25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

忖度は当然ある

2017年03月21日 | 社会・経済・政治

 都合の悪い奴は切る。見捨てる。犠牲となる代わりに裏取引をする。こういうのはテレビドラマや小説によくあることだ。

 森友学園の幼稚園で教育勅語を暗誦し、軍歌を歌い、安保法制よかった、安倍首相頑張れ!というのをテレビニュースで知ったときには僕は驚いた。こんな世界があるのか、という風に。「日本会議の研究」を前に読んでいたので塚本幼稚園のことは知っていたが、まざまざと動画で見るのとでは迫力が違う。こういう幼稚園を「熱意ある幼稚園」とは言わないだろうと思うが、そう思う人もいるということにまたさらに驚く。

 籠池理事長が「トカゲのしっぽを切ったって・・・」とメディアの前で言い、ついには安倍首相に100万円寄付してもらった、と発言した。先例主義の官僚が異例づくめのスピードで瑞穂の国小学院の認可と国有地払い下げをした。ここまで来て、あと数歩というところで、籠池一家の計画は破綻した。それは豊中市の一市議の情報公開請求という行動があったからである。日本にはチェック機能があったとうことだ。

 官僚は政治家の忖度をして公共工事や補助金などのことをする。僕はそのような地域根拠地型の政治家は田中角栄の失脚で終わったのだと思っていた。忖度行政は脈々と続いているのである。いつも思うことだが、官僚というのは潔さがない。

 思想・信条は自由であるから、しっぽなど切らず、トカゲとして応援し続けるという手もあったはずだ。不正さえなければ。

 威勢のよかった応援者は掌を返した。隠れるものは隠れ、口を閉じ、すべてを籠池夫妻のせいにした。どんな幕引きをするのか注視したい。

 日本は右傾化しているとよく新聞などの本の広告などで見るが、右傾化しているのは自民党の政治家だけであって、日本国民の多くは右も左でもなく生きているのだと思う。教育勅語の復活は憲法を変えないとあり得る話ではない。今上天皇とていい迷惑な話なのではないか、と思える。国民の半数以上が自民党を支持していないのがいつもの選挙の結果である。共産党も含めた(僕は名前を変えた方がいいと思うが)野党が統一できなければますます自民党は右傾化していくように見える。