エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

奄美便り6「琉球石垣」

2014年07月24日 | ポエム
奄美だけれど「琉球石垣」と云う。
この石垣、風雨に強いのだ。
何より、材料はそこら中にあって簡易に手に入る。



家のぐるりをこの石垣で囲むのだ。
珊瑚石を多角形に切って積むのである。

風通しも良い石組である。



けれども、段々この石垣は少なくなっている。
崩れると。そのまま放置されてしまう。



この石を組む技術が風化するのは、少しばかり心配である。
中には、崩れるのを防ぐため石と石の間をコンクリートで固めた石垣もあるのである。



それも宜(むべ)なるかな、である。
この石垣を見て頂ければ、分かるのだが・・・。
実は、この石垣の空間が、毒蛇ハブの格好の棲家となってしまうのである。
珊瑚石は風通しが良いから、きっと住み心地が良いのだ。







「石垣や隙間を通る夏の風」







このように、危険な場所では必ず「ハブ取り棒」が立てかけてある。
この石垣は、カケロマ島である。



あの「男はつらいよ」の撮影場所となった島である。
浅丘ルリ子演ずる「リリーの家」がこの近くに設定された。



海はこんなに奇麗である。
きっと、どこかでリリーがぼくを待っているのかもしれない。
そうであれば、楽しい。



       荒 野人