今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

300年以上続く覚弥のお香々で古漬けの処理の仕方。(加筆修正済み)

2021年03月28日 | 素材
本当は糠漬けから作ればいいのだが、最近そこまでやる気も無くて多分、いずれやるだろうけれど。
(昔は毎日店に出勤をしたら、超でかいヤカンにお湯を沸かしながら掃除の前に先ず最初に糠味噌をかき混ぜ、鷹の爪で腕がかぶれていたものだが弱くなったモノだ、1回作ってしまえばラクなんだけれど、そこまでがなかなか・・・)

とあるお米の精米屋さんが糠漬けを漬けていて、
普通の糠漬けと共に古漬けも販売をしていたので、それを使う事にした。
(野菜のプロフェッショナルの八百屋さんで糠漬けを買ってもいいが、まさに糠のプロでもある精米屋さんの糠漬けってのも興味があったので・・・←その「地域」自体の味のアタック感も優しい味で概ねどこで食べても安心が出来たし)

使う分だけ切り分けて(シマッタ、糠が付いているのでカッティングシートの端っこ出切ればよかった)、一気に全部を食べると塩を抜くとはいえ、流石に血圧が上がりそうだから後はしまっておく。
本来たくあんとか、葉っぱ系とか、そういうモノが良いようだが、最初なので蕪とキュウリにした。

糠を洗って

ちょっとだけツマんでみる・・・

キュウリ、丁度良いぞ、味が発酵により熟成されこなれているとうか・・・
(この前、古漬けでないのを買ったらまだ漬きが甘くて塩気がやや立っていたから、これは凄い!!、ここまで違うのか・・・
蕪はしっかりと古漬けになっているかな・・・(今回はこれでいいんだ)

300年以上前からあるレシピらしいので下手したら室町時代以前)人や家や地域によって、いろいろな作り方があり、
細かく切って短時間の塩抜きをしてから使うレシピ(便利!)
そのまま又は大まかに切ってから1時間~1晩の塩抜きをしてから、更に刻んで又水にさらしてから使うレシピ
酒を入れるレシピもある(←今回は入れない、基本が1番だし)。
針生姜や細かい生姜にするレシピ
茗荷を入れるレシピ
本来はたくあん(←当然無着色な・・・)を刻んだモノとも言われる
切らないで湯をかけて一晩置くレシピ
生姜醤油や刻み海苔や一味をかけるレシピ
等etc・・・ちょっと調べただけでも色々あるが、

今回は、塩抜きの加減を途中で確かめ易い、短時間の細かく切ってから作るレシピを。

5mm角(以下)に刻んで(結構細かいんだな・・・)

生姜も用意し

今回3分水の中で塩抜きを行うのだが、蕪は古漬けだけれど、キュウリは丁度良いぐらいなので、蕪よりも1分だけ遅く水に入れる時間差をつけて、塩抜きをしてみた

1分経ったらキュウリを入れ

その間に生姜をきざんでおき

3分経ったらザルにあけ、水気をよく絞る。

別のボウルにザルを叩きつけて剥がすと、ザルの目に詰まったモノが一気に剥がれ易いので小さな器ではなく別のボウルに入れ、
きざんだ生姜と混ぜ合わせる。

ご飯に乗せ

醤油をちょびっとかけてかっ込む。
(塩抜きをした塩加減の味を先にみておくと、垂らす醤油の加減も解かるだろう、いずれにしてもちょびっとだ)

恐ろしいぐらいに和食~って感じの美味しさ
なんだ、これ・・・、これが300年以上の歴史か・・・深い、どこまでも深い・・・「深遠」に近いものを感じる。
初めて江戸料理が1段階深くなった気がした「酢煎り」(但し、このリンクの酢煎りは長崎の後藤流を基にしているので八百善の酢煎りとはやや違う酢煎りである)を思い出した感じで、味として確かに味の中で共通する部分が多くある事が明確に解かる!!

好みで胡麻をかけてもいいが、要らなかった、
(やっぱり料理は引き算なんだな・・・と、改めて強く実感させられた・・・)
胡麻って胡麻油が獲れるぐらいコクが出てしまうので、折角生姜でサッパリ爽やかにしてあるのに、一気に味がグチャっとする印象。
(まあ違いを調べる為なのでやるしか無かったが・・・)
陰陽五行で大事な(←中2病か!!)胡麻全てを否定するのではなく他のモノには良いんだけれど。

煎茶や出し汁・番茶・ほうじ茶をかける人も居るらしいので、煎茶でやってみる。

う~ん、又、胡麻の味が少し抑えられ、これはこれでいいって感じ。

食後にお茶も飲めるし。

器もキレイになるから、洗い物がカピカピにならなくてラクだし。

後日余っている古漬けで、少し大き目に切って作ってみた

なんか野暮ったい感じになった。
やはり、多少面倒くさくても細かく5mm角以下で切れば(上品さが増して)いいんだな・・・

普通の漬物でも出来なくもないが、古漬けや、糠味噌の中に入れて取り出し忘れたモノってこうすればいいのね。
塩抜きをして油炒めにする地域もあるが、
どうも胡麻のコクではないが油脂分が糠の風味とぶつかるようなのと、
コーティングされるのと、
加熱するからその後の味付けや油を吸い過ぎるキライがあるから、
少しいや結構苦手だったというか・・・出てくれば笑顔で食べるけれど本当はこれが1番怖いんだよね)
勉強になった!!

「オマケ①」

覚弥の由来は諸説あるが、
徳川家康の料理人でもあった岩下覚弥が考案したとする説
糠漬けだけでなく「たくあん」(←着色剤使っていないヤツな)も使ったりするので沢庵和尚の弟子である「覚弥」が考案をしたとする説
「隔夜」と書く地域もあり、高野山で考案されたという精進料理説

落語の「酢豆腐」に出てくる。
(キザで嫌な若旦那をおだて腐った豆腐を食べさせる会話の前段階で「かくや」という言葉が出てくるらしい)


「オマケ②」

「別の種類の古漬けで覚弥の香々を」

大根の古漬け
菜っ葉系の古漬け

菜っ葉系の古漬けを裂いて食べる分だけを洗う。
全部洗ってしまうと、水に濡れた所から劣化が始まるから・・・

今回は茗荷をきざんで、半分は別の事に使いたいからスライス

生姜を混ぜた覚弥に、茗荷を添えるカタチにしてみた。
あとスライスにした茗荷で、茗荷の味噌汁を付けてみた。

最初は普通に醤油をちょびっと。。。
おお、漬物の種類が違うと味の表情がかなり違う!!
こんなに違うものか・・・不味いとかではなくて、かなり違うんだ。
(ちょっと生姜が少なかったか・・・やぱりちょっとケチった部分が、モロに反映されているような、僅かなんだけれど)

で、(最初から混ぜずに)途中から味変、これはこれでいい!!
本当に抜群のベストなタイミングというか配合ってあるような気がする・・(ま、そこまでこだわると気が重くなって美味しくなくなってしまうので、ザっとだけど)

もっと手間暇がかかり身に付かないかなぁーって思ったけれど、2回目になると、どのボウルを使おうとか、大体解かっているので、意外に身体が勝手に動く感じで作れた・・・
(その証拠が味噌汁なのかなーって)

これで古くなった漬物の処理の仕方も覚えたし、あとは糠味噌を作るか?どうかだ?

最後はお茶で仕上げたがそれはそれで良い!!

日本茶をゆっくり飲んで落ち着けるから良い、
自然にスローフードになるというか・・・

オマケ①~余計な事をして失敗Ver.

少し塩気が強かったので

いつもより1分だけ長めに4分塩抜きをしたら

今度は少し薄くなってしまった。
やはり2分~3分か・・・

更に実験でTKGにしてみたが、

なんかゴソゴソがいまいちトロッとに合わないのでこのままの方が良いのかなー


オマケ②「覚弥うどん」(←これはやっている人は少ないと思う)

3食入のうどんと糠漬け(の古漬け)が余っていて、魚の出汁もあったので鍋に取り分け、

最近覚えた覚弥の準備をし、

元々、覚弥自体が醤油をちょびっとかけて食べるモノなので、
醤油よりは塩気が少ない出汁でも濃過ぎないだろうし、じゃあ、ご飯だけじゃなく、うどんでも出来ない事は無いんじゃね?

と、かけうどんにしてみたら、やはり決して不正解ではない気がした、寧ろ「合う」というか・・・
山菜うどんにやや近くなる印象(印象ね・・・)

ご飯の時と違って、この場合は、胡麻が合う気がした。
(やはり饂飩は大陸から伝わってきたのかも、と改めて解かる感じ・・・)

逆にご飯の時と違って茗荷はう~んって感じだった。

後乗せサクサクじゃぁ~

(古い天婦羅だからサクサクはしていないけれど・・・ま、そこは家なのでこだわらわない)

オマケ③

ニンジンとキャベツの古漬で

↑凄く美味しかったので、この後、同じものを、もう1回作ったのだが↓)
※生姜が多過ぎると少し辛いかも・・・
この点と、醤油をチョビッとだけ「に」注意すれば、まあ概ね、失敗は少ないでしょう・・・。

オマケ④

上記キャベツの古漬けだけが余ったので、今回はタッパに入れて1回で食べ切らないカタチに。
水に漬けるので早めに食べた方がいいが
多少ザルから移す時に小さいタッパだとこぼれ易いが・・・

1種類でも問題無く美味しかった。
(流石にここまでくると、醤油ポトっとで、生姜少な目で慣れてくる)