松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

和ろうそくを灯す時 その14

2009-06-12 21:31:08 | 和ろうそくを灯す時
「正徳芯和ろうそく お供え用」のパッケージが完成しました。

少しずつ、いろんな方に見て頂いて用途を説明すると、7割ぐらいの人達が「これはイイ!」と言ってくれます。よく法要に顔を出す必要のある方ほど、使い道を理解してくれるようです。

逆にほとんど法要に出たことのない人や、身近な人や大切な人を亡くしてない若い人には、全くピンとこないようでした。つまるところ若いってことは、死の存在がほとんど感じられないってことなんでしょう。

「お供え用」を弓のT先生がさっそく使ってくれることになりました。宮崎にいる親しかった友人が亡くなったので、手紙と共に送りたいとのことです。第一号を使ってくれるということで、私はぜひ使い心地(?)をT先生に聞いてみました。

「先生、もうあの「お供え用」は送ったんですか?」と私。
「いいや。」
「…亡くなってしばらく経つし、早く送った方がいいんじゃないですか?」
「いや、その、手紙がうまく書けなくてどうも…。」

しばらく経ってもう一度聞いてみました。

「もう書いて送りましたか?」
「いや、早く送ろうと思ってるんだけどね。」
「……亡くなってもう軽く四十九日は過ぎてますよ。」
「う、うむ。それがどうも、本人は亡くなっているわけだから、遺族あてに書くわけで、どう書いていいのか…。」
「……適当に書いたらどうですか?」
「そういうわけにはいかん!」

更にしばらくしてもう一度聞いてみました。

「もう送りましたよね?」
「そ、それが…。」
「手紙を書いて「お供え用」と一緒に送ってもらったら、遺族はきっと喜びますよ。」
「うむ。早く書こう書こうと気持ちは焦っているんだが…。」
「今夜にでも書いたらいかがですか?」
「う、うむ。よし!今夜がんばって書こう。」

それから更にしばらくして再び聞いてみました。

「まさか、まだ送ってないんじゃ…?」
「う…。何度もペンを握って書こうとするんだが…。」
「……もう、初盆の頃に送りますか?」
「…そうしようかな。」

「お供え用」の使用感(?)を聞くのは、まだまだ先になりそうです。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ