縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

そうだ、『ダイヤモンド・クラブ』、行こう

2009-02-28 16:24:55 | 芸術をひとかけら
 ステージの合間にこれを書いている。ここは四谷3丁目、『ダイヤモンド・クラブ』。

 風俗とかの怪しげな店ではない、念のため。オーナーが宝石商のため(だったため?)付いた名前である。ジャズのライブをやっている店だ。

 曙橋に住んでいた頃、近所だったので毎週のように来た。仕事帰りに寄って、バーボン(正確にはテネシー・ウイスキー)を飲みながらジャズを聞く。嫌なことを忘れさせてくれる、至福のときだった。
 この店には4、5年通っただろうか。それが、お世話になっていたマスターが辞め店の雰囲気ががらりと変わってしまい、僕は行くのを止めてしまった。もう15年くらい前の話である。

 ところが、昨年、マスターが、宮本さんというが、『ダイヤモンド・クラブ』に復帰された。内装も当時のものに戻った。グランドピアノの周りの椅子が少し低くなったほか、ほぼ昔通りである。大きく変わったのは、宮本さんも僕も年を取ったということ。が、こればかりはどうしようもない。月島からは遠いのでなかなか行けないが、2、3か月に一度はお邪魔している。

 店の説明が長くなったが、本論に戻ろう。
 今、2回目のステージが終わったところである。ヴォーカルは萱原恵衣(かやはらけい)さん、ピアノは槙田友紀さん。僕は二人とも初めてだったが、お二人とも若くて、楽しい方たちである。もっとも“若い”といっても、ジャズをやる人としては、という意味なので、後で話が違うじゃないか、と怒らないで欲しい。

 それはさておき、なぜステージの合間にこれを書き始めたかというと、萱原さんが“My Favorite Things” を歌ったからである。ミュージカル“Sound of Music”の中の曲である。今ではJR東海のCM「そうだ、京都、行こう」の曲と言った方がわかるだろうか。ジャズではコルトレーンが採り上げているが、ジャズというよりポップスの曲といったイメージである。ジャズをあまり知らない人にも楽しんでもらおうという彼女の配慮であろう。
 勿論、僕は彼女の配慮が嬉しかったから突然これを書き出したわけではない。手持無沙汰だった? それは若干ある。 酔っぱらっていた? 酔っぱらうには まだ1時間くらい早い。ではなぜか。

 あまりの偶然、タイミングの良さに驚いたからである。実は、昨晩、家に帰ってテレビを付けたら、映画“Sound of Music”をやっていた。まさにジュリー・アンドリュースが“My Favorite Things”を歌っている所だったのである。この曲は、ジュリー・アンドリュース演じる家庭教師マリアが、雷に怯える子供たちを元気づけようと、怖い時や悲しい時には、何か楽しいことや自分の好きなものを思い浮かべるといいのよ、と言って歌う曲である。マリアが、あと楽しいものって何があるかしら、と一瞬言葉に詰まり、枕を抱きしめたところに、ちょうど僕は帰って来たのであった。

 前にも書いたが(2006.4.14『マイ・フェイヴァリット・シングス』)、映画“Sound of Music”は僕の大のお気に入り。幸運にも映画を見られた翌日、今度は生で映画の曲を聴くことが出来た。なんて素敵な偶然。そういえば朝見た占いでは、「今日、最も運勢が良いのは“た行”の貴方です」と言っていた(注:僕の名前は“た行”)。占いもまんざら捨てたものじゃない。

 今、『ダイヤモンド・クラブ』では、ライブは主に金曜日にやっている。他の日は歌の代わりに宮本さんが楽しい話を聞かせてくれるに違いない。おまけに値段は極めてリーズナブルである。
 どこか不思議でちょっと幸せな偶然に出会えるかもしれない『ダイヤモンド・クラブ』に、皆さんも一度足を運んでみては如何だろうか。

 えっ、おまえは『ダイヤモンド・クラブ』の回し者か、って。そんなわけではないが、『ダイヤモンド・クラブ』に限らず、四谷3丁目(荒木町)界隈は今極めて寂しい。近くにあったフジテレビがお台場に、日テレが汐留へと移り、ただでさえ人通りが減ったところに、この不景気である。
 かつて花街だった荒木町の風情を消さないためにも是非皆さんご協力を。

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