エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

今日の気配・・・冬温(ぬく)し

2011年12月01日 | 日記
冬温し・・・初冬の季語である。
まさに、今日の気配そのもである。



夕刻帰宅した娘が、テーブルの上に載ったドングリを見て呟いた。
「トトロに会って来たの?」
面白い娘である。

もっともドングリを拾ってきた我が家族も面白い。
夜に入れば、寒波がロシアから降りてくるという予報であったけれど、まだまだ温かい。

立川談志が死んだ。
誰もが言うけれど、古典を語らせたら一級品であった。

とりわけ後半生の語りは鬼気迫るものがあった。


    天才はふとした病逝く冬や       野 人

       立川雲黒斎家元勝手居士(たてかわうんこくさいいえもとかっ てこじ)
       立川談志逝去の報に触れて


立川談志、良くぞ生れけり、である。

落語では、談志を忘れた訳ではないけれど桂 枝雀を良く聞いた。
彼の出囃子(でばやし)は『昼まま』であった。
彼独特の手の動きが、微笑から爆笑へと聞くものを引きこんだものだった。

アッケラカンと笑えた。

さて、出囃子が長くなりすぎた。
今日の気配である。



紅葉のトンネルを歩く。



桜モミジである。



寒椿が咲き始めつつあって、蕊を突き出して咲く。



蕾が7分、開花が3分である。



舗道は金色に染まっているのだけれど、落葉した個体は歩行者や自転車に踏みしだかれて粉々になっている。



銀杏は黄葉してモミジは紅葉している。
空を見上げると、今日も紅葉のブラkツク・ホールが空に開いている。
吸い込まれそうだ・・・。



だがしかし、ぼくは空をこの穴から吸い込んでしまいたいと思った。
その証左は、これだ・・・。



このブラック・ホールから吸い込まれて一旦宙に舞い上がった落ち葉が地上に落下して、大地を彩り、絵を描くのである。
美しく、かつ温い冬である。

ただし、予報によると間もなく寒波に襲われるらしい。
いま、箪笥からコートを取り出した。



明日はこれで出かけるのである。
帽子はどれにしようかと思い迷んでいるのだ。





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 荒野人