愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

弱虫わんこが年取ると

2011-11-09 12:48:23 | シェラの日々
☆相手かまわず吠えるようになった


 「散歩へいってよそのわんこと逢うと、シェラが相手かまわず吠えつくから引っ張られて危なくて……」
 家人がしきりにこぼすようになったのがシェラの最近の変わりようである。
 歩くときの足許は危なかっしいシェラだが、いまだパワーは残っている。17歳近いとはいえ、いまだパワフルな22キロのわんこをリードでコントロールするには非力な家人にとってなかなかの苦労であろう。ちゃんということを聞いてくれるから大丈夫というのが前提の散歩なのである。
 
 とはいえ、このところのシェラはまた目に見えて老化が進んだ。だからこそ、よそのわんこたちに吠えつくようになったともいえる。
 生来のチキンハートの弱虫わんこである。シェラが吠えるのは怖いからと相場は決まっている。「寄るな」「くるな」「あっちへいけ」といいたいだけでなのだ。だからよそのわんこにも人間にも噛みついたりしたことは一度もない。
 もっとも、襲われてよその犬に噛みつかれたことは何度かある。そういうとき、いつもぼくが襲ってきた犬を相手に大立ち回りを演じてきた。

☆耳がほとんど聞こえなくなった

 もう一段階進んでしまった老化のうち顕著なのが聴覚である。ぼくや家人が帰っても、すぐそばまでいって声をかけてやらないと反応しない。しかも、かなり大声でないと……。
 寝ていようが起きていようが同じである。かすかに何か聞こえたので顔を上げ、目の前に映る様子から状況を判断して反応するというのが現在のシェラである。

 年齢とともに訪れた五感の衰えのうち、いまのシェラに顕著なのはこの聴覚に続いて視覚らしい。
 目の前のおやつを一部残してしまうことがあり、これは「見えていないから」と家人は主張するが、ぼくは単に嗜好が変わっただけだと思っている。弱ったとはいえ、目と鼻でおやつくらいは捉えているはずだからである。むろん、視覚も嗅覚も歳相応に衰えてはいるだろうが……。

 散歩のとき、ただでさえしつこかった道端のそこかしこで臭いをかぐ行為が、年齢とともにさらにしつこくなった。その執念たるや呆れるほどである。嗅覚は犬の生存にかかわるほどの重要なファクターであり、それが衰えてきたからこそ、シェラも本能的に必死になっているのではないかとぼくは思っているが、本当のところはまるでわからない。

 味覚や触覚にいたってはさらによくわからない。
 ただ、食欲だけはまだ健在でなかなか旺盛である。もっとも、ボケて食べたことを忘れても、現象としては「食欲旺盛」となるが、幸いにして老化もそこまでは進行していないはずである。

☆これが最後にならないようにと


 触覚は、どうなっているのだろうか。人間ほどに重要ではないだろうが、むしろ、身体に生じている痛みを隠しているきらいがある。
 近所にいる先輩格の高齢犬は、家族ですら身体に触ると怒って噛みつくそうだ。飼主さんは、歳とって気難しくなったとおっしゃるが、きっと、あちこちに痛みがあるからではないだろうか。たとえば、神経痛のような……。
 
 これはシェラにもあてはまる。触って怒りはしないが、後脚になんらかの痛みがあるようで、雨の日、レインウェアを装脱着するときに気をつけないと唸って痛みを訴える。
 もっとも、毎日、散歩から戻って雑巾で足を拭いてやるときはガマンしている。

 身体のコンディションは、日々、微妙に表情を変える。それが歳をとるということなのだろう。
 今日もインターネットでシェラのドライフード3㎏を注文した。こうして注文できることがとってもうれしい。これが最後にならないことを祈りつつ手続きを終えるのが、いつのまにか習慣となってしまった。