エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

マンサク

2016年02月13日 | ポエム
まんず咲く!
山の中で、春に魁けて咲くのだ。

だから「まんず咲く」撥音便で「マンサク」となったのだ。



ピラピラとした黄色の花びらが春風を受ける。
ついこの間とは違った、暖かな大気である。



赤いマンサクの花もある。







「マンサクや微かに花の擦れ合う」







マンサクが、公園で満開となっている。
マンサクが満開!



何度か口に出して、その韻律を楽しんだ。



このマンサクの木は、葉を落としていない。
公園内を散策していた老夫婦が、立ち止まった。

「あらっ!」
「マンサクですよ」
「そうですね、綺麗ですね。カメラを向けていなければ気がつかなかったわ!」



そう、マンサクは葉を落としきってから花開くのが常なのだ。
けれど、この木は例年この状態で花開く。

葉は付けたままなのである。



マンサクは、これからも多く目にできる。
最近では「トキワマンサク」「ベニバナトキワマンサク」など植え込みに多く植栽されている。
花の形状は全く同じなのだけれど、花の大きさと葉がふさふさとしているのが違う。



でも・・・しばらくはぴらぴらとした花が眺められる。
それは、とても嬉しいのである。



     荒 野人