エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

深山含笑

2016年02月26日 | ポエム
深山含笑・・・実に奥深さを感じる和名である。
みやまがんしょう、と発する!
この花に関しては、2014年03月17日のエピローグに記述してある。

そのブログの書き出しは、以下であった。
「オガタマノキが同種であるけれど、深山含笑の清楚さには全く負ける。」



その記述通りに今年も咲いてくれた。
全き「白」である。



この清楚さは、筆舌に尽くし難い。



ぼくは、この花だけを撮りに植物園に出かけた。
この木から離れることも無く、ひたすらシャッターを切り続けた。

いまが丁度満開である。



そう・・・この白さは空の蒼さに決して負けることは無い。







「戴天の蒼に染まらぬ深山含笑」







花言葉は「甘い誘惑」である。
確かに誘われる。

この仄かに甘き匂いは、そそられるのである。
煽情する匂いである。



更に見せよう。



この花はその白さの故に、開くと同時に腐食が始まる。
見所は一瞬なのである。

加えて、花が開く時に額の残滓を纏う。
それもまた、ポイントなのである。
いかに美しく写し取るのか、それが勝負所でもある。

白さの全き清潔さは、誰も侵すことのできない輝きを持っている。
深山で咲く所以である。

この花の前で、春は笑うしか無いのである。



     荒 野人