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マウンテン・バイクが壊れてしまったこと,そして,アウト・オブ・キャパシティ(分不相応)ということ

2009年06月23日 | 自転車ぐらし
 以前このweblogのどこかに記したように思うが,現在,私は3台の自転車を所有している。いや,そげん大層なシロモノではなく,いずれもごく慎ましい,低価格のスポーツ自転車であります。購入順にその内訳を示せば,クロスバイクが6年前,マウンテンバイクが4年前,フォールディングバイクが2年前と,都合3台である。ナントカ号などという愛称は特に付けたりしてはおりませぬが,それぞれ分け隔てなく愛着を持ち大事に扱っている。それにしても2年に1台,このペースでゆけば今年あたりまた何か新しい自転車を買うことになるのだろうか? ダロウカ??  否,否,断じて否! そんな金がどこにあるンじゃ~ぃ!! などという天の声が,何処からともなく聞こえてくるような気がするけれども。。。 それはさておき。

 フォールディングバイクは主として遠方への輪行ツーリング用で,普段はほとんど乗らずに室内に鎮座させてある。クロスバイクの方も,山道や畑道,砂利道を走行するには少々ツライので,そのような未舗装道路を基本的に好む私としては,これもまた乗る機会はさほど多くない。したがって,日常メインで乗っている自転車はMTBである。こちらは真冬だろうが真夏だろうが,お天気だろうが雨降りだろうが,ほとんど毎日乗っている。そのMTBが,2週間ほど前に突然壊れてしまった!

 それはヤビツ詣でのローディー諸氏にはお馴染みの,表丹沢蓑毛から名古木方面に下る山麓道を走っている途中の出来事であった。もっとも,県道70号(秦野清川線)の急坂を一気に走り下っていたわけではなく,県道に沿った桐ヶ窪,象ヶ谷戸,あるいは小蓑毛,横畑,宝作などの内の細道を縫うように,のんびり気ままに下っていたのである。

 最初は,後輪のブレーキあたりから今までに聞いたことのないシャカシャカ音,何かが引っ掛かるような音が断続的に聞こえてきたので,あれれ,何だか変だなぁ,と思って一旦自転車を停め,後輪ディスクブレーキ回りをざっと点検してみた。けれども,ディスクがかなり熱を持っていることを除けば特に外観の異常は認められなかったので,ま,別に急坂を時速50km/h近くでスッ飛ばしてるわけじゃなし,このままゆっくり走ってゆこうか,ということで再び山を下りはじめた。

 するとしばらくして,ガギガギガキー,と音がしてブレーキが突然壊れたのである。慌てて自転車を止め,後輪を再度点検してみれば,ブレーキのディスク(円盤)部分が折れて,というかディスクのワッカがブレーキ本体から完全に千切れて外れてしまい,車軸にブラブラと垂れ下がった状態になっていた。ありゃりゃ,こんなことってあるのだろうか? 少々うろたえたが,仕方がないので行動予定変更,その場で後輪とブレーキ本体を外して破損したディスクを取り除き,とりあえずは前輪ブレーキ作動のみで家までゆっくりと帰ることにした。

 家に戻ってから改めて我が愛車をじっくり眺め,そして思わず溜息をついてしまった。確かにこの4年間フルに乗り続けて車体を酷使してきたのは事実であるが,洗車・注油などのケアは比較的こまめに行っており,それなりに日々気を遣って大事に乗ってきたツモリだった。結局のところ,これが寿命ということなのだろうか? それにしても,ディスクブレーキの全交換は結構高くつきそうだなぁ。加えて,未だ破壊には至らぬものの,それなりに経年劣化していると思われるパーツも多々あるかも知れず,それらを合わせ考えると,あるいはこれは,ソロソロ新しい自転車を買いなさいヨ!という神のオボシメシなのではナイダロウカ? (いや冗談デス)

 恥ずかしながら当方,自転車のメカニズム関係にはトンと疎いエンドユーザーであるがゆえ,この壊れたブレーキを自力で直すことなど,まず出来っこない。当面は「休車」にしてクロスバイクの方を日常使用に回すとしても,これまでの生活スタイルを保持するためには,いつまでもその状態を続けるわけにもゆかないし,さりとて新車をエイヤッと購入するための資金も裁量も,あるいは才覚も気概も持ち合わせていない以上,早晩,壊れたMTBを自転車屋さんに修理に出すしかない,と観念した。そして,どうせならばと意を決して,当盆地内に店を構えるMTB専門店に修理を依頼することに決めた。その店はワタクシごとき低レベル自転車乗りにとっては一寸敷居の高い,というか,本来ならば全くもって分不相応の,巷間著名なプロショップなのであるが,この際,背に腹は代えられない(どういう意味じゃ?),腹をくくって,ブレーキ修理だけでなく,車両全体の点検整備を含めてリフレッシュをお願いしようと思った。

 で,翌日の昼間,壊れたMTBを前輪ブレーキ作動のみでゆっくり走らせ,ショップまで自己搬入した。当のプロショップ店主(その方面では大変有名な方らしい)は,最初,草臥れたMTBに乗って突然現れたヘンテコ老人によるブレーキ修理依頼を少々訝しんでいる様子ではあったが,それでもこちらの要望には丁寧に応対され,のみならずド素人の投げかけるごく初歩的な,あるいは頓珍漢な質問にも逐一親切に答えて下さった。たまたまヒマだったのかも知らんけれども。ま,商売単価はかなり低いとは申せ,こちらも一応は客なのでありますからして。

 最初に自転車をざっと一瞥するや,あ,かなり乗り込んでますね,と一言。そして壊れたディスクを見て,これはもう感動モノですね~,とシミジミ言われたのが印象的であった。(感心しているのか?呆れているのか?) 結局,全てをリフレッシュするには,ディスクブレーキ修理のほかに,最低限,前サスペンションのオーバーホール,チェーン交換,ワイヤー類一式交換等々が必要であろうとのことであった。一切をオマカセすることにして店に自転車を預けおき,約2.5km離れた自宅まで徒歩で帰宅した。それが先々週のことである。

 そして一昨日の夕方,修理整備が完了したとの電話連絡を受け,昨日午後,小雨の降るなかを再び歩いてMTBを引き取りに出掛けた。店に到着して久しぶりに我が愛車と対面すると,前後のディスクブレーキがピカピカの新しいものに交換され,また,チェーンやワイヤー類もシャキッとした見栄えに変わっており,コレハコレハ,まるで古女房が魔法にかけられて若返ったみたいだなぁ,なんて,何だかコソバユイような感じがした。

 店主いわく。これで乗り心地は新車の状態にかなり近づいたと思いますよ。ただ,後輪ハブの内部が大分消耗劣化しているので,次はそこを修理しなくちゃならないかも知れませんねー。はぁ,左様ですか。その他,諸々の注意事項などをことこまかに伺い,こちらからも丁寧な修理のお礼を述べ,支払を済ませてからショップを後にした。

 帰路は,リニューアルされた愛車の試乗を兼ねて,少し遠回りをして走ってみた。まずは渋沢丘陵の震生湖方面へと向かう。盆地内から震生湖に行く道はいくつかあるが,私のお気に入りは白笹稲荷の前を上ってゆくルートだ。この道はクルマがほとんど通らないし,見晴らしも良く傾斜もほどほど,上っても下ってもとても気持ちの良い道だ。新しくなったMTBの感触を確かめるように,軽く軽くペダルを回してゆっくりと登ってゆく。坂を上りきって丘陵の尾根部に出たあとは,南側に連なる牛小屋団地の脇道を抜けて緩やかに下り,それからまた少し上って,ウズマキ貯水塔の前を過ぎてから砂口に入って路地をゆっくりと通り抜け,その先で東名高速道路をくぐってグリーンテクなかい(中井工業団地)の幹線道に出た。工業団地内の道路はもともとあまり好きじゃないので,ブルックスコーヒー直売店をチラッと横目で見やりながら広い坂道を一気に下り,その先で県道71号(秦野二宮線)の信号を渡ってから左折して歩道上を少しだけ走り,それから東名高速にぶつかる手前で右に折れて東名側道を進み,またすぐに右折して畑の道へと入った。そこは葛川源流部の低地帯に広がる農業専用地区で,農地を南北に仕切るように軽トラ農道が通じている開放的な場所である。その農耕地のまんなかをのんびりゆっくり走り過ぎたあと,住宅地を抜け,山麓に沿った新しくキレイな舗装道路(これも農道か?)をスイーッと走り,その先で県道77号(平塚松田線)に出てからは,丘陵地の崖端斜面をクネクネ上ってピースハウス病院(@日野原重明先生)の前を過ぎ,それより先の七国峠入口交差点では右方向の峠方面にはゆかずに左折して遠藤原に通じる細道に入り,少し上った先で広大な台地面に出たところで一旦自転車を止めた。ここまでほぼノンストップである。北方には表丹沢の山なみが曇り空にかすんで望見されるが,西の彼方に聳える富士山は今日は雲に隠れて見えない。そこからそのまま丹沢山麓の自宅に向けて遠藤原をまっすぐに突き進んでゆくかと思いきや,ドッコイ,土屋霊園の南側で急遽右折して石畳農道(これも大好きな道だ)に入り,まるで古代ローマ街道を思わせるそのデコボコ道をゆっくり下っていった。座禅川の谷間に出たあと,すぐまた谷戸の細道を北に上ってゆき,平塚市産廃処分場の縁を過ぎて,再び遠藤原の台地面へと戻り,広い畑のあいだを通り,新旧の農家集落を何軒か通り過ぎて,東名高速道を陸橋で横断し,右折,左折して上智大学グランドに沿った緩やかなカーブの道を進んでゆく。その先の上智短大トンネルはくぐらずに,さらに短大脇の細道をゆっくりと進み,菅原神社のところで参道に沿って下り,上大槻の市道に合流して,そこから小田急線を陸橋で渡った先を右に折れて農耕地に入り,才ヶ分の交通公園をかすめるようにして軽トラ農道をクネクネ走り抜けて室川橋のたもとに出た。ここまでもやはりノンストップである。そこから先は,県道62号(平塚秦野線)のバス通りをスピードアップして一気に北上し,標高差約80mを稼いで自宅まで戻った。 とまぁ,そんな試走でありました。

 そこそこにアップダウンを交えた約15kmほどのプチライドだったが,身体的にはほとんど負荷を感じることなく,終始とても気持ちよく走ることができた。特に,以前に比べてペダリングが実に軽くなっていることに驚いた。ブレーキの効き具合も当然ながら大変良好で,決してガツンガツンした効き過ぎ状態というわけではなく,スイ~ッときてピッ,という感じで小気味よく止まるのだ。これはあくまで個人的経験に基づく見解であるが,今までは,盆地内走行においてマウンテンバイクはクロスバイクに比べて平均速度で約5km/hほど遅いものだと認識していた(各バイクのベース速度km/hについては聞かないで下さいまし@ヘタレ老人)。それが,今回のMTBリフレッシュで,ワタクシ的には両者の差が一気に縮まってしまったのである。どんな魔法をかけられたのかは分からないけれども,とにもかくにも,あ~嬉しい。自転車に乗る喜び,ここに極まれり,とシミジミ実感しちゃったのであります。

 という次第で,今回はMTB専門店に修理ならびに点検整備を依頼した甲斐があったというものだ。貧乏老人としてはフトコロ(財政)は少々痛んだけれども,それ以上にココロ(精神)は十分に癒された。あらためて,匠の技に対して深く御礼申し上げたい。ありがとうございました。

 さぁてと,これでメデタク 《一介のシアワセな自転車乗り》 un bicycliste heureux としてのMTB生活が再開したことでもあるし,まずは軽く,羽根林道でも登ってこようかナ。
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