今回は、「伊万里 色絵色絵 貝海藻文あわび形皿(一対)」の紹介です。
伊万里 色絵 貝海藻文あわび形皿(一対)
表面
左:皿A 右:皿B
裏面
左:皿A 右:皿B
皿Aは、昭和56年に、地方都市の骨董屋から買ってきたものです。
そして、皿Bのほうは、その1年後に、地方都市の百貨店の大骨董市で買ってきました。今では、骨董市といえば、普通、神社の境内などで開かれていますが、その頃は、百貨店の大催事場を貸し切って行われていたんです。
ところで、この「あわび形皿」を買った頃は、元禄・享保以前の伊万里が正式な「古伊万里」とされ、それ以後の伊万里は、十把一絡げで「幕末物」と言われてバカにされていたんです。しかし、流石に、この手になりますと、「幕末物」とは言い切れませんので、人によっては「中伊万里」などと言っていました。
なお、この「あわび形皿」は、これが作られた頃は、大変に人気があったようで、大量に、長年にわたって作り続けられたらしく、残存数も多いようです。
あわび形皿は、「柴田コレクション総目録」(佐賀県立九州陶磁文化館編集発行)にも何点か紹介されています。そのうちで、最もこの「あわび形皿」に類似しているものは、図柄は違いますが、下の写真にある「図3218」でしょうか。
「柴田コレクション総目録」から転載
伊万里 色絵 貝海藻文あわび形皿 A
表面
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裏面
製作年代: 江戸時代中期(1740~1760年代)
サ イ ズ : 皿A……口径;17.6×14.2cm 高さ;3.9cm 底径;8.7cm
皿B……口径;17.6×14.2cm 高さ;4.0cm 底径;8.7cm
ここで疑問が浮かびます。中伊万里の中は、前中後の中か、上中下の中か、どちらでしょうか。
この皿を見れば歴然ですね。当然、前中後でないと怒られます(^^;
百貨店での骨董市は独特の雰囲気がありましたね。品物も屋外の骨董市より、中から上が多かったように思います(^.^)
私の推測するに、「中伊万里」の「中」は、年代的な「中」で、古い「古伊万里」でもなく、かといって新しい伊万里でもない、「中くらいの古さの伊万里」という意味だったのかなと思っているんです(^_^;
百貨店での骨董市は独特の雰囲気がありましたし、今よりも活気がありましたよね。
それに、私の住んでいる所では、開催回数も、年に数回でしたので、楽しみでもありました。
百貨店を借りて、場所代や宣伝費もかけて行われるわけですから、儲けの出るような物が多く並べられていましたよね。
可愛い皿ですね。
色絵もすてきです。
アワビ形皿は、昔から人気があったようで、大きな皿から小さな皿まで、いろいろと作られています。
また、染付のものが多かったようですが、このように、色絵のものもありました。
やはり、染付のものよりも、色絵のもののほうが華やかで綺麗ですよね(^_^)
この品は宝暦期に多く見られる染錦手で、色絵でも落ち着いた感じがいいですよね!
ワタシもぜひ一つ欲しいと思い、傷物であることに目を瞑って購入したのが
青磁色絵アワビ形皿でした。
https://blog.goo.ne.jp/sakatanohito/e/e79a44347c48aa50d63e579809b2cfb8
以前にお付き合いのあった「猫の蔵」の旦那さんに
「古いアワビ形皿が高台が丸くない」と教えてもらったが役に立ったものでした。
酒田の人さんのところの鮑形皿は、古さといい、文様といい、その中でも出色の出来ですね(^_^)
私のところのこの鮑形皿は、よく見かけました。骨董市などでの、定番商品でしたね。でも、最近では、枯渇したのか、あまり見かけなくなりましたね。
そうそう、鮑形皿に限らず、変形皿の場合は、古いものは、高台が丸くないことが多いですよね。