ホットケーキ作りで露呈された基本のなさ。これほど酷いとは思いませんでした。だって、泡だて器の使い方を正しく紹介している動画が皆無なのですから。全員、平気で間違った使い方をアップして得意がっていますけど。
たかが泡立て器ですが、その使い方は何通りもあるのです。メレンゲを作る時と粉を混ぜるときでは全く違う。それなのに、動画サイトのは全部同じやり方です。何とかホテルのパティシエの動画もありましたが、お笑い草の間違った使い方です。
そのパティシエは、泡立て器の針金部分を人差し指と親指で握っていました。この握り方は力が入らないので、メレンゲ作りや卵の撹拌には向かず、どら焼きの生地のように弛い生地で、粉が粘らないように切る感じで使う握り方なのです。生地の固いホットケーキやパンケーキには向かない、トロトロの生地限定の握り方。
また、メレンゲを作るときは、ボウルを目一杯に傾けて、泡立て器は観覧車のように縦回転で使います。高速で大きく使うので、握り方はテニスのラケットを握るように、腰の横でガッシリが基本。包丁を持った強盗と同じ姿勢です。その上で、手首を柔らかく使って、ボウルの湾曲部のカーブと、泡立て器のカーブが一致するように一定方向に回転させます。メレンゲを作るときは逆回転は必要ないのです。
ところが、ボウルを手前に傾けると指導したら、左手のボウルを支える方に傾けて、高くなった縁から泡立て器を垂直に入れてかき混ぜる始末。日本語が分からないから、自分の方という意味の手前を、ボウルを支える手の方へと解釈したのです orz
観覧車のように回転させる、テニスのラケットのように握る、と書いているのだから、この状況で傾けることの出来る方向は、泡立て器を持つ手の1か所に限られます。この姿勢なら、一分間に300回転は可能なので、メレンゲも短時間に出来上がります。
ではなぜ、プロでも基本ができていないのか?その理由はNHKテレビの料理番組にあります。テレビの料理番組は、予算が少ないのでカメラは一台だけ。常に料理人の正面からしか撮影しません。僕が教えた方法では、カメラに映るのはボウルの底と側面だけ。肝心の中身が見えません。そこで、テレビ映りの良い持ち方が強制されて、この間違ったやり方がスタンダードになってしまったのです。
ホットケーキ作りの基本のなさは他にも山ほどあり、この筆舌に尽くしがたい状況でファビョーン寸前。呆れるとか生易しい状況ではありません。すべての工程で、一つもできているものがなかったからです。要するに零点。
しかも、制作過程を動画にしたのは良いですが、ボロ隠しのために大事なところは全部カットというお粗末さ。ガラの悪い大阪なら、「ワレ、なめとんのけぇ」と頭から湯気が立ち込めること請け合い。長時間版を作らせたら、やはり最初から最後まで間違いだらけの作り方でした。
まあ、多かれ少なかれ、今の日本の家庭は同じようなのだと思うので、それがホットケーキミックスという激不味の食材が流通している理由だと思います。ホットケーキミックスは危険であり、特に使い切らないで保存したのは超危険。中はダニだらけで、ミックス粉の中のダニがアレルギー源となり、重篤な症状に陥る子供もいるのです。冷凍庫以外の保管品は即座に捨てましょう。
ようやく65点の点数が付けられる読者のホットケーキ
まだキメが粗くて不均一で、しっとり感と膨らみが足りない
ここまではホットケーキミックスとベーキングパウダーを使わなくても誰にでも可能
エフライム工房 平御幸
たかが泡立て器ですが、その使い方は何通りもあるのです。メレンゲを作る時と粉を混ぜるときでは全く違う。それなのに、動画サイトのは全部同じやり方です。何とかホテルのパティシエの動画もありましたが、お笑い草の間違った使い方です。
そのパティシエは、泡立て器の針金部分を人差し指と親指で握っていました。この握り方は力が入らないので、メレンゲ作りや卵の撹拌には向かず、どら焼きの生地のように弛い生地で、粉が粘らないように切る感じで使う握り方なのです。生地の固いホットケーキやパンケーキには向かない、トロトロの生地限定の握り方。
また、メレンゲを作るときは、ボウルを目一杯に傾けて、泡立て器は観覧車のように縦回転で使います。高速で大きく使うので、握り方はテニスのラケットを握るように、腰の横でガッシリが基本。包丁を持った強盗と同じ姿勢です。その上で、手首を柔らかく使って、ボウルの湾曲部のカーブと、泡立て器のカーブが一致するように一定方向に回転させます。メレンゲを作るときは逆回転は必要ないのです。
ところが、ボウルを手前に傾けると指導したら、左手のボウルを支える方に傾けて、高くなった縁から泡立て器を垂直に入れてかき混ぜる始末。日本語が分からないから、自分の方という意味の手前を、ボウルを支える手の方へと解釈したのです orz
観覧車のように回転させる、テニスのラケットのように握る、と書いているのだから、この状況で傾けることの出来る方向は、泡立て器を持つ手の1か所に限られます。この姿勢なら、一分間に300回転は可能なので、メレンゲも短時間に出来上がります。
ではなぜ、プロでも基本ができていないのか?その理由はNHKテレビの料理番組にあります。テレビの料理番組は、予算が少ないのでカメラは一台だけ。常に料理人の正面からしか撮影しません。僕が教えた方法では、カメラに映るのはボウルの底と側面だけ。肝心の中身が見えません。そこで、テレビ映りの良い持ち方が強制されて、この間違ったやり方がスタンダードになってしまったのです。
ホットケーキ作りの基本のなさは他にも山ほどあり、この筆舌に尽くしがたい状況でファビョーン寸前。呆れるとか生易しい状況ではありません。すべての工程で、一つもできているものがなかったからです。要するに零点。
しかも、制作過程を動画にしたのは良いですが、ボロ隠しのために大事なところは全部カットというお粗末さ。ガラの悪い大阪なら、「ワレ、なめとんのけぇ」と頭から湯気が立ち込めること請け合い。長時間版を作らせたら、やはり最初から最後まで間違いだらけの作り方でした。
まあ、多かれ少なかれ、今の日本の家庭は同じようなのだと思うので、それがホットケーキミックスという激不味の食材が流通している理由だと思います。ホットケーキミックスは危険であり、特に使い切らないで保存したのは超危険。中はダニだらけで、ミックス粉の中のダニがアレルギー源となり、重篤な症状に陥る子供もいるのです。冷凍庫以外の保管品は即座に捨てましょう。
ようやく65点の点数が付けられる読者のホットケーキ
まだキメが粗くて不均一で、しっとり感と膨らみが足りない
ここまではホットケーキミックスとベーキングパウダーを使わなくても誰にでも可能
エフライム工房 平御幸