エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

福寿草

2016年02月07日 | ポエム
福寿草を見に出掛けた。
場所は「昭和記念公園」である。

広い公園の中の「梅林」の梅の木の下に咲いている。



植栽したよ!
と、言っていないのが良い。

変に密集して咲く訳でもなく、疎らに花が点在する。



こうした佇まいは、まことに宜しい。
好感が持てる、と云って良いだろう。



福寿草は、優しい黄色の花である。

目に優しい、心に優しい、自然に優しい。
何より、人に優しい。







「福寿草すまじき恋の花占(はなうらえ)」







福寿草で、いっぱい俳句が詠める。
それほど、豊かな顔を持っているのだ。



学生時代、初めて恋心を抱いた女性は「黄色」の洋服が似合った。
まるで、野においてあるタンポポのような黄色が良く似合った。

福寿草の、寒さに抗する厳しさも併せ持つ女性であった。
少し舌足らずで話す様子が、何とも可愛かった。

野に咲く百合のようであり、タンポポの暖かさもあり、且つ福寿草の凛とした気配も漂わせていたのであった。
若き頃の淡く儚い恋心である。



     荒 野人