「おね 上・下」(田渕久美子著 NHK出版 2016年10月20日第1刷発行)を読みました。
「おね」とは、ご承知のように、豊臣秀吉の正室の名前ですね。
彼女は、下級武士の娘の生れですが、彼女が数えて10歳の時に、当時はまだ藤吉郎と言われていた秀吉と出会います。
その後、秀吉と結婚することにより、この国の女性としては頂点の地位に登りつめます。
秀吉の死後、高台院の院号を賜り出家しますが、出家後の平穏な暮らしに専念することが許されず、豊臣家存続のために動かざるをえなくなります。
結局は、豊臣家は滅び、徳川の時代になりますが、彼女は、家康の死後も生き続け(「家康」と「おね」とは同年ということのようです)、83歳の生涯を閉じました。
この本のストーリーは、以上のようなものでしたが、最初の、おねと藤吉郎との出会いは、どうも、史実ではなく、著者の創作ではないかと思いました(-_-;) 話がうますぎますものね(^-^; ストーリーを面白くするためのフィクションではないかと感じました。
その後のストーリーは、概ね、史実に依るのではないかと思いました。
この本からは、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という三人の天下人が登場してきますので、戦国末期の概略を知ることが出来ます。
また、女性の視点から書かれていますので、これまでにはない戦国時代の歴史小説の新鮮味のようなものを感じました。