僕がオーディオを始めた頃に、一番欲しかったのはスペクトラム・アナライザーという周波数特性を観測する機械です。特に、自作スピーカーが再生している帯域は、聴感だけでは分からないからです。高価なこともあって、手に入れるのは早々と諦めた経緯があります。しかし、今はパソコンのフリーソフトでマイク込み数千円で調べることが出来るのですから、この恩恵に与(あずか)ってみました。
使ったソフトは、スペクトラム・アナライザー(スペアナ)の機能を持つ「サウンドモニター FFT Wave」というソフトです。三ヶ月後に1000円が必要になるシェアウェアですが、これでマイク(Sony MDウォークマン用)入力した音の周波数特性や、ハードディスクにリッピング(CD音源のコピー)した音楽の再生帯域などを簡単に調べられます。下は、リッピングしたマリア・エステル・グスマンのギター独奏による『ロマンス(禁じられた遊び)』ですが、63Hz(ヘルツ)より下の低音はノイズ成分です。赤い色はピークホールド(瞬間的なピーク値)です。
もう一枚は、諏訪内晶子さんによる『メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲』の第1楽章ですが、50Hzのピークは電源のノイズです。
それ以下のものでも、超低音は空調ノイズや低調波(音の波が重なる事で起こる合成波)で、実際の音楽成分ではありません。このノイズが顕著なのが、自作のバックロードホーンのスペアナです。スペアナ図は、左から40Hz、 45Hz、 50Hz、 63Hz、となっています。黄色い線が測定した周波数のピーク値です。
こちらは、2台目のパソコンにインストールした、WaveGeneという発振ソフトを用います。ピンクノイズ(ランダムな全帯域ノイズ~ザーという音)、プリセットされたサイン波など、好きな波形をパソコンから出力できます。細かい周波数を指定したい時はキーボードから数値を打ち込みます。このサイン波をアンプを通してスピーカーで再生し、もう一つのパソコンでFFT Waveを立ち上げ、マイク録音からのスペアナ波形をモニターします。この画面を、プリントスクリーン機能を使って画像にします。僕は、PhotoStudio2000のキャプチャ機能を用いました。また、モニターだけではなく、低音のブーンという音も録音して保存出来るので便利です。
今回はマイクアンプがなかったので録音レベルを上げられず、相対的に低域のノイズが目に付いています。特に、電源による50Hzのノイズ成分が高く、常に-80dB(デシベル)も出ています。サイン波で入力した50Hzの半分近い値ですから無視できません。また、40Hz以下はほとんどノイズですから、これが日常的に精神を不安にする超低音として問題となります。これがパソコン固有のノイズなのだとしたら問題です。ちなみに、CDにもノイズは入っていますが、スペアナを評論に用いた草分けの長岡鉄男氏のデータでは、ここまでひどいノイズではありません。ですから、パソコンのCDドライブでCD再生するよりも、市販のCDプレーヤーにアンプをつないで音楽再生する方がよいのです。昔のCDウォークマンは電池だから音がよいといわれたほどです(電源ノイズがない)。
というわけで、真剣にパソコンのノイズ対策を考えたい気分になりました。ファンのない電源は売っているのですが、問題はパルス電源にあるので、根本的な解決にはならないかもしれません。また、エアコンや蛍光灯などのインバータはノイズ源なので、本当はストーブや裸電球が良いのです。昔のようにノイズの少ない生活をするのが精神的によいはずですが、田舎に住まないと出来ない贅沢になってしまいましたね。
エフライム工房 平御幸
使ったソフトは、スペクトラム・アナライザー(スペアナ)の機能を持つ「サウンドモニター FFT Wave」というソフトです。三ヶ月後に1000円が必要になるシェアウェアですが、これでマイク(Sony MDウォークマン用)入力した音の周波数特性や、ハードディスクにリッピング(CD音源のコピー)した音楽の再生帯域などを簡単に調べられます。下は、リッピングしたマリア・エステル・グスマンのギター独奏による『ロマンス(禁じられた遊び)』ですが、63Hz(ヘルツ)より下の低音はノイズ成分です。赤い色はピークホールド(瞬間的なピーク値)です。
もう一枚は、諏訪内晶子さんによる『メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲』の第1楽章ですが、50Hzのピークは電源のノイズです。
それ以下のものでも、超低音は空調ノイズや低調波(音の波が重なる事で起こる合成波)で、実際の音楽成分ではありません。このノイズが顕著なのが、自作のバックロードホーンのスペアナです。スペアナ図は、左から40Hz、 45Hz、 50Hz、 63Hz、となっています。黄色い線が測定した周波数のピーク値です。
こちらは、2台目のパソコンにインストールした、WaveGeneという発振ソフトを用います。ピンクノイズ(ランダムな全帯域ノイズ~ザーという音)、プリセットされたサイン波など、好きな波形をパソコンから出力できます。細かい周波数を指定したい時はキーボードから数値を打ち込みます。このサイン波をアンプを通してスピーカーで再生し、もう一つのパソコンでFFT Waveを立ち上げ、マイク録音からのスペアナ波形をモニターします。この画面を、プリントスクリーン機能を使って画像にします。僕は、PhotoStudio2000のキャプチャ機能を用いました。また、モニターだけではなく、低音のブーンという音も録音して保存出来るので便利です。
今回はマイクアンプがなかったので録音レベルを上げられず、相対的に低域のノイズが目に付いています。特に、電源による50Hzのノイズ成分が高く、常に-80dB(デシベル)も出ています。サイン波で入力した50Hzの半分近い値ですから無視できません。また、40Hz以下はほとんどノイズですから、これが日常的に精神を不安にする超低音として問題となります。これがパソコン固有のノイズなのだとしたら問題です。ちなみに、CDにもノイズは入っていますが、スペアナを評論に用いた草分けの長岡鉄男氏のデータでは、ここまでひどいノイズではありません。ですから、パソコンのCDドライブでCD再生するよりも、市販のCDプレーヤーにアンプをつないで音楽再生する方がよいのです。昔のCDウォークマンは電池だから音がよいといわれたほどです(電源ノイズがない)。
というわけで、真剣にパソコンのノイズ対策を考えたい気分になりました。ファンのない電源は売っているのですが、問題はパルス電源にあるので、根本的な解決にはならないかもしれません。また、エアコンや蛍光灯などのインバータはノイズ源なので、本当はストーブや裸電球が良いのです。昔のようにノイズの少ない生活をするのが精神的によいはずですが、田舎に住まないと出来ない贅沢になってしまいましたね。
エフライム工房 平御幸