先月下旬の話になるが,毎年恒例の《たばこ祭り》が盛大に催された。嫌煙家もヘビー・スモーカーも子供も大人も併せて全市民の約70%以上(推定)が参加するという,当市にとっては欠くことのできない花形行事である。もちろん我が家の4名もイソイソと出掛けた次第だ。
事前のリサーチでは,今年のアキラが狙っているのは一番が「錬りアメ」二番が「かき氷」三番が「じゃがバター」ということであり,相変わらず食べ物関係ばかりに執着している様子だった。一方タカシときたら,今年は「当てクジ」をあまりやらないで少しお金を貯めようかなぁ,などと殊勝なことを言っていた。その分貯めたお金で遊戯王カードを買いたいらしい。ウーン,今までとは少し傾向が変わってきたのかな?
いざ祭りに出掛けてみると,今年の露店の「当てクジ」は予想通りというか「遊戯王」関係が全盛であった。小・中学生を中心とする主として男の子たちにおける,このカードゲームに対する執着心は本当にびっくりするほどだ。当然ながらゲーム自体よりも収集そのものに対する執着心の謂である。例えは悪いがそれはまるで黒死病にでも感染したかのごとき状況を呈しており,タカシとそのオトモダチは毎日毎日,仲間同士で集まるたんびにそれらのカードの山をズラリと床に並べたり,お互いに見せ合っては勝手に講釈を始めたり,はては巧妙な駆け引きの挙げ句に交換し合ったりして,それぞれ悦に入っている。父には一体どこが面白いんだか,何だかまるでゼ~ンゼンわかりません。
ここで「当てクジ屋」について少々詳しく述べておこう。ただし以下は全く当てずっぽうの概算なので,眉に唾してお読み願いたい。本年度の《たばこ祭り》において,当市の中心部での露店の出店状況はほぼ例年通りで,道路の総延長にして地図上で概算すると約1,600mほどであった(道路の両側に露店が設けられている場合はダブルカウントする)。露店1軒当たり幅4m前後を占有するとして,約400軒の露店が軒を連ねていたことになる。そのうちの1割弱,約40軒は「当てクジ屋」だったように思う。当てクジの8割方は『遊戯王カード専門店』であったから。都合30軒ほどの遊戯王関係のお店があったわけだ。
それらの遊戯王専門当てクジ屋の周辺には,小学校高学年を主体とする多くの子供らが店を十重二十重に取り巻くようにして絶えずたむろしており,いずれの子も目を輝かせながら大当たりの景品(揃いのカードセット?)を眺め,そのうちの何人かはやがて意を決して大枚300円を払いドキドキ・ワクワクしながらクジを引く,といった光景が恒常的に見られる。ところでそのような子供らの購買状況(大博打)をしばし定点観察していると,クジを引いた子のほとんどがハズレ・ハズレ・ハズレばかりで,大当たりはもちろんのこと,中当たり,小当たりすら滅多に出くわさない。100例につきハズレが95例,小当たりが4例,中当たりが1例,くらいがいいところではないかな。少なくとも私自身の体験から申せば,これまでの決して短からぬ「露店人生」において当たりクジを引いた子に出くわしたことは皆無である。
ハズレの景品はだいたいカード2枚(「キラ」は当然入っていません)。通常,市販されている遊戯王カードは150円のパッケージにカードが5枚入っているわけだから,テキ屋さんとしては子供がハズレクジを1回引くたびに 300-(150÷5)×2=240 というわけで,240円の儲けになるわけだ。2日間のお祭りの間に子供が合計300人クジを引けば,240×(300×0.95)=約7万円の儲け,500人だと約12万円の儲けである。かなり少なく見積もってもこの程度が妥当なところじゃなかろうか。なかにはレア・カードを写真に撮ってプリントしたものをハズレ景品としている露店もあった。これなど1枚単価は10円以下ではないか! まったくもって,その搾取のテクニックはまるで古き良き時代の大英帝国の植民地における行状を垣間見るかのごときである。30軒の遊戯王専門店では総額300~400万円近いテラ銭になるわけで,それがこのちっぽけな町の子供らをチョイチョイと騙くらかすことによっていとも簡単に吸い上げることが可能になっているわけで。と,このテの話はいくら言ってもショウガナイか。
構造的に見れば,彼らテキ屋さんなどは所詮,この混迷の時代における『遊戯』という大王あるいは皇帝たちのつかさどる果てしのない幻想祭事の末端においてごくごく僅かなオコボレの御相伴に与っているに過ぎまい。その暗黒大王はニンテンドーとかタミヤモケイとか,或いは,びる・げーつ,とか呼ばれたりしているようにも仄聞しているけれども。
ちなみに今年のタカシの露店勝負であるが,結局のところは案の定「当てクジ」の魅力に負けてしまった。1回だけじゃとても済まなかった。結果は5回勝負をかけて見事0勝5敗! 他に「輪投げ」を1回やってハズレ,合わせて6連敗でありました(合計1,800円の散財なり)。 さて,来年はどうするのかな,タカシくん?
事前のリサーチでは,今年のアキラが狙っているのは一番が「錬りアメ」二番が「かき氷」三番が「じゃがバター」ということであり,相変わらず食べ物関係ばかりに執着している様子だった。一方タカシときたら,今年は「当てクジ」をあまりやらないで少しお金を貯めようかなぁ,などと殊勝なことを言っていた。その分貯めたお金で遊戯王カードを買いたいらしい。ウーン,今までとは少し傾向が変わってきたのかな?
いざ祭りに出掛けてみると,今年の露店の「当てクジ」は予想通りというか「遊戯王」関係が全盛であった。小・中学生を中心とする主として男の子たちにおける,このカードゲームに対する執着心は本当にびっくりするほどだ。当然ながらゲーム自体よりも収集そのものに対する執着心の謂である。例えは悪いがそれはまるで黒死病にでも感染したかのごとき状況を呈しており,タカシとそのオトモダチは毎日毎日,仲間同士で集まるたんびにそれらのカードの山をズラリと床に並べたり,お互いに見せ合っては勝手に講釈を始めたり,はては巧妙な駆け引きの挙げ句に交換し合ったりして,それぞれ悦に入っている。父には一体どこが面白いんだか,何だかまるでゼ~ンゼンわかりません。
ここで「当てクジ屋」について少々詳しく述べておこう。ただし以下は全く当てずっぽうの概算なので,眉に唾してお読み願いたい。本年度の《たばこ祭り》において,当市の中心部での露店の出店状況はほぼ例年通りで,道路の総延長にして地図上で概算すると約1,600mほどであった(道路の両側に露店が設けられている場合はダブルカウントする)。露店1軒当たり幅4m前後を占有するとして,約400軒の露店が軒を連ねていたことになる。そのうちの1割弱,約40軒は「当てクジ屋」だったように思う。当てクジの8割方は『遊戯王カード専門店』であったから。都合30軒ほどの遊戯王関係のお店があったわけだ。
それらの遊戯王専門当てクジ屋の周辺には,小学校高学年を主体とする多くの子供らが店を十重二十重に取り巻くようにして絶えずたむろしており,いずれの子も目を輝かせながら大当たりの景品(揃いのカードセット?)を眺め,そのうちの何人かはやがて意を決して大枚300円を払いドキドキ・ワクワクしながらクジを引く,といった光景が恒常的に見られる。ところでそのような子供らの購買状況(大博打)をしばし定点観察していると,クジを引いた子のほとんどがハズレ・ハズレ・ハズレばかりで,大当たりはもちろんのこと,中当たり,小当たりすら滅多に出くわさない。100例につきハズレが95例,小当たりが4例,中当たりが1例,くらいがいいところではないかな。少なくとも私自身の体験から申せば,これまでの決して短からぬ「露店人生」において当たりクジを引いた子に出くわしたことは皆無である。
ハズレの景品はだいたいカード2枚(「キラ」は当然入っていません)。通常,市販されている遊戯王カードは150円のパッケージにカードが5枚入っているわけだから,テキ屋さんとしては子供がハズレクジを1回引くたびに 300-(150÷5)×2=240 というわけで,240円の儲けになるわけだ。2日間のお祭りの間に子供が合計300人クジを引けば,240×(300×0.95)=約7万円の儲け,500人だと約12万円の儲けである。かなり少なく見積もってもこの程度が妥当なところじゃなかろうか。なかにはレア・カードを写真に撮ってプリントしたものをハズレ景品としている露店もあった。これなど1枚単価は10円以下ではないか! まったくもって,その搾取のテクニックはまるで古き良き時代の大英帝国の植民地における行状を垣間見るかのごときである。30軒の遊戯王専門店では総額300~400万円近いテラ銭になるわけで,それがこのちっぽけな町の子供らをチョイチョイと騙くらかすことによっていとも簡単に吸い上げることが可能になっているわけで。と,このテの話はいくら言ってもショウガナイか。
構造的に見れば,彼らテキ屋さんなどは所詮,この混迷の時代における『遊戯』という大王あるいは皇帝たちのつかさどる果てしのない幻想祭事の末端においてごくごく僅かなオコボレの御相伴に与っているに過ぎまい。その暗黒大王はニンテンドーとかタミヤモケイとか,或いは,びる・げーつ,とか呼ばれたりしているようにも仄聞しているけれども。
ちなみに今年のタカシの露店勝負であるが,結局のところは案の定「当てクジ」の魅力に負けてしまった。1回だけじゃとても済まなかった。結果は5回勝負をかけて見事0勝5敗! 他に「輪投げ」を1回やってハズレ,合わせて6連敗でありました(合計1,800円の散財なり)。 さて,来年はどうするのかな,タカシくん?