カンタくんは、目を細め、顔を突き出してお父さんの次の行動を待った。
お父さんもシュッシュッと噴霧状の水をカンタくんの顔に吹きかけた。
カンタくんは、2歳になる雑種のワンコである。
スリムだが、身体の大きさはシバよりほんの少し大きく、脚は長い。
「りこうですよ」とお父さんの折り紙つきだ。
そうだろうと思う。
ほかのワンコに対してもだが、それ以上に、飼い主以外の人間にはまるで関心を示さない。
たとえば、何度も会って、いつも名前を呼んでいるぼくに対して、まるでぼくが存在しないかのように徹底して無視する。
それでいて飼い主には従順だ。
そして、なんとも静なワンコである。
知れば知るほどぼくはカンタくんに惚れ込んでしまった。
最近では彼の性格を尊重して声はかけないでいる。
というより、その孤高の精神に圧倒され、気安く名前など呼べなくなっていた。
きのうの朝、久しぶりに逢った。
そろそろ暑くなっている6時を少し過ぎたころだった。
どちらが先にアクションを起こしたのかはわからなかった。
もしかしたら、お父さんのほうが先に霧吹きヘッドのついた水入りのペットボトルをカンタくんに向けたのかもしれない。
それにこたえてカンタくんが目を細め、顔を突き出したのかもしれなかった。
絶妙の呼吸だった。
さっそく、ぼくも100円ショップへいって霧吹きヘッドを買ってきた。
夕方の散歩でルイの顔に冷たい水を吹きかけてやった。
ルイはびっくりして顔をそむけた。
1時間ほどの、ゆっくりした夕方の散歩で、何度かルイに霧状の水をかけやる。だが、その度に迷惑そうに嫌がった。
今朝の散歩では少しは慣れたようだが、喜んではいなかった。
少しは涼しくなるかと思い、身体も湿らせた。
何度やっても、今後ともカンタくんのように目を細め、顔を突き出して待ってはくれないかもしれない。
それでも、きっと涼しいに違いないと信じてつづけるつもりである。
きょうも夕方からの散歩では、冷蔵庫で冷やした水をウレタンの袋に入れて持っていくつもりだ。
ルイがカンタくんのようにこたえてくれる日はくるだろうか。
お父さんもシュッシュッと噴霧状の水をカンタくんの顔に吹きかけた。
カンタくんは、2歳になる雑種のワンコである。
スリムだが、身体の大きさはシバよりほんの少し大きく、脚は長い。
「りこうですよ」とお父さんの折り紙つきだ。
そうだろうと思う。
ほかのワンコに対してもだが、それ以上に、飼い主以外の人間にはまるで関心を示さない。
たとえば、何度も会って、いつも名前を呼んでいるぼくに対して、まるでぼくが存在しないかのように徹底して無視する。
それでいて飼い主には従順だ。
そして、なんとも静なワンコである。
知れば知るほどぼくはカンタくんに惚れ込んでしまった。
最近では彼の性格を尊重して声はかけないでいる。
というより、その孤高の精神に圧倒され、気安く名前など呼べなくなっていた。
きのうの朝、久しぶりに逢った。
そろそろ暑くなっている6時を少し過ぎたころだった。
どちらが先にアクションを起こしたのかはわからなかった。
もしかしたら、お父さんのほうが先に霧吹きヘッドのついた水入りのペットボトルをカンタくんに向けたのかもしれない。
それにこたえてカンタくんが目を細め、顔を突き出したのかもしれなかった。
絶妙の呼吸だった。
さっそく、ぼくも100円ショップへいって霧吹きヘッドを買ってきた。
夕方の散歩でルイの顔に冷たい水を吹きかけてやった。
ルイはびっくりして顔をそむけた。
1時間ほどの、ゆっくりした夕方の散歩で、何度かルイに霧状の水をかけやる。だが、その度に迷惑そうに嫌がった。
今朝の散歩では少しは慣れたようだが、喜んではいなかった。
少しは涼しくなるかと思い、身体も湿らせた。
何度やっても、今後ともカンタくんのように目を細め、顔を突き出して待ってはくれないかもしれない。
それでも、きっと涼しいに違いないと信じてつづけるつもりである。
きょうも夕方からの散歩では、冷蔵庫で冷やした水をウレタンの袋に入れて持っていくつもりだ。
ルイがカンタくんのようにこたえてくれる日はくるだろうか。