチザンに死刑に処せられる直前で助けられた等々、そのままドラマになりそうな人生を歩んできた作家なんですね。その話を書いたらさらに長くなるので、今回はここまで。

※現在神保町シアターで特集企画「戦争と文学」を上映中です。8月26日(金)まで。詳細は→コチラ
 私ヌルボのオススメは鈴木清順監督の『春婦傳』。谷口善吉監督『曉の脱走』と比べてみるのもいいでしょう。『春婦傳』の方は田村泰次郎の原作通り日本人兵士と朝鮮人慰安婦との愛情を描いています。
 名場面との定評のあるのが木下惠介監督『陸軍』のラスト、よく検閲をパスしたものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[7月29日(金)~31日(日)]

2011-08-02 21:14:55 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 韓国KTV今晩23:00~の独立映画劇場は「두껍아 두껍아(ガマよ ガマよ)」という短編ドラマ(19分)と「그믈(網)」という短編アニメを放映するようです。って、あと2時間弱じゃないの!? 先週の「東京タクシー」は飄々とした感じで楽しめました。

    ★★★ Daumの人気順位(7月26日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団(日本)  9.9(37)
はばたけ天使たち
②トゥルー・マッ(味)・ショー(韓国)  9.8(181)
③アンサンディ  9.5(54)
④インサイド・ジョブ  9.4(39)
⑤ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2  9.4(957)
⑥サニー(韓国)  9.3(3158)
⑦庭を出ためんどり(韓国)  9.2(204)
⑧リオ  9.2(60)
⑨未来を生きる君たちへ  9.2(72)
⑩カストラート  9.1(56)

 ①と⑧が新登場です。⑦は先週の興行成績のリストの方で紹介しました。
 ①、9.9という評点はすごいです。「映画生活」の評点も87点という破格の高さで、レビューをみても、大人も子ども以上に(?)感動したようです。「ピッポは自分の敵である「人間」に抵抗があって、裏切り、裏切りの連続、人間どもめ! と言うのです。しかしのび太たちと触れ合い、一緒にいるうち、心の中に、「人間って、本当はいい奴なのかな」と思うのです。ここが映画のポイント」なのだそうです。うーむ、ヌルボも観るべきだったかも・・・。レンタルで観てみるかな?

【専門家による順位】

①ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2  8.4(5)
②トスカーナの贋作  8.3(6)
③イリュージョニスト  8.0(6)
④アンサンディ  8.0(5)
⑤心臓が鼓動する(韓国)  8.0(1)
⑥茂山日記(韓国)  7.9(11)
⑦インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実  7.5(2)
⑧告白(日本)  7.3(9)
⑨高地戦(韓国)  7.2(9)
⑩大切な日の夢(韓国)  7.0(6)
⑩コパカバーナ  7.0(6)
⑩庭を出ためんどり(韓国)  7.0(6)

 ⑤だけが新登場です。昨年11月新型インフルで急死した女優ユ・ドンスクの遺作。37歳の独身女教師を主人公に、女の欲望を大胆に描いたリアル・エロティシズム、というふれ込みの作品です。原題は「심장이 뛰네」。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[7月29日(金)~31日(日)] ★★★
         韓国の大作「高地戦」「クイック」が1・2位

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・高地戦(韓)・・・・・・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・475,276 ・・・・・・・・・・・1,636,712・・・・・・・・・585
2・・クイック(韓)・・・・・・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・467,726 ・・・・・・・・・・・1,437,058・・・・・・・・・585
3・・ハリー・ポッターと・・・・・・・・・7/13・・・・・・・・・・・435,458・・・・・・・・・・・・3,750,550・・・・・・・・・538
     死の秘宝 PART2
4・・キャプテン・アメリカ: ・・・・・・7/28・・・・・・・・・・・256,420 ・・・・・・・・・・・・・319,480・・・・・・・・・448
ザ・ファースト・アベンジャー
5・・庭を出ためんどり(韓)・・・・・・7/27・・・・・・・・・・・229,115 ・・・・・・・・・・・・・336,169 ・・・・・・・・・426
6・・リオ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/28・・・・・・・・・・・201,396・・・・・・・・・・・・・281,691 ・・・・・・・・・414
7・・トランスフォーマー・・・・・・・・・6/29・・・・・・・・・・・128,299・・・・・・・・・・・・7,614,033 ・・・・・・・・・382
     ダークサイド・ムーン
8・・カーズ2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/21・・・・・・・・・・・・68,055 ・・・・・・・・・・・・・364,635・・・・・・・・・269
9・・サニー(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・・・・・・58,245・・・・・・・・・・・・7,226,133・・・・・・・・・177
10・・ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団・・7/28 ・・・・・53,568 ・・・・・・・・・・・・・・70,813・・・・・・・・・195
         はばたけ天使たち(日)                                                                  ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。

 新登場は4・6・10位の3作品。
 1・2位に上がった韓国の両大作は200万はとりあえず超えそうですね。
4位、「ハリポタ」最終作を抜いて、北米ランキング1位獲得とはどんな映画かと思ったら、「祖国アメリカのため<超人兵士計画>に身を投じ誕生したアメリカン・ヒーローの決定版!」なのかー。「ナチスドイツで誕生した怪人レッドスカルへ戦いを挑む」のかー・・・。なんか「ドラえもん」の方が人格的に上みたいだぞ。(あ、「猫」格的に、か。いや、「ロボ」格的?) 韓国題は「퍼스트 어벤져」。日本公開は10月14日。
 6位はブラジル人監督による、ブラジルを舞台にしたハリウッド製3Dアニメ。主人公は青インコ。生まれてすぐに捕獲され、アメリカのミネソタに連れて行かれて、少女リンダに飼われて以来15年。そこにブラジルからやってきた動物学者が、このインコは絶滅危惧種だから子どもを作らないと、ということでリンダともどもリオに飛び立つ青インコ・・・。いやー、いろいろアイディアがあるものだなー。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[韓国語] 「着たなりで全部<ワンパン>になるので(笑)」とコン・ヒョジン

2011-08-02 15:21:46 | 韓国語あれこれ
 1つ前の記事でMBCテレビ「黄金漁場」の<膝打ち導師>のゲストのことを書いたのは、一昨日中国サイトの動画でまとめ見したからです。
 その7月27日のゲストはコン・ヒョジン。動画は→コチラ
 見どころ聞きどころが多く、おもしろかったです。
 彼女が打ち明けた悩みというのが、「いつも「美人とはいえないが・・・」といわれ続けていてイヤ。"美貌の女優"とよばれたい」というもの。そして「チョン・ジヒョンが一番魅力的」で、生まれ変わったらあんな顔になりたいんですと。そういえば、Innolifeのサイト中の彼女の紹介記事でも飛びぬけて綺麗な顔ではないが、大胆さと少女のような恥じらいが魅力的な女優」と書かれちゃってます。本人にしてみれば、後半部分よりも最初の部分が気になるんでしょうね。
そういえば私ヌルボ、「あなたの初恋探します」について「ヒロインのイム・スジョンあまり美人じゃないところがいい」なんて書いてしまいましたが、こんなのも本人にしてみれば全然うれしくないのかも・・・。ま、彼女はヌルボのブログは読まないでしょうけど・・・。

 これから本論。
 カン・ホドンがコン・ヒョジンにファッションのことについて質問しました。以下は画像に沿って・・・。

   
        【今日の衣装のコンセプトは?】

   
        【この頃はとくにコンセプトはありませんよ。】

   
        (冗談)着たなりで全部ワンパン(완판)になるので(笑)。】

   
            【(一同、大笑い)】

        
        ワンパンニョ(완판녀)?】

 さて、この완판とか완판녀という言葉、韓日辞書には載っていません。で、頼みのNAVER辞典では、さすがに新語を載せたオープン辞典にありました。
 しかし、実はこの言葉、2009年の流行語で、いくつかのブログでも紹介されてます。
 たとえば、→コチラ
 つまり、완전히 팔리게하는 여자(完全に売らせる女性)という意味の短縮語で、ドラマやCFで着用した服や靴、バッグ等が話題となりバカ売れを呼ぶファションアイコンのスターのこと。
 漢字で書けば完販女。完全に販売させる女、という意味です。

 ワンパンニョといわれる女優等には、これまでハン・ヒョジュを筆頭に、キム・ナムジュ、チャン・ソヒ、イ・ヒョリ、イ・ヘヨン、ソ・インヨン、シン・ミナ、ハン・イェスル、キム・アジュン、そしてあのキム・ヨナ等々の名があげられてきました。

 そしてこのコン・ヒョジン。6月の芸能ニュースでは、なんと「最高の愛'コンヒョジン'国宝級ワンパンニョ'登極」との見出しが・・・。

 ・・・と、このような前提があったからこそカン・ホドンがファッションについて質問し、コン・ヒョジンが冗談っぽく返したというわけですね。
 このあたりがわかってないと何がおかしいのか全然わかりません。いや、それ以前に言葉の意味もわからないです。
 韓国の人たちと同じところで一緒に笑えるというレベルに達するにはあと何年かかるのか? 日暮れて道遠し、です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20(2011年7月25日~31日)

2011-08-01 23:39:36 | 韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20
 2ヵ月に1回の記事です。前回は→コチラ
 データの出所は韓国の視聴率調査機関TNmSのサイトです。

 一昨日(7月30日)の「朝鮮日報」の記事によると、イランでも韓流ブームなんだそうです。テヘランの街で、韓国人記者は「朱蒙!」と声をかけられたりしたと記しています。韓国人女性だと「ソソノ」とか「ヤングム(チャングム)」。日本ドラマ「おしん」がイランで放映されたのが1983年。当時は日本人が「オスィーン!」とよばれました。(今もかな?) ここでも日韓の間に20数年の年差があるという<ヌルボ仮説>が生きてます(?)。

【7月25日(月)~30日(日)】
①週末連続ドラマ「愛を信じて[사랑을믿어요]」(KBS2)  24.2%
 前回から連続して①位です。
②連続ドラマ「わが家の女たち[우리집여자들]」(KBS1)  19.9%
 前回の③位から1つアップ。
③週末連続劇「きらきら光る[반짝반짝빛나는]」(MBC)  19.7%
 ⑥位から3ランクアップ。そういえば6月1日の「黄金漁場」の<膝打ち導師>キム・ヒョンジュが出演してギター弾いたりしていました。このコーナー、やっぱりおもしろいです。
④ハッピー・サンデー[해피선데이](KBS2)  18.3%
⑤KBSニュース9(KBS1)  14.4%
 前回の⑪位が低すぎだった。しかし20%には戻らず。
⑥月火ドラマ「武士ペク・ドンス[무사백동수]」(SBS)  18.2%
 7月に始まったフュージョン武侠時代劇。侠客ペク・ドンスが英祖大王の護衛武官として刺客集団と対決する。原作はイ・ジェホン(이재헌)著の漫画「野餒 白東脩(야뇌 백동수)」。あっ、これは見覚えがあるぞ、と思ったら、2010年10月29日の記事で少し紹介してましたね。「日本語で音読みすると「やだい・はくとうしゅう」。「白東脩(백동수.ペク・トンス)」が名前で、「野餒」は号です。彼は朝鮮王朝随一の武人。実際に正祖時代に活躍した人物で、ドラマ「イサン」にも登場します」と自分で書いてました。
 おっと、先週29日にこのドラマに出演の「ユ・スンホが交通事故で左頬骨骨折」という最新ニューが・・・。それでも撮影続けるって!?
⑦ドラマスペシャル「シティハンター[시티헌터]」(SBS)  18.1%
 コチラは日本の漫画・北条司「シティーハンター」が原作だって? しかし、1983年のラングーン事件で始まるように、韓国の独自性も打ち出されているようです。イ・ミンホが演じるシティーハンターも青瓦台要員という設定。
⑧大河ドラマ「広開土大王[광개토태왕]」(KBS1)  17.9%
 1つ前の記事で紹介した歴史小説・金辰明「高句麗」のように、「朱蒙」以来ドラマでも高句麗はわれらが先祖の国だ、と中国に対してアピールしていますね。渤海についても同様。
⑨無限挑戦[무한도전](MBC)  14.4%
 前回⑫位から3つアップ。
⑩全国歌自慢[전국노래자랑](KBS1)  14.1%
 定番の長寿番組です。
⑪ギャグコンサート[개그콘서트](KBS2)  13.8%
⑫特別企画「女人の香り[여인의향기]」(SBS)  12.8%
 胆嚢癌で余命6ヵ月と宣告された女性が、残りの人生をどう生きるか? なぬなぬ、女優キム・ソナがバラの花が撒かれた浴槽で泡風呂シーンだって!? 画像は興味のある方はご自身でお探しください。
⑬瞬間捕捉世の中にこんなことが[순간포착세상에이런일이](SBS)  12.7%
⑭世界を変えるクイズ セ・バ・クィ[세상을바꾸는퀴즈세바퀴](MBC)  12.2%
⑮日日連続劇「不屈の嫁[불굴의며느리]」(MBC)  12.1%
 日日連続劇(일일연속극)すなわち月~金20:15~の連続ドラマ。都会の真ん中にある300年の伝統ある旧家・満月堂の本家に集う女たちの波瀾万丈のドラマ、だそうで・・・。主演のシン・エラチャ・インピョ夫人。2005年国際子供養育機関である韓国コンパッションの広報大使となり、夫とともに26ヵ国の子供50人を後援中で、昨2010年には夫妻で<2010韓国社会貢献大賞>で保険福祉部長官表彰個人部門を受賞しているそうです。
 あ、シン・エラも7月20日の「黄金漁場」の<膝打ち導師>にゲスト出演してました。MBCテレビ、ちゃっかりしっかり自局番組の宣伝をやってますね。
⑯黄金漁場[황금어장](MBC)  11.8%
⑰ユ・ジェソク、キム・ウォニの遊びにおいで[유재석김원희의놀러와](MBC)  11.6%
 国民的MCユ・ジェソクと話術も巧みな女優キム・ウォニがトップスターたちをゲストに招いての楽しいトーク番組。
⑱ヒューマン・プラネット[휴먼플래닛](KBS1)  11.3%
 夏休み特別企画として放映されているイギリスBBC配給のドキュメンタリー。さまざまな自然の中で生きている動物と人との関わりを最新の機器で撮影。日本でもWOWWOWで放映したんですね。
⑲朝ドラマ「あなたは本当に美しい[당신참예쁘다]」(MBC)  11.2%
⑳人間劇場[인간극장](KBS1)  11.2%
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする