EUREKA!  by Akira

2002年04月05日 | アキラ
 昨晩から今朝の未明にかけて,非常な強風が吹き荒れた。それは台風直撃かと見紛うばかりの春の嵐で,瞬間最大風速は推定40m/s近かったのではなかったろうか。お陰で,というか案の定というか,我が家のカーポートの屋根の一部がアワレニモ吹き飛ばされ,隣家を直撃してしまった(恐縮です)。当地に転居して約8年になるが,同様の経験はこれが二度目である。何しろ「丹沢おろし」は実に強烈なのだ。

 さらに,三角庭(猫の額その1)の一隅に設置され,我が家のメルクマールともなっていたハクチョウの風見鶏もまた,何処かに吹っ飛んでしまい跡形もなくなっていた。ありゃりゃ困ったゾ,というわけで,起き掛け早々の朝っぱらから家の周囲をあちこち探し回った結果,胴体部は三角庭の内側に,千切れた羽根の一枚は表通りのだいぶ離れた場所に落ちていた。しかし,もう一枚の羽根だけがどうしても見つからない。たとえ少々破損していようとも羽根さえ見つかれば,ボンド等で修復して何とかハクチョウは再生させることができるというに。

 とりあえず一旦家の中に戻り,家族全員に事の重大さを伝達した。そして改めて「ハクチョウの片翼捜索隊」を広く募ることにした。発見者は,そうだなぁ「賞金50円!」 シ~ン,としたまま全く答えがない。よし,「賞金100円にしちゃおう!」 それでもまだ,シ~~ン。どうやら皆,ハクチョウのことなんてどうでもいいと思っているらしい。ハクジョウな家族である(あーくだらない)。

 よーし,それじゃぁ,発見者は「ロクヨン30分でどうだ!」 と,まるで若年諸君の足元を見透かしたかのような好条件を新たに提出すると,途端に若干1名の目が輝きだした(勿論アキラであります)。えーと,どーしよーかなー..... (一応,逡巡しているようだ) じゃぁ,オトウサンは先に探しに行くからネ,と彼らに見切りをつけた素振りをしてさっさと外に出掛ける支度をすると,その後をアキラが慌てて追ってきた(よし,一丁あがり!) そして二人して失われた羽根の捜索を開始した次第である。

 少し遅れてタカシも外にやってきたのだが,それはいかにもお義理で来たという感じ,探すのなんてメンドークサイなー,といった様子がありありで,そのうちすぐ家の中に引っ込んでしまった(ヲイヲイ)。

 それに対してアキラの方は実に熱心に根気よく捜索活動を継続している。向かいの駐車場に止まっている車の下を1台づつ覗き込んでいったり,道路端の所々に設置されている排水溝の鉄格子に顔をくっつけんばかりにして中を丹念に点検したり,ヨソの家々の門扉付近を遠慮がちにキョロキョロ見回したり.... けれども結局見つけることはできなかった。

 しょうがない,それじゃぁ最後にもういちど三角庭の中をよおく探してみて,それでダメならもうあきらめるしかないね,と言い含めた。アキラの方も既に大分疲れてしまったらしく,気落ちしたように頷いた。

 しかしながら,三角庭の雑草群落の中をしばらくゴソゴソとかき分けているうちに,急にアキラが,あったよ! と大声で叫んだ。見れば,アキラの汚れた手にはハクチョウの羽根が誇らしげに掲げられているではないか! ああ,よかったね,アキラ。頑張った甲斐があったね。さあ,早く家に入って,ママやオニイチャンに発見したことを報告しなさい。父に言われるまでもなく,一目散に家の中に駆け込んで行ったニコニコ・アキラであった。いやいや,父も本当に嬉しいよ。努力はいつか報われるもんだねぇ(無論そうじゃないことも多いけど)。

 そしてその日,アキラは実に楽しそうに『スーパーマリオ64』に没頭したのでありました(但し30分限定)。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バカボンのパパはマルセル・... | トップ | アキラ・スナップ (カジカ... »
最新の画像もっと見る

アキラ」カテゴリの最新記事