愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

悪魔の呪縛を小悪魔が解き放ってくれた

2012-05-18 23:59:06 | ルイとの日々

☆いつもそばにいてほしいけど 
 昨夜、ルイを遊んでやりながら床に寝ころんで「死んだふり」をしたらすぐに爆睡モードに陥ってしまった。今週は気骨の折れる仕事が続き、体力よりも気疲れで消耗した。
 爆睡直前にルイを抱きしめて……というより、眠くなったので遊ぶ相手をするのが面倒で、無理やり羽交い締めにしたからだろう、ぼくが寝てしまったあと、ルイが起こしにくることはなかった。
 
 どのくらい爆睡していたのか、顔のすぐ脇でガチャガチャと耳障りな音が聞こえて目が覚めた。ルイが目の前で豚皮のガムを熱心に噛んでいた。音ばかりか、においもきついが、起きたのを悟られたりしたら、また「遊ぼうよ!」とちょっかいをかけてくるから、音とにおいをガマンして眠りに戻った。

 毎朝、ルイは玄関の扉の前までやってきて、会社へ出かけるぼくに、「一緒にいくぅ!」とけんめいにアピールする。そんなルイを家人のほうへ追いやり、「じゃあなぁ~! なるべく早くかえってくるからなぁ~」と手を振る。ルイは、「そ、そんなぁ」という顔で家人の腕をふりほどこうともがく。その隙にぼくは外へ出てドアを閉める。かくして、毎朝、ぼくは後ろ髪を引かれる思いで会社へ向かう。
 ささやかな幸せを実感する瞬間である。


☆悪魔はたしかに実在する 
 そんなつましくも満たされた日常とは対蹠的なあやうい生き様を送る人間に、今週、ぼくはいっとき打ちひしがれた。不快きわまりない体験だった。
 翌日になっても不快感は消えず、いたたまれなくなって、前日(5/15)のことをツイッターに次のように記した。
 
いろいろな女性を見てきたけれど、昨日、久々に会った、かつて何度か飲食をともにしたこともある、まだ若いこのひとの言動は唖然とするほど欺瞞に満ちていた。マスクの上に並ぶふたつの瞳に宿る邪悪な光はとうてい人間のものとは思えず、悪魔のそれでしかない。悪魔はたしかに実在する。

 
 彼女の求めに応じ、何度か夜の時間を割いて食事をしながら職場での深刻な悩みを聞いた。「なんとかしてやらなくては……」と、ずっと気にかけてきたが、それらのすべてが上司を追い落とすための虚言であり、裏側で行っている犯罪行為の発覚を隠蔽するための偽りの演出だったのが露見した。


☆ちょっとの違いが大きいよね
 それでもぼくはにわかには信じられず、まだどこかで彼女の潔白を信じたい気持ちを捨てきれずにいた。しかし、彼女はぼくまでもが不正行為をおこなっていると明言したのである。たちまち躊躇は消え、ぼくは彼女を刑事告訴する方針に同意した。
 平然と虚言を弄するときの悪魔ならではの邪(よこしま)なふたつの目は、彼女がマスクで顔の大半を隠しているだけにいっそうおぞましく際立つ。

 ツイッターは、去年の4月に開設してまだ100ツイートを越えたばかり、たいして更新していなかったが、無念さを吐き出すにはちょうどいいツールだった。
 しかし、怒りぶつけたからといって気が晴れるはずもない。悪魔と化したとはいえ、早晩、若い女性を犯罪者として司直の手にゆだねる決断の後味の悪さがいつまでも尾を引いている。
 
 家に帰り、無邪気な小悪魔のルイと遊んでようやく悪魔の呪縛から解き放たれる。この子がいてくれてよかったとしみじみ思う。 
 悪魔と小悪魔――表記のちょっとした違いだけど、存在の実態は正反対である。