今回は、「色絵 栗文 四方小皿」の紹介です。
表面
傷部分の拡大
口縁には何カ所かに傷があり、補修が施されていますが、その内の一番大きな傷部分です。
裏面
側面(その1)
側面(その2)
生 産 地: 肥前・有田
製作年代: 江戸時代前期
サ イズ : 口径13.4×12.7cm 底径7.7×6.8cm
なお、この小皿につきましては、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」の中で紹介し、その解説をしておりますので、ここで、その解説文を引用し、この小皿の紹介に代えさせていただきます。
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<古伊万里への誘い>
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*古伊万里ギャラリー34 古九谷様式色絵唐草文と栗の実図小角皿(平成14年5月1日登載)
小さいわりに力のある小皿である。栗も、コンパクトにバランスよく描かれ、力強さと安定感を感じさせる。
口縁部を全体に少し立ち上げ、四隅は隅入りとし、各辺の真ん中を突起させ、全体として厳しい造りである。
また、口縁には口紅を施して全体を引締め、蛸唐草は額縁の役目を果たしている。蛸唐草は染付ではなく、色絵で逆蛸唐草に仕上げてあり、上品さを演出している。
さながら、栗を描いた絵を額に入れたようであり、一服の絵を鑑賞しているかのような錯覚を覚える。
額縁に相当する部分に描かれた四つの火焔のようなものが華やかさを演出し、心憎い。
裏面には折枝梅文が描かれ、高台内には二重角福銘があり、昔いわれていた古九谷そのものである。
江戸時代前期 長径:13.4cm
逆タコ唐草、気が付きませんでした(^^; 4個の火炎を花部とみなせば、逆唐草模様ともみなせますね。これだけ上品な品ですから、そう思いたいです(^.^)
色といい きれいな堂々とした皿ですね。
金色のところが補修されているのですか。
格調高い補修になるんですね。
初期の頃は、いろいろと創意工夫を凝らしていますよね(^_^)
そんなところも、初期の頃のものの魅力ですよね(^-^*)
小さいのにもかかわらず、綺麗で、堂々としていますよね。
自信に満ちていますよね。
そうです。金色のところが補修した箇所になります。
このような補修のことを、金継ぎ(きんつぎ)とか金繕い(きんつくろい)といいます。
昔からされている方法なんです。
茶道でのお茶道具など、わざわざ割って、それを金継ぎし、その直した部分を見所として鑑賞したりすることもあるんですよ(^_^)
小皿なのに圧倒的な存在感がありますし、色使いや絵の味わいは
他の時代の伊万里では絶対に味わえない魅力だと思います。
この品も栗の絵が見事ですし、高台のシャープな成形がまた魅力的です。
色絵古九谷は日本の油絵と言われる所以ですよね(^_^)
その絵を際立たせるために、口縁に額縁の役割を果たさせ、そのために、蛸唐草を色絵で描いたり、また、それを逆蛸唐草にしたりと、いろいろと工夫もしていますものね。
このシャープな高台作りは、酒田の人さん好みでしたよね(^-^*)