弟に対して“体操指導”をこころみる兄

1998年10月17日 | タカシ
 午後,歯医者から戻ると家の中にタカシとアキラが見当たらない。妻に訊ねると,暫く前から2人だけで二階でずっと遊んでいる,それもオママゴトをしているそうな。

 そっと二階に上がって様子をうかがってみれば,いや違った。タカシがアキラに“体操指導”をしているところだった。

 
 タカシ「はい,カエル。ここは着かないんだよ。」

 アキラ「えー,できない,できないー」

 タカシ「はい,オカアサンすわり」

 アキラ「え? こうでしょ? こうやるんでしょ?」 

 タカシ「よし次,ヒップ・ドロップ。それから,ジャンプ・キック・パーンチ!」

 アキラ「あの,とおくまでジャンプするんだね?」

 タカシ「だめ,もっと遠くに!」

 アキラ「じゃ,こんどはあっちでやろ?」

 タカシ「ちがう! ちがう,アキラ。こっちでやるんだ。こっちだよ!」

 
 最近では何とか曲がりなりにも兄弟の対話が成立するようになった。アキラのワガママにタカシがある程度妥協し,加えてアキラの人格に多少なりとも理解を示すようになったせいだ。兄としての自覚の芽生えである(少々遅すぎの感もあるが)。

 それにしても,ねぇタカシ,年がら年中カプカプカプカプいってばかりいるヘンテコ・アキラを御するのは,なかなかに大変なことだよね,まったく! 
 
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