エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

夕焼け雲に誘われて

2012年05月12日 | ポエム
不安定な気象環境だったけれど、巨大な雨雲が過ぎ去った東京の夕焼けは綺麗だった。
重厚な夕焼けであった。



メタセコイアのシルエットが塔の様に見える。
まるで仏教塔のようである。
高僧の墳墓塔でもある。



光線が天井に向かって駆け昇っている。
まるで笙を奏でているかのようだ。



初夏の夕焼けは荘厳な響きを以って迫ってくる。







  新たなる雨後の囁き緑さす  野人


  緑さす聴けとばかりの雷神かな  野人




「緑さす」が夏の季語である。



午後の早い時間に雨が上がって、その空は明るかった。








  緑さす雨後の色気の艶やかな  野人






緑がより鮮やかになって、心に沁みたのである。
いや、心眼に沁みたのかもしれない。



これは雨が来る前の午前中の空き地。
月見草が咲いている。

あの太宰治が富士に良く似合う!
と言った、月見草である。

ぼくの街では、うらぶれて見える。
花が枯れた時、色が凍みたようになってしまうからだろうか?

美しく枯れる、否・・・美しく老いて往きたいものである。





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      荒 野人