25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

サザンの「葡萄」

2015年04月23日 | 音楽
サザンの「葡萄」限定版(CD+DVD+インタビュー冊子)を買って、熊本ではそれをかけて寝た。サザンは桑田佳祐の曲作りもよいが、ちょっとくすぐるのはパーカッションの野沢である。絶妙はところで合いの手を打ってくる。それがサザンのアルバムを豊饒にさせている。「天井桟敷の怪人」はチャチャチャのリズムで、ブラスも4+4+4で強力である。そんなブラス音にパーカッションが入ってくる。ドリフターズのおふざけもオマージュしている。
 安倍晋三をちゃかしたと文句を言うものもいたが。そういう人はよく歌詞を読むとよい。どこに安倍をけなしているところがあるだろう。本当のことを言っているだけだ。隣りの人と摩擦があるのは本当だし、学校教育では現代史は一番最後になるので、なかなか教えてくれないのも本当だ。

 ザ・ピーナッツに歌わせれば、もしくは高田みずえに歌わされば素敵だろうなと思わせる原由子の「ワイングラスに消えた恋」もストリングスがきれいに仕上がっている。原由子の声は低すぎるので、やっぱりピーナッツだろうなと思う。
 「葡萄」は昭和時代と平成時代を織り交ぜていて、どちらかと言えば、昭和時代の色が濃い。「青春番外地」などはあきらかに高倉健がまだ若かった頃のオマージュである。「天国オンザビーチ」はクレージーキャッツである。しかし「祈り」は真剣である。平和を願っている。
 とにもかくにも楽しいアルバムである。現代っ子も取り込めるだろうと思う。

 サザンが復活してよかった。桑田佳祐も病気が治ってよかった。これからまだまだ曲を作ることだろう。
 桑田の歌を聴いていて、やっぱりこの男が日本で一番上手い歌手だろうと思う。