平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

愛の喜び~マルティーニ

2009-09-06 22:00:58 | 芸術
 ショパンより少し前にフランスで活動したジャン・ポール・マルティーニの代表作が「愛の喜び」。しかし、詩の内容は、愛を失った男の苦しみを歌ったものでタイトルとは正反対。今回これを取り上げるのは、往年の名ソプラノであるエリザベート・シュワルツコップ盤が手に入ったからです→こちら(右クリックで開く、または保存)。

 この盤(歌の翼に「シュワルツコップ珠玉の名歌集」東芝EMI 廃盤に収録)は1956年に録音されたもので、録音は高域が潰れてひどいものです。シュワルツコップの不幸は良い録音で残された作品が少ないという事に尽きます。それで、多分に実際より線の細い歌唱力と見られているはずですが、彼女の表現力はやはり一流と言わざるを得ません。

 作曲者のマルティーニは無名に近いのですが、この曲は浅田真央08年エキシのショパン「別れの曲」と冒頭が似ています。年代からもショパンの方が盗作と誤解される位置にあり、曲の完成度(歌付き)でもショパンの方が劣っていると思います。ショパンの方がシンプルさで劣りくどいのです。それは元来がピアノの練習曲であった必然で、ピアノ曲に歌詞を付ける難しさを証明しています。エキシ曲の冒頭を初めて聞いた後で、僕はショパンと分かってガッカリしました。歌詞を付けたので低俗になったピアノ曲の代表です。ちなみに、ショパンは「愛の喜び」を知らなかったみたいですが。

 「愛の喜び」は、プレスリーも「好きにならずにいられない(Can't Help Falling in Love)」としてカバーしたとされますが、僕はプレスリーは好きでないので知りません。僕は混んだ電車の中で腹を押し付けられて以来、脂ぎった中年デブ男が嫌いなのです。太ったロックンローラーはただの豚だ。

 この盤の中で、僕が好きなのはチャイコフスキーの「ただ憧れを知るもののみ 作品6-6」と、モーツァルトの「春へのあこがれ K.596」、それに「ダニー・ボーイ」などですが、返す返すも録音がひどすぎます。なお、シュワルツコップが結婚したのは僕が生まれた年だと改めて知りました。06年に他界されたようですが、芸術は時間を止めるものなんですね。

   エフライム工房 平御幸
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする