「お前は俺をずっと許さなくていい」
「お前がこれからどうなろうと俺はお前をずっと愛している」
イタチは指先ではなく、自分の額を弟に当てて微笑んで言った。
さようならの代わりに・・・・
やっと、あイタチの凶行といわれたあの夜のことがサスケに語られた。
シスイとの約束。
三代目とのやり取り。
ダンゾウとのサスケの命をめぐる駆け引き。
父母との別れの場面。
イタチの流転の人生の原点が全て語られた。
イタチもシスイも若すぎた、そして利口すぎたのだ。故に里のコマとして使われた。
第四次忍界大戦はイタチがいなければあの時に始まっていたはず。
それを己の全てを犠牲にしても結局、大戦は勃発した。
イタチは自分の死期を悟ったとき、サスケに真実を伝えるためだけに生きたのではないか?
そして、死してなおサスケのためについた嘘の数々を転生で蘇る機会を得て詫び、正すことが出来た。
サスケは木ノ葉を許せないだろう。許したくてもきっと許せない。
イタチはそれがわかっていたからこそ、冒頭の台詞で弟を慰めたのだと思う。
自分は木ノ葉を許している。自分を許せなくても里を愛する忍として、サスケが戻るべき場所として木ノ葉を許している。
このブログの中でもたびたび私はうちは兄弟の先を憶測したけれど、やっぱりそんな簡単な絆ではなかった。
参照 ① ② ③ ④
作者はここへ来て、長年構想していたクライマックスシーンを書き始めていると思う。
私も、サイトの別館におそらく10年くらいかけて完結しようと思っているお話はラストは決まっている。
登場人物にきちんと役割を与え、紆余曲折しながらラストシーンへ近づく作業は書き手として苦しいけど、心が躍るものだから。