オトウサンはすぐに怒らないで下さい! (by タカシ)

1999年04月09日 | タカシ
 先週後半から今週前半にかけて,父は岐阜県の山岳地方へと出張に出掛けて数日間家を空けていたのだが,その間にタカシは無事に2年生に進級した。相変わらずのチビッコではあるものの,身長も少しは伸び,体力もかなりついてきた。最近では割と積極的な面もチラホラ見られ,自ら進んでオトモダチの家に電話をし,応対に出た先方の母親などとも曲がりなりにも相応の会話を交わせるようになってきたようだ。幼児園での1年間に比べて,小学校のこの1年間における体力・生活力(そして学力)の進歩,成長ぶりには改めて驚かされる。

 けれど基本的には,とても内気で恥ずかしがり屋で泣き虫の2年生であることに変わりはない。その一方では負けず嫌いで意地っ張りで頑固で,おまけに少々ヘソマガリだ。そのようなタカシの様子を日々傍らで眺め見守り続けているオロカなる父は,勉強のことはさておき何はともあれ“性格のよい子”に育って欲しい,と心から願わずにはいられない。この不透明な時代,不確実性の時代,世紀末(終末?)の時代,まあ,レッテル貼りは何だって構わないけれど,いつの時代にあっても大切なのは“人柄”でありましょう。人柄さえよければ何とかなる。何とか暮していける。何とか生きていける。そのような事情もあり,昨今ではタカシやアキラの日常のささいな行為・言動に対して,父は多少とも口やかましくなり勝ちになっているかも知れない。先日もタカシとアキラと父との3人で,ジャンケンをして勝った者が何でも好きなことを一つだけ命令できる,などという他愛ないアソビをしているとき,タカシから真っ先に「オトウサンはすぐに怒らないで下さい!」と厳かに宣言されてしまった。性格というものはそうそう一朝一夕に変わるものではない。それは重々承知しているのだが。

 最近,巷で評判の『永遠の仔』という本を読んで,幼少時代に両親から受けたトラウマがその後の彼ないし彼女の人生にいかに深い影響を及ぼすかということについて改めて考えさせられた。もっとも我が家の場合,7才と4才だからトラウマではなくヒツジイヌですけどね(何のこっちゃら)。親から子に対してしばしば投げつけられる不用意な言葉ないし仕草,それらの積み重ねは,やがて子供の心と身体とにボディーブローのように効いてゆく。その痛みを自らの内に秘めながら子供は成長してゆかざるを得ないのだ。子育てにおける親の責任,それは学力優秀な子に育てるか,芸能関係に秀でた子に育てるか,あるいは体育会系の子に育てるか,そういったノーテンキなレベルの問題ではないわけで。アンヌ・シルヴェストル流に申せば,アベルもカインも等しく我が息子なわけで,ね。
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