先日に引き続いて自転車ネタをひとくさり。
ここ最近,昼間は仕事でフル稼働の日々が続いているので,自転車での徘徊は夜間におこなうことが多い。行くアテは特にない。暗い夜の町中を,ただひたすらに自転車を走らせるだけだ。健康のため,とトリアエズは言ってみるものの,味気ない人生である。ただし,ナイト・ジョガーのごとく,あるいは多摩サイ人のごとく,いつも同じルートを迷路内モルモットのように行ったり来たりしているわけではない。私にとっては既に馴染みとなっている市内広域に分布する網目のように入り組んだルートの数々をいったん細分化し,それらを改めて適当な順列組み合わせにより再構成し,多少なりともバラエティーに富んだコースをその都度々々設定して走るよう心掛けている。ただし,夜間のことゆえ,今までに通ったことのない道(=予測困難な道)はなるべく避けることにしている。また,あまりスピードを出しすぎると,派手派手のシャコタン・ヤンキー車や人品卑しげなセド・グロ・オヤジ車に不用意に煽られることがあるので(実際これまでに数回経験あり),車の往来がそれなりに多い道路では比較的ゆっくりめに大人しく走っている。車のほとんど通らない道では一転して アラレチャン・ダーッシュ! しちゃいますけどね。
で,先日の夜,そのような徘徊の途中でショッピングセンター・ジャスコ(当地における消費の殿堂)に一寸立ち寄ったときのことであります。敷地内の広い駐車場に入り,奥の方にある自転車置き場へと向かっている途中で,交差点の端に立っているガードマン(交通整理員)にいきなり声を掛けられた。
「あのー。自転車は車の走るところじゃなく,道のハジの,グリーンに塗ってあるとこを走って下さい!」
「え? でも,そこは歩行者が歩くところなんでしょ? それに,車道に比べてかなり狭いし。そんなところを自転車が走ったら,子供やお年寄りにとってはかえってアブナイんじゃない?」
「でもやはり,車道の方では自転車がアブナイですから。グリーンのところをゆっくり走って下さい!」
「ここの構内じゃあ,そういう決まりになってるんですか?」
「そうなってます!」
「オカシナ決まりだなぁ。こういう場所じゃあ,まず自動車を徐行させる方が本来のルールじゃないのかな?」
「...とにかく車に気をつけて下さい!」
「ハイハイ。気をつけます。」
ハイは1回!!とまでは言われなかったが,あまりに杓子定規で頭ごなしの物言いに当方もいささかムッとしてしまった(まぁ,大人げない)。ちなみに上記の不毛なやりとりを交わした相手のガードマンは,未だ20代と見えるうら若き女性であり,さらに付け加えれば裕木奈江がメガネを掛けたような,あまりガードマンには向いていそうもない弱々しい感じの人だった(薄暗かったので間違っていたらゴメンナサイ)。
ところで,このショッピングセンターは1,500台だか2,000台だかの駐車スペースを完備しているとのことだ(平面駐車場と立体駐車場とを併設)。その規模からしても,また店舗自体の内容からしても,まさに「殿堂」と呼ぶにふさわしい。これを要するに,昨今の大規模小売店のマーケティング戦略の定石として,近隣市町村を含めた広範なエリアからの購買者取り込みを積極的に図るために,自動車での来場を大前提とした施設の基本設計がなされているわけだろう。総売上高に占める自動車利用者の割合は,そうさな,95%くらいを想定しているのかナ。
しかし,これが郊外にデデーンと立地するパワー・センターのような商業施設ならまだ分かるのだが,町のドマンナカ,市街地のほぼ中心部といってよい絶好の場所にデデーンと立地しているものだから全くもってイヤになってしまう。かくのごとき歪曲された土地利用形態を露骨に見せつけられると,その昔地理学徒であった時分,都市近郊における土地利用についての基礎的なアレコレを学んでいたワタクシとしては,谷岡武雄先生やら木内信蔵先生やらマクシミリアン・ソール先生やらの実証的な論説の数々を懐かしさとともに思い出したりして,つかのま胸がキュンと痛む(先人達の苦労は一体何だったのか!)
同店がオープンしてから既に10年と少しが経過したが,その影響をモロに被ったであろう近隣商店街における以後のジリ貧的衰退ぶり零落ぶり,閑古鳥ぶり枯尾花ぶりは,ときおりその界隈を徒歩で,あるいは自転車で通り過ぎるたびに思わず涙をさそうほどである。ったく,当時の行政当局は一体何を考えていたんだか。そして今現在,それを引き継いだ担当行政は一体何を考えているんだか。「都市計画課」,「まちづくり推進課」などという大層なレッテルがその界隈ではとりわけ空しく感じられるのは,私だけ? 私だけであろうか。 (ま,クルマでスイーッと通り過ぎるヒトビトは,そんなこと露ほども感じないだろうがネ)。
ああ,ついつい御隠居のタワゴトになってしまった。メンボクナイ。結局,ショッピングセンターではトイレを利用しただけでそそくさと退散し,再び自転車に乗って住宅地のなかのクルマがあまり通らない道を選んでゆっくりと帰路についたのでありました....
ここ最近,昼間は仕事でフル稼働の日々が続いているので,自転車での徘徊は夜間におこなうことが多い。行くアテは特にない。暗い夜の町中を,ただひたすらに自転車を走らせるだけだ。健康のため,とトリアエズは言ってみるものの,味気ない人生である。ただし,ナイト・ジョガーのごとく,あるいは多摩サイ人のごとく,いつも同じルートを迷路内モルモットのように行ったり来たりしているわけではない。私にとっては既に馴染みとなっている市内広域に分布する網目のように入り組んだルートの数々をいったん細分化し,それらを改めて適当な順列組み合わせにより再構成し,多少なりともバラエティーに富んだコースをその都度々々設定して走るよう心掛けている。ただし,夜間のことゆえ,今までに通ったことのない道(=予測困難な道)はなるべく避けることにしている。また,あまりスピードを出しすぎると,派手派手のシャコタン・ヤンキー車や人品卑しげなセド・グロ・オヤジ車に不用意に煽られることがあるので(実際これまでに数回経験あり),車の往来がそれなりに多い道路では比較的ゆっくりめに大人しく走っている。車のほとんど通らない道では一転して アラレチャン・ダーッシュ! しちゃいますけどね。
で,先日の夜,そのような徘徊の途中でショッピングセンター・ジャスコ(当地における消費の殿堂)に一寸立ち寄ったときのことであります。敷地内の広い駐車場に入り,奥の方にある自転車置き場へと向かっている途中で,交差点の端に立っているガードマン(交通整理員)にいきなり声を掛けられた。
「あのー。自転車は車の走るところじゃなく,道のハジの,グリーンに塗ってあるとこを走って下さい!」
「え? でも,そこは歩行者が歩くところなんでしょ? それに,車道に比べてかなり狭いし。そんなところを自転車が走ったら,子供やお年寄りにとってはかえってアブナイんじゃない?」
「でもやはり,車道の方では自転車がアブナイですから。グリーンのところをゆっくり走って下さい!」
「ここの構内じゃあ,そういう決まりになってるんですか?」
「そうなってます!」
「オカシナ決まりだなぁ。こういう場所じゃあ,まず自動車を徐行させる方が本来のルールじゃないのかな?」
「...とにかく車に気をつけて下さい!」
「ハイハイ。気をつけます。」
ハイは1回!!とまでは言われなかったが,あまりに杓子定規で頭ごなしの物言いに当方もいささかムッとしてしまった(まぁ,大人げない)。ちなみに上記の不毛なやりとりを交わした相手のガードマンは,未だ20代と見えるうら若き女性であり,さらに付け加えれば裕木奈江がメガネを掛けたような,あまりガードマンには向いていそうもない弱々しい感じの人だった(薄暗かったので間違っていたらゴメンナサイ)。
ところで,このショッピングセンターは1,500台だか2,000台だかの駐車スペースを完備しているとのことだ(平面駐車場と立体駐車場とを併設)。その規模からしても,また店舗自体の内容からしても,まさに「殿堂」と呼ぶにふさわしい。これを要するに,昨今の大規模小売店のマーケティング戦略の定石として,近隣市町村を含めた広範なエリアからの購買者取り込みを積極的に図るために,自動車での来場を大前提とした施設の基本設計がなされているわけだろう。総売上高に占める自動車利用者の割合は,そうさな,95%くらいを想定しているのかナ。
しかし,これが郊外にデデーンと立地するパワー・センターのような商業施設ならまだ分かるのだが,町のドマンナカ,市街地のほぼ中心部といってよい絶好の場所にデデーンと立地しているものだから全くもってイヤになってしまう。かくのごとき歪曲された土地利用形態を露骨に見せつけられると,その昔地理学徒であった時分,都市近郊における土地利用についての基礎的なアレコレを学んでいたワタクシとしては,谷岡武雄先生やら木内信蔵先生やらマクシミリアン・ソール先生やらの実証的な論説の数々を懐かしさとともに思い出したりして,つかのま胸がキュンと痛む(先人達の苦労は一体何だったのか!)
同店がオープンしてから既に10年と少しが経過したが,その影響をモロに被ったであろう近隣商店街における以後のジリ貧的衰退ぶり零落ぶり,閑古鳥ぶり枯尾花ぶりは,ときおりその界隈を徒歩で,あるいは自転車で通り過ぎるたびに思わず涙をさそうほどである。ったく,当時の行政当局は一体何を考えていたんだか。そして今現在,それを引き継いだ担当行政は一体何を考えているんだか。「都市計画課」,「まちづくり推進課」などという大層なレッテルがその界隈ではとりわけ空しく感じられるのは,私だけ? 私だけであろうか。 (ま,クルマでスイーッと通り過ぎるヒトビトは,そんなこと露ほども感じないだろうがネ)。
ああ,ついつい御隠居のタワゴトになってしまった。メンボクナイ。結局,ショッピングセンターではトイレを利用しただけでそそくさと退散し,再び自転車に乗って住宅地のなかのクルマがあまり通らない道を選んでゆっくりと帰路についたのでありました....