おさむのブログ

日常考えていることや、感じた事を書いています!!

おさむのひとりごと6月号

2011年10月15日 06時24分40秒 | 家づくり
毎日毎日てんこ盛りのエピソードが続いた5月。その時に書いたおさむのひとりごと6月号です。人間ってすばらしい。人間大好き!!!


おさむのひとりごと 2011-6

6月になりました。いかがお過ごしですか。ぼくは3月11日の震災以来ほぼ毎日、瓦が落ちてしまった屋根の上です。養生したシートが飛んでしまったり、土のう袋やガラ袋が紫外線により劣化し破れてしまったのを詰め替えたり、新たに問い合わせのための調査に上がったり・・・・・いったいいつまで続くのか、時に気持ちが折れそうになってしまいます。

そんな時に自分を奮い立たせるものは、やはりお客様の喜びの声です。ぼくの存在を必要としてくれている人がいる。これは震災なんだ。誰もが経験したことがない震災なんだ。そして何より、『自分の娘に振り袖を着せたような家づくり』として造ったお家が、まるで自分の娘が傷ついているかのようにさえ見える。黙って指をくわえて見ていられない。可哀想で悲しくて見てられない。自分ができることの全てを集中させて、とにかく早く、治したい!!!

阪神淡路大震災では、屋根瓦の崩落工事がほぼ完了するのに3年から4年かかったのだそうです。この東日本大震災の規模からしたら、屋根からブルーシートが消えるのには恐らく5年の時間を要するのではないかと。

んなぁわけにはいかない!!そうさせてたまるか!!!ぼくは目標を立てました。それは、8月のご先祖様を迎えるお盆までに、いま北澤工務店で受け付けているOB施主様のお家の修復を完了させる!!3月11日からはいているジャージをお盆までに脱ぐ!!!

がむしゃらです。『自分のところばっかり』とかなんとか言われるかもしれないけれど、なりふり構わず、です。いろいろな方にご迷惑をおかけしたり、無理難題を押し付けたりするかもしれませんが、とにかくその目標に向かって、ひとつひとつ、治していきます。

≪かわらぶき職人≫
『材料がない』なんてことをよく耳にしますが、北澤工務店には当てはまりません。これまでにもご紹介している奈良の『タケダ』さんがガンガン入れてくれています。すでに北澤工務店の作業場には漆喰から銅線から瓦から、山となって積んであります。
ただ何より、『かわらぶき職人』がいなければ元もこうもありません。でもただの『屋根やさん』『瓦やさん』じゃダメです。いま連続で来てくれている山梨の古屋さんグループは『かわらぶき職人』です。もう二度と落ちんなよ!!という気迫さえ感じる仕事ぶりです。逆に先日ある現場を見たんです。そしたら、今回の震災で落ちてしまったやり方と同じやり方で作業しているじゃないですか!!!お客様はわからないですからね。そんな職人を『自分の娘に振り袖を着せたような家づくり』の屋根に上げるわけにはいかない。

≪京都≫
でぼくは、友人の工務店の紹介で京都の井辻瓦さんに向かいました。奈良組、山梨組に続き、更なる増援を要請するためです。電話で済ませるわけにはいかない。実際にお会いしてぼくの気持ちを伝え、そして実際に来てくれるかわらぶき職人に会って、任せられるかどうか確認したいから。
80年続くこちらの会社。土を醸造させたり、こだわりが随所に見られます。そして共感してくださった社長の井辻さんと話はとんとん拍子に進み、6月5日から二人、来てくれることになりました。それもなんと驚くことに、『半年でも1年でも、終わるまでやらせてもらいます』とのこと!!!!『一ヶ月に一回は家族の元に帰してやってくださいな(笑)』と!!!ずーっと龍ヶ崎に住み込んでくださるというのです。北澤工務店専属のかわらぶき職人です。
その方にもお会いしました。いまやっている現場も拝見しました。まさに『かわらぶき職人』でした。福田さんといいます。カタロに住み込んでいただくのですが、『きたざわさんのすきなように使ってくださってけっこうですから』とか『せっかく行くんですから、カタチになるまでがんばらせてもらいます。』と、胸にびんびん響く言葉をいただきました。とってもとっても楽しみです。

≪とあるメール≫
会社に差出人不明のメールが入りました。(ご本人了承済みです)
『被災地周辺の都県でも大変だとは思いますが、頑張ってください!』
これまでの着信履歴をたどったのですが、わからない。
『うれしい応援メール、ありがとうございます。いま龍ヶ崎はとても激しい雨!!瓦が落ちてしまったお家が心配です。ところで、すみません、どちら様でしたでしょうか・・・北澤工務店  北澤修』
すぐに返信がありました。
『6月5日からお世話になります、京都の井辻瓦の職人の息子です。父親から北澤工務店さんの名刺を見せてもらい、blogやHPを観覧させてもらいました。blogは社長さんの考え方や信念や思いが、すごく伝わってくる内容に安心感を覚え、父親にも、茨城県の地震の影響で被災した現場で頑張ってほしく、また、北澤工務店さんの力に少しでもなってほしく、メールしてしまいました。 忙しい中申し訳ありません。父親には内緒でお願いします。色々と迷惑をおかするかもしれないですが、2人の事をヨロシクお願いいたします。乱文ですが、これにて失礼させて致します。』

なんと、福田さんの息子さんからではないですか!!これって、すごくないですか!!!息子さんが心配して調べてくださったんです。余震とか、放射能とか心配だと思いますし、見ず知らずの茨城の地ですから。
茨城に行くことを決めた父親を思い、北澤工務店のHPやブログを読んで、そして、ぼくに、共感してくれたんです。そして、このメールをくれたんです。思わずぼくはまた胸が熱くなって・・・・

≪まだ先は見えぬども≫
震災から3ヶ月が経ち、復旧が終わったところも徐々に増えてきました。そして梅雨です。毎日のように電話が入るようになりました。『うちはいつごろになるかしら・・・』『その後どうなってんの???』お客様の心中を察するには余りあるものがあります。あと少し、もう少し、お待ちください。必ず約束の時までに、治しに行きます。





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