行き倒れのようにして眠る

1998年10月17日 | アキラ
 最近のアキラはだんだんと夜更かしの朝寝坊になってきた。タカシの方は,学校のある日はいつも朝が早いものだから(6時半に起きて7時15分に家を出る),毎晩8時半過ぎには寝かすように仕向けている。しかしアキラは毎朝のお迎え園バスの時間が9時20分と遅いので,朝はけっこうヨユウのヨッちゃん。加えて,夜タカシがそろそろ寝る時間になると,アキラの方は何故か急にハイテンションになってくる (さぁ,邪魔者がいなくなるぞ~,ということか)。

 基本的には,本を読む。それも次から次へと本棚から取り出してきては熱心に読みまくる。だいたいは「ねぇ,おとうさん,これ読んで!」と父に擦り寄ってくることが多い。その場合,読む箇所,読み方,ページの繰り方など読書作法に関する指示はかなり細かく,いいかげんな対応は許されない。

 また,その日の気分によっては一人で勝手に本を読んでいることもある。そんな時,父はアキラを居間にひとり残したまま,夜の日課であるエアロバイク(自転車こぎ)をやりに隣室(仕事場)へと移る。するとアキラは読書を一時中止し,何やらウレシソウに後から付いてきて,全身に汗して有酸素運動を行う父を,その周りでウロウロしながら興味深げに眺めている。眺めるのに飽きると,今度はすぐ傍らにウンショウンショと椅子を運んできて,その上に乗ってエアロバイクのディスプレイ・メーターをのぞきこみ,「いま,何キロ? ねぇ,いま何キロ?」「えー,ほんと? すごーい!」とか何とか,ひとりで妙に感心したりする。何が一体オモシロイんだか。

 確かに子供にとっては,寝ることの快楽,休むことの安楽,何もしないことの悦楽,などという概念はいずれも無縁のものなのだろう。オモシロイものが眼前にあるのに何故それを拒否する理由があろうか。言うこと聞かん小僧のアキラにしてみれば,それはなおさらのことだ。アキラが寝る時,それは,そう,まるで“行き倒れ”のようにして寝たいんだな,きっと。
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