☆連休最後の日は……
大型連休後半の4連休は、このブログもこまめに更新したいと思いつつ、やっぱり何かと思いどおりはならず、最終日になってしまった。何よりも風邪の疲れがどっと出たきらいがある。ほぼひと月、激しく咳込んでいたのだからむべなるかなと自分でも思う。夕飯後はたちまち睡魔に襲われ、寝てしまう毎日である。
ルイにしても、いつもなら昼間は寝て過ごしているのに、ぼくが休みで昼間あまり寝ておらず、その分、疲れているのがよくわかる。ときどき、食欲不振になるし、夕飯後の「遊んで! 遊んで!」攻撃もなりをひそめている。
連休最後の今日、ルイの狂犬病予防注射に出かけた。いつもお世話になっている病院でお願いした。一緒にフィラリアの検査と月末に飲ませる薬も一緒にもらった。ついでにフロントラインも……。
狂犬病の予防注射をしたわりには、今日のルイはずっと元気なままだった。公園で出逢ったわんことさんざんくんずほぐれつ遊んでいた。
☆久しぶりに安曇野に遊ぶ
先日のキャンプで、ぼくたちは安曇野へ出かけた。数年ぶりの安曇野だった。
いまを去ること30数年前、穂高出身のフォークグループ「わさびーず」のリーダー・堀六平氏との縁で安曇野を知り、ぼくはすっかり魅せられてしまった。
40過ぎのころは本気で安曇野に終の棲家を探したこともあったが、おりからのバブルのあおりで、物件の凄まじい高騰がはじまってたちまち挫折した。すでに堀六平氏との交流が途絶えて久しいが、氏も穂高を含む安曇野はぼくにとって特別な存在であることに変わりはない。
安曇野をクルマで走りながら、大町の木崎湖をめざした。
97年の9月にこのあたりでのキャンプを予定し、青木湖は見たが木崎湖はパスした経緯がある。このとき、結局、白馬までいって気に入ったキャンプ場がなく、鬼無里を越えてたっぷりと暮れたころに戸隠まで走ってテントを張ったことがある。むろん、シェラが一緒だった。
☆木崎湖で得たふたつの収穫
木崎湖ではキャンプ場の駐車場に(無料で)クルマを停めさせてもらい、湖畔を歩いた。
ここまできてよかったと思えることがふたつあった。ひとつは、このキャンプ場で出逢ったキャンパーたちのキャンプスタイルである。木崎湖キャンプ場は、いわゆるオートキャンプ場ではない。つまり、テントのすぐわきにクルマを停めることができない。クルマはキャンプサイトに隣接する駐車場に停めなくてはならない。だからだろう、この日に見た数張りのテントはどれも小型のものばかり、きわめてシンプルなスタイルであり、いつのまにかゴテゴテした装備に堕ちている自分のスタイルを恥じるばかりである。
もうひとつが、ルイがはじめて泳いでみせてくれたことだ。ぼくが湖に放り込んだわけではない。自分の意思で水にはいり、深みのほうに身体を踊らせて飛び込み、泳いでみせてくれたのである。
かつて、シェラといった福島の裏磐梯にある秋元湖で、シェラがはじめて泳いだときは、ぼくといっしょに湖水へ入り、そのうち足が届かなくなって、そのまま歩くようにして四肢を動かし、気がついたら泳いでいたという経緯がある。
以来、シェラは泳ぐのが大好きになり、日光の中禅寺湖ではこちらが油断した隙に飛び込んでいたし、静岡の田貫湖では水面に枯れ草やらゴミが吹寄せられたまっただ中へ飛び込もうとしてぼくたちを慌てさせた。いつも夏に訪れるキャンプ場の渓流で泳ぐのを楽しみにしていたものの、水の冷たさにひと泳ぎするとすぐに上がっていた。
むぎのほうは、泳げるというのに水を恐がり、川であれ、湖であれ、およそ水のあるところには近づこうとしなかった。
☆自ら深みへと身体を躍らせた
ルイが水を恐がるのか、シェラのように好きになるのか大いに気になっていたが、あまり早い時期から鍛えようとしてむぎのように恐がるようにしたくなかったので、木崎湖でもあえて泳がせるつもりはなかった。
夏になったら本栖湖あたりへいって根気よく水に慣らしてやり、ルイ用のライフジャケットも買ってやって完璧に泳がせようと思っていた。
ただ、ぼくの思惑とは別に、ルイは水辺に寄ると興味津々で、やがて自分から水の中に入っていった。一回目はほんの数センチ、足の先が濡れた程度だった。そして、場所が変わり、二度目になると短い脚ながら半分ほど入り、ぼくが湖に突き出た桟橋を歩いていくと、ルイは意を決したように沖の深みに向かってジャンプし、泳ぎはじめた。
最初は拙い泳ぎだった。半分は溺れているような泳ぎだった。すぐに岸に引き返したが、ぼくがリードを引いて沖のほうへ動かすと、すぐに巧みな犬かきがはじまった。岸へ上がったルイを、湖畔に三々五々坐って一部始終を見ていた人たちの笑顔が迎えてくれた。
首から上以外、ずぶ濡れになった身体を、ルイは何度も振るって水気を落とした。今回のキャンプでいちばんの収穫はルイが泳いだことだった。夏になったら、たっぷり泳げるところへ遊びにいこうといまから楽しみにしている。