日本では花といえば桜の花を言うのである。
その昔「花が咲いたな!」と言えば桜の花が咲いたという事なのであった。
だから「桜花」と書いて「はな」と読むのである。
桜花=はなである。
桜だけは特別なのである。
「お花見」は桜にだけ許された物見遊山である。

桜花(はな)へ
桜花はいつだって
季節限定で
なければ
人は魅入らない
と
誰が決めたのだ
桜花はいつだって
咲いて散る
その作業を繰り返し
あたかも
それが任務であるかのように
年毎に繰り返して
飽きることが
ない
桜花がいつだって
そうであるように
耳目を集めて
知らぬ間に
散ってしまう
樹の周りに渦を巻いて
散ってしまう
青春を散らす
桜花は
惜別の瞬時すら
拒絶する
自らの美学に殉じて
潔さでうずくまることを
知らない
桜花の悲しく美しい倣(なら)いに
森羅万象が
号泣するとき
桜花は
満開となって
花びらを吹雪(ふぶ)かせる
花びらは散るのではない
吹雪となって
蘇(よみが)える
桜花はいつだって
人臣の奥部に
美しき記憶となって
刻まれる
桜花は
記憶の中に刻印され
て
悠久の岸辺に生きる
桜花は吹雪の中で
記憶の岸辺に生きる
のだ

桜花一枝の美しさこそ、日本の美学の真髄である。
わび、さびは人の心の中の風景である。
と「喝破(かっぱ)」したい。
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荒野人
その昔「花が咲いたな!」と言えば桜の花が咲いたという事なのであった。
だから「桜花」と書いて「はな」と読むのである。
桜花=はなである。
桜だけは特別なのである。
「お花見」は桜にだけ許された物見遊山である。

桜花(はな)へ
桜花はいつだって
季節限定で
なければ
人は魅入らない
と
誰が決めたのだ
桜花はいつだって
咲いて散る
その作業を繰り返し
あたかも
それが任務であるかのように
年毎に繰り返して
飽きることが
ない
桜花がいつだって
そうであるように
耳目を集めて
知らぬ間に
散ってしまう
樹の周りに渦を巻いて
散ってしまう
青春を散らす
桜花は
惜別の瞬時すら
拒絶する
自らの美学に殉じて
潔さでうずくまることを
知らない
桜花の悲しく美しい倣(なら)いに
森羅万象が
号泣するとき
桜花は
満開となって
花びらを吹雪(ふぶ)かせる
花びらは散るのではない
吹雪となって
蘇(よみが)える
桜花はいつだって
人臣の奥部に
美しき記憶となって
刻まれる
桜花は
記憶の中に刻印され
て
悠久の岸辺に生きる
桜花は吹雪の中で
記憶の岸辺に生きる
のだ

桜花一枝の美しさこそ、日本の美学の真髄である。
わび、さびは人の心の中の風景である。
と「喝破(かっぱ)」したい。

荒野人