エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ユリノキの花とミヤコワスレ

2012年05月15日 | ポエム
この雨は一体何時から降り始めたのだろうか。
夜来の雨はまだ止むことなく、しとしと降り続いている。
しっとりとした朝である。

今日は5.15・・・沖縄が日本に復帰した日である。
それまでは、沖縄にはパスポートが無ければ行けなかった。
アメリカの支配下にあったのである。

沖縄は、唯一地上戦が戦われた。
実に、市民の4人に一人が戦で亡くなっている。
血の代償の上に日本に戻って来たのであった。

この雨は沖縄の涙である。

その涙を洗い流すように、ユリノキの花が咲いた。



なんという清潔な花であろうか。
黄色でいながら、猥雑な印象は全く無いのである。







  ユリノキのうす黄色なる花はじけたり  野人





この花からは多量の蜜(みつ)がとれるのである。
かつてUSAの原住民はこの木で、カヌーを作ったとされている。
従って、USAには大きなユリノキが無くなった・・・などと言われているのである。

花言葉は「見事な美しさ」「幸福」「田園の幸福」である。

ぼくは、この田園の幸福が好きである。
この花は、高いところで咲いているのだけれど幸運にして花が目の前にあったら、そっと顔を近づけてみる事だ。

甘やかな匂いに満たされる。
幸福な匂いである。



これはミヤコワスレである。






   ミヤコワスレという錯覚


  ぼくの時代が
  かつてあったと
  思いたまえ
  しかも
  内なる時代が
  あったのだ
  と

  ミヤコワスレ
  に
  今ぼくは慟哭する

  その紫いろの
  袈裟を
  ハラリと纏った
  あなたの記憶に







いまが盛りの初夏の花。

やまとしうるわし・・・

四季を満喫するしか無い。
ではないか!







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      荒 野人