いま舞台が丘整備事業において東御清祥高校への市税投入が課題になっています。そこで多部制単位制の高校の現状を把握するために埼玉県立狭山緑陽高校と吹上秋桜高校の2校を全議員で視察させていただきました。視察には花岡市長も同行されました。
多部制単位制高校とは一般的はあまり聞いたことがない高校ですが、現在長野県内には東御清祥高校を含め3校があります。普通一般的な高校は同じカリキュラムを履修しますが、多部制の高校には午前部、午後部、夜間部などといったいくつかのカリキュラムがあり、自分の生活スタイルにあわせて学習する時間帯を選ぶことができます。自分の選択した部だけ履修すると4年で卒業になりますが、他の部の授業を受けると3年間で卒業することもできます。
単位制とはちょうど大学の授業のように、自分の興味や将来の進路に合わせて授業を選択でき、卒業に必要な単位数(74単位)を取得すれば卒業できる仕組みです。年度ごとの進級・留年という考え方がなく。自分のペースに合わせて学習することができます。
こうした制度改革の背景の第1には、少子化で生徒数の減少に伴う高校再編があります。東御清祥高校の場合現在は午前部、午後部の2部編成ですが、将来的には夜間部の併設も視野に入れているのではないでしょうか。第2には、引きこもりや不登校、学力不足などが大きな問題になっていることです。多部制単位制では朝の苦手な生徒は午後部を選択することもできます。学習の進め方も単位制であるため一律ではなくその生徒に合わせて組むことができます。クラスの生徒数もこれまでの30人から20人になり、先生が生徒一人ひとりに目を配ることができるようになります。
こうした新しいタイプの高校が文部科学省の方針で全国各地に作られ、東御清祥高校は昨年4月からそれまでの全日制の高校ではなく、多部制単位制高校としてスタートしています。
最初に視察したのは狭山緑陽高校です。校庭も広く緑も多く風格のある学校でした。在籍生徒数は631名(1学年240名)、うち1部7割、2部3割です。ここは2部制を採用しており、1部は10時から2時35分までの4時限、2部は17時5分から21時15分までの4時限となっています。この間共通選択として14時35分から16時15分までの2時限があります。この時間を受講すれば3年で卒業できます。また部活もこの時間で行うそうです。東御清祥高校の場合は始業は8時30分ですので、1部が10時始業というのは驚きでした。一クラスは東御清祥高校が20人に対し30人とのことでした。
学校施設や授業状況を視察させていただきました。皆さん熱心に受講されていたことが印象的でした。
次に視察したのは鴻巣市にある吹上秋桜高校でした。ここは平成22年に吹上高校の全日制、鴻巣高校定時制、熊谷女子高校定時制、深谷商業高校定時制を統合して設立した高校で、在校生徒436名(1学年216名、2学年220名)。一クラスの生徒数は25名となっています。ここも狭山緑陽高校と同様に2部制で、1部の始業は10時からです。その結果「高校に入って勉強がわかるようになった」と思う生徒が64.1%、中学時代に不登校を経験した生徒のうち改善した生徒は55.2%となるなど徐々に成果もあがってきているとのことでした。
今後の主な課題として、①将来への展望や職業観がないため適切な科目選択ができていない生徒が多いこと、②多様な生徒への指導の難しさ、③科目選択指導・事務処理・生徒指導など教員の負担増などがあげられていました。
パソコン教室で授業を受けていた生徒はなんと二人だけ。単位制であるためのこうした少人数の講座もやむを得ないのでしょう。単位制だからといって教員数が特別に増やすということはないので、教員の負担感は大きいのではないかと感じました。
吹上秋桜高校の教育目標は「基礎的な学力を身につけるとともに、豊かな人間性と規範意識を養い、心身ともに健康で、社会の発展に貢献できる人材の育成を図る」となっています。新しい学校制度が大きな成果をあげられることを願っています。
お忙しい中長時間にわたって私たちの議会の視察を受け入れていただいた両校に感謝します。
多部制単位制高校とは一般的はあまり聞いたことがない高校ですが、現在長野県内には東御清祥高校を含め3校があります。普通一般的な高校は同じカリキュラムを履修しますが、多部制の高校には午前部、午後部、夜間部などといったいくつかのカリキュラムがあり、自分の生活スタイルにあわせて学習する時間帯を選ぶことができます。自分の選択した部だけ履修すると4年で卒業になりますが、他の部の授業を受けると3年間で卒業することもできます。
単位制とはちょうど大学の授業のように、自分の興味や将来の進路に合わせて授業を選択でき、卒業に必要な単位数(74単位)を取得すれば卒業できる仕組みです。年度ごとの進級・留年という考え方がなく。自分のペースに合わせて学習することができます。
こうした制度改革の背景の第1には、少子化で生徒数の減少に伴う高校再編があります。東御清祥高校の場合現在は午前部、午後部の2部編成ですが、将来的には夜間部の併設も視野に入れているのではないでしょうか。第2には、引きこもりや不登校、学力不足などが大きな問題になっていることです。多部制単位制では朝の苦手な生徒は午後部を選択することもできます。学習の進め方も単位制であるため一律ではなくその生徒に合わせて組むことができます。クラスの生徒数もこれまでの30人から20人になり、先生が生徒一人ひとりに目を配ることができるようになります。
こうした新しいタイプの高校が文部科学省の方針で全国各地に作られ、東御清祥高校は昨年4月からそれまでの全日制の高校ではなく、多部制単位制高校としてスタートしています。
最初に視察したのは狭山緑陽高校です。校庭も広く緑も多く風格のある学校でした。在籍生徒数は631名(1学年240名)、うち1部7割、2部3割です。ここは2部制を採用しており、1部は10時から2時35分までの4時限、2部は17時5分から21時15分までの4時限となっています。この間共通選択として14時35分から16時15分までの2時限があります。この時間を受講すれば3年で卒業できます。また部活もこの時間で行うそうです。東御清祥高校の場合は始業は8時30分ですので、1部が10時始業というのは驚きでした。一クラスは東御清祥高校が20人に対し30人とのことでした。
学校施設や授業状況を視察させていただきました。皆さん熱心に受講されていたことが印象的でした。
次に視察したのは鴻巣市にある吹上秋桜高校でした。ここは平成22年に吹上高校の全日制、鴻巣高校定時制、熊谷女子高校定時制、深谷商業高校定時制を統合して設立した高校で、在校生徒436名(1学年216名、2学年220名)。一クラスの生徒数は25名となっています。ここも狭山緑陽高校と同様に2部制で、1部の始業は10時からです。その結果「高校に入って勉強がわかるようになった」と思う生徒が64.1%、中学時代に不登校を経験した生徒のうち改善した生徒は55.2%となるなど徐々に成果もあがってきているとのことでした。
今後の主な課題として、①将来への展望や職業観がないため適切な科目選択ができていない生徒が多いこと、②多様な生徒への指導の難しさ、③科目選択指導・事務処理・生徒指導など教員の負担増などがあげられていました。
パソコン教室で授業を受けていた生徒はなんと二人だけ。単位制であるためのこうした少人数の講座もやむを得ないのでしょう。単位制だからといって教員数が特別に増やすということはないので、教員の負担感は大きいのではないかと感じました。
吹上秋桜高校の教育目標は「基礎的な学力を身につけるとともに、豊かな人間性と規範意識を養い、心身ともに健康で、社会の発展に貢献できる人材の育成を図る」となっています。新しい学校制度が大きな成果をあげられることを願っています。
お忙しい中長時間にわたって私たちの議会の視察を受け入れていただいた両校に感謝します。