エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

姫女苑に捧ぐ

2012年05月29日 | ポエム
川の畔を歩いていた時、この花に出会った。
その花は、清楚に咲き、それでいて艶めかしかった。



花言葉は「素朴で清楚」。

北アメリカ原産の帰化植物である。
道端でよく見かける花である。







  姫女苑空き地に棲める色どりや  野人


  抱きしめる素として朴の姫女苑  野人







本来「紫苑(しおん)」の漢字が使われるべきなのだが、日本産で「姫紫苑」という別の植物があり、それと区別するため「姫女苑」の漢字をあてたらしいのだ。

このヒメジョオンは、昨日紹介した竹林に発する川沿いで出会った。



若竹の川が削ぎ落とされる時の音を感じながら、ヒメジョオンのような人とぼくは歩いた。



澄んだ川面から正に白鷺が飛び立たんとしていた。
かれもまた、漂泊の旅に出るのか。



湧水の源は穏やかで静かだった。
ひとは、この事を静謐と称する。

そうそう余談だけれど、ある女性が「この花は私・・・」と言っていた。
ならば、その花を摘んで、お浸しにして食べてみようか、などと思っている。








  抱けば折れ折れば愛しき姫女苑  野人







ヒメジョオンは食べられるのである。
柔らかい茎や花芽を摘んで湯がいたら、お浸しだ。
天ぷらなどにすると、初夏の味がする。
その苦さが野趣溢るる野草である。





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  荒 野人