エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

向春の侯

2016年02月09日 | ポエム
こうしゅんのみぎり・・・と読んで欲しい。
「こう」ではなく「みぎり」である。
みぎりと読むのは、春だけで良い。



水は温み、淀んだ流れが生き返る。
光とともに流れていくのである。



木々の影は、暖かくなってくる。



鴨が立てる水の航跡は、キラキラとして優しい。



空も光の春である。







「淀んでも淀みきれない春の川」







木々が描き上げる模様は、云い難いほどあわあわとしている。
もう少しすると、水中の生き物も蠢き出すだろう。



既に、カワセミは鮮やかな滑空を見せ空中でホヴァリングする。
水中の小魚が蠢き出している証左である。



彼は、昨日池にいた。
翡翠色の背中が、眩しいほどに輝く。



     荒 野人