=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

「グミグミ、グミグミ」 備前の道具屋「市川金物」さん

2010年05月01日 | 【お店】木になる家具や、道具やさん
「グミ」

あのお菓子のグミキャンディーではありません。
木の名前です。

こちらの関西では、鑿の柄によく使われているようで、
私もこちらに来て初めて「あの黄色い柄は何だろう?」と思ったところです。

いろいろHPを見ても、
この「グミ」は「グミ」で、漢字が出てきません。
本日行った岡山の金物屋さん、市川金物さんに聞いても、
「だいたい、カタカナでグミだねえ」。
グミグミ。

で、私はこのグミが結構気に入って、
鑿の柄はグミに統一しようと思っています。
当初は、黒檀が締まって見えてかっこいい!(完全格好から入ってます・・・)
と思ったのですが、
いろいろ職人さんの話を聞いていると、
グミには、
割れづらく、衝撃吸収や滑りにくいという利点があり、
実用性で考えれば「グミ」という結論に達しました。
それで、グミ柄の鑿をチョコチョコと購入しているのですが、
今日ばかりは、衝動をを抑えきれず、グミでないのに購入してしまった格好いい鑿が写真の
「錦清水」鑿です。

木目に捻りが入った3分鑿です。
肌触りも最高です!

まあ、道具箱に一本くらいこのようなものがあってもアクセントでいいでしょう(笑)

(拡大)
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播州金物の町「三木」

2010年04月30日 | 【お店】木になる家具や、道具やさん
木工をやるようになってから、
鑿や鉋など道具の産地が、新潟、東京、そして関西では兵庫県の三木であることを知りました。

今日は道具を買いに、その「三木」に行ってきたのですが、
「三木」って、実は私初めて行くのではないのです。2回目になります。
そこは、大学時代の友達Hの実家があり、学生時代に一度遊びに行ったことがあったのです。
でも当時、Hは三木が金物で有名であることなんか一言も言ってなかったので、まったく知らず、最初は「三木ってあの三木?」って思ったくらいです。

さて、最初に訪れたのは、
「三木金物資料館」
私は、あまりにまだ道具のことを知らないので、職人さんに会う前に少しだけでも話が通じるように勉強です。


こちらでは、毎週第一日曜日に古代の製法で日本の鋼を作る実演をされているそうです。
説明によると、
鋼を作る作業はとても大変で、一度始まると休みなしに3日から4日続けることになります。
ですから、その一回の操業を「一代 ひとよ」と呼びます。

使われる砂鉄は、10~12トン、木炭は、12~14トン

最終的にそこから取り出される鋼は、800キロだそうです。
この鋼は玉鋼といって、切れ味で世界に類を見ない日本刀の原料でした。
現在、この玉鋼を使った鉋刃は大変貴重になっています。

それから何軒か、職人さんの工房を訪問させて頂きました。
どこも家内工業で手作りなので、本当に住宅地の中で看板もないですから、探すのも大変でした。
それぞれ個性があって、
真面目実直な職人さんから、好奇心旺盛でいろんなことに対応してくれそうな発明家のような職人さんなど様々です。
実際に工房の中を拝見させて頂けたところもあり、
真っ黒な工房内はまさしく鉄の道具を生み出している雰囲気が漂っています。
焼きいれ、焼き戻しの段階がやはり重要で、
本日は操業していなかったので焼きいれに使われる鉛が固まっていましたが、普段は800度くらいで、この鉛がサラーとした液体になっているそうです。
焼き戻しの水の温度も重要で、冬など冷たければ冷たいほど刃が締まりそうな印象ですが、そういうわけでもなく、やはり一定の温度が大切で、冬は逆にヒーターで温めることもあるそうです。
(↓訪問先で見せていただいた鉋くず。まるで薄いスカーフのようです)



そして本日の収穫が、写真の小鉋です。
親方から、これが一本あると何かと重宝すると聞いたので買ってしまいました。
正直、結構奮発しました。
人間やっぱり、何種類かモノを並べられたら、いいモノのほうに目がいってしまいます。
いいほうを選択してしまいました。

しっかり仕込んで、さあ、切れ味が楽しみです。



【追伸】
大学時代の友人は、昨年電話したとき番号が変わっていてつながらなかったのですが、
なんと三木から帰ってきた晩に、電話がありました。
「おお、今日三木行ってきたでぇ」と報告。
なんともいいタイミングですね。
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中古木工機械のお店訪問記

2009年11月30日 | 【お店】木になる家具や、道具やさん
先日、伊那周辺にある中古の木工機械のお店を訪問してまいりました。

まだすぐに購入できるわけではありませんが、やっぱり自分の目で見ておくと感覚が違ってくると思いますので、将来の準備ですね。

■1.どんなお店があるの?

伊那周辺で定評のあるお店として2軒を覗かせて頂きました。

●吉村商店
長野県駒ヶ根市赤穂14-20
TEL (0265)83-5233
http://www.yoshimura.shop-site.jp/

大きな倉庫にたくさんの機械がありました。

●ヤスイ機工
長野県伊那市東春近2300-2
TEL:0265-78-0986
http://www.yasui-k.com/

事務所と倉庫は別のところにあります。若い社長さんが相談に乗ってくれます。


■2.いくらくらいするの?

具体的には聞いていませんが、ヤスイ機工さんのHPに載っている商品を見てみると、
とりあえず、開業当初に下記のものをそろえてみようとすると、

(例:ヤスイ機工の場合)
・軸傾斜昇降盤(東海)・・・・・231,000
・手押し鉋盤(飯田)・・・・・・200,000
・自動鉋盤(下平)・・・・・・・294,000
・角ノミ盤・・・・・・・・・・・94,500
      合計        \819,500

(その他にも商品はいろいろあります。私の直感で選んだものです)

個人的には横切りもほしいと思います。


■3.その他のQ&A

Q:送料や設置はいくらぐらいかかるのか?
A:配達地域はほぼ全国可能です。送るだけとか試運転まで実施するなど個別の対応ができます。料金はまちまちですが、一式購入頂いた場合などはサービスが多いです。

Q:機械の整備はどうやっているのか?
A:基本的にはオーバーホールして、ベルト交換などを行っています。(両社とも)1級木工機械調整技能士を配して行っています。

Q:アフターフォローは?
A:部品などは有料ですが対応しています。会社のなくなっているメーカーでも、たとえば東海の部品は現在広島の会社が部品供給をしています。

Q:オススメはありますか?
A:小物を製作するなら、協和のぺティワークが人気あります。


以上


正直、どの中古機械が調子よくてモノがいいとかはわかりかねますし、自分の購入するタイミングで出てくるものも違うでしょう。
最終的にはなんでも同じですが、信頼できるお店を探すことだと思います。

両店ともありがとうございました。


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ここは木工サロン(江東区 井上刃物)

2009年10月19日 | 【お店】木になる家具や、道具やさん
木よう大工の村山さんに教えて頂いた刃物屋さんに行ってみる。
ここは、江戸の指物職人さんのご用達のお店でもあるようです。
そして場所はとてもわかりやすいのだが、その店舗は外見だけ見ていると、通り過ぎてしまうかもしれない。

中に入ってみると、
ご主人の井上さんと若者がお茶を飲みながら談笑されていました。

私は品物を見せて頂きながら、その談笑を聞いていると、
「なんかすごい!」

道具の詳しい話から、歴史的に名のある木工家の方々のエピソードまで、決して他所では聞けないようなことを話されている。

15分後、私もお茶を頂き話の輪に参加させて頂くと、
伊那の木工科は今年一杯で廃科であることをはじめ、ご主人の井上さんは信州の事情にもとてもお詳しくてびっくり。

きっと、ここは刃物屋という枠を超えて、たくさんの業界の方々が集まるサロンとして膨大な情報が行き交っていると感じました。

次回はしっかり時間をとって再度訪問したいと思います。


◆井上刃物店
住所:東京都墨田区立川3丁目17-8
電話:03-3631-4264
アクセス:菊川(東京都)駅から徒歩約6分
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時代に逆行?

2009年09月08日 | 【お店】木になる家具や、道具やさん
私が好きになったお店です。

ようするにケーキ屋さんですが、
「とても安い」

毎日「本日のお得品」を作っていて、
今日はお子様ケーキ50円でした。昔来たときはシュークリームでやっぱり50円くらいでした。

その他にもゴマだんご30円など、駄菓子感覚のお菓子屋さんです。

今どこもかしこも高級志向、高付加価値化で少なく売って利益を高めようという戦略が多いと思いますが、ここはまったく逆のような街のお菓子屋さんです。

その庶民的な設定に、なんだか感じてしまうところがありました。

高くても安くてもお客さんの笑顔は一緒
毎日でも数多く足を運んでくれる

そんなことをご主人は考えているのかもしれませんね。

◆エイラク
伊那市駅そば、伊那図書館の向かい側です。
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鋸屋さん

2009年08月07日 | 【お店】木になる家具や、道具やさん
実家館山の近く。

房州里見藩の鍛冶ものの流れを汲む刃物屋さんが、この江見には数軒ある。

その中の一軒「中屋雄造鋸店」にお邪魔したところ、大阪高島屋の展示販売への荷造りで忙しい様子だったが、鋸を見せて頂けた。

漁船づくりのための船鋸が一時期とても盛んに製造されたようですが、職人も時代に沿い、今は船鋸は博物館だけだとか。
それに替わって、現在は木工用の鋸だとか盆栽用の需要が多いようです。

特に木工用は、今回大阪の百貨店に呼ばれているように、大阪の唐木細工職人も利用されているようです。堅い木を切るのに非常に使いやすいそうです。

盆栽用の鋸は私が以前見たときに気に入った竹の柄でした。
その自然な感じがとても気に入ったのですが、
おじさんに聞くと、竹の柄は盆栽用だけで木工細工は通常の整った柄にしているそうです。やはり正確な細工をするには整った形をした柄のほうがずれないようです。格好では仕事ができませんね。


さて気になるお値段ですが、やはり職人の一点ものですから、なかなかいい感じです。
おじさんにもアドバイスを頂いたのですが、
「どのくらいの大きさの何を切って、どうするか」
が決まっていないと、なかなかいい道具を見繕ってあげることもできないそうです。
たしかにそうですね。

将来、私の方向性が決まり、仕事を始めたら改めて、いい鋸を見にきたいと思います。

あとちなみに「中屋」というのは、刃物屋さんの別称といえるくらいメジャーで、名前というよりは、刃物屋をあらわす記号のようなもんだそうです。
勉強になりました。
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長谷川利器刃物店

2009年07月13日 | 【お店】木になる家具や、道具やさん
小さな刃物店ですが、面白いものがたくさん置いてありそうです。

棚に狭しと積まれた箱にはすべて道具の名前が書いてあり、ご主人の几帳面さが伺えます。

足を踏み入れ、「こんにちは」と呼びかけ、待つこと3分。

人が出てくる気配もなく、

私も今必要なものもなかったので、わざわざ出てきて頂いた「見るだけ」では悪いと思ったので、失礼しました。

でもまた来てみて何か買って見たいお店です。



◆〒390-0811 長野県松本市中央2丁目5−24 tel 0263-33-3658 
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松本民芸家具「中央民芸ショールーム」

2009年07月13日 | 【お店】木になる家具や、道具やさん
松本は国宝松本城とともにお蔵の街を目指しているんですね。

こちら、中町通りは電線もなくすっきりした通りに、重厚なお蔵づくりの店舗が軒を並べています。

この中町通りに、松本民芸家具「中央民芸ショールーム」があります。

先週お会いした谷進一郎さんに教えて頂いたお店です。

さて早速お店に入ると、店内の奥行きはかなり長く、1階と2階のショールームで100坪近くはありそうです。


中央民芸さんのシリーズは、大きく分けて4つ

1.欧米風

2.李朝風

3.和箪笥

4.一閑張式


1のシリーズが最も割合が多く、松本民芸家具を代表するウィンザーチェアーを含む商品です。重厚な雰囲気です。

2は松本民芸が初期の頃に、李朝風の家具から学び作り始めたというルーツがあると店員の方に教えて頂きました。1の欧米風とは異なる線の細い家具です。

3は松本に古くからわる和箪笥のシリーズで金具などが四方や引き出しにつけられていて堅牢です。木材も1、2がミズメを使っているのに対し、こちらはケヤキなどを使用しています。

4は木地に和紙を張り漆を塗った商品です。非常に軽く、その上耐久性があるそうです。色も赤や黒、橙などカラフルでモダンな部屋にも合いそうですね。


私も作りたい家具のテイストがいくつもあります。
シンプルな直線で構成された家具やきれいなカーブをえがいた家具、模様の入った家具などなど。でも、まずひとつの種類が確立されないとごった煮になってしまうでしょう。
松本民芸家具のようにいくつものシリーズを持てるのが夢ですね。


店員さんに、「伊那の技専の学生です」とお話すると、
「卒業制作っていうものがあるんですね。その昔、学生(松本技専?)が来て、どうしてもこのウィンザーチェアを作りたいんだって言って、一日中お店にいたことがあるんですよ」と話してくれた。

先輩の熱意に敬服です。

◆松本民芸家具「中央民芸」HP
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ホームショップ トマト

2009年06月18日 | 【お店】木になる家具や、道具やさん
授業中、先生が「金具がいっぱいあるかも」と紹介してくれたお店。

HPを見ると、結構マニアックというか本物志向の道具も売ってそうです。


いつか行ってみよう。


→ホームショップトマト
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内山金物店

2009年05月09日 | 【お店】木になる家具や、道具やさん
家具屋ではないですが・・・


私は入学と同時に購入したのこぎりの刃を折ってしまったので、替刃を買いに学校指定の金物屋さんに行きました。

伊那市駅商店街にある内山金物店。

金物屋さん特有?のいろんなものが所狭しとおかれているドンキホーテ顔負けの賑やかな店内です。

ご主人に「伊那技専」の生徒であることを伝えると、刃物のことや研ぎのことなどいろいろと教えてくださいました。

なんといっても内山金物店は創業明治8年。
そして、ご主人自身が刃物が好きなんですって。「お店の主人が好き」と聞くと、なんだかとても安心な気がするし、いろいろなことを知っている期待も持ちます。商売の上でも重要ですね。

そんな「好き」の一端でしょうか?
なんとご主人は「ナイフメーキング教室」も開催されているそうです。
およそ6ヶ月の授業と実習で、鋼から自分の刃物を作り、柄をつけて、本革のカバーまで作り上げるそうです。

前の職場で昔、Mさんが金物屋セミナーをやっていたことを思い出しましたが、このように自主的に動いている金物屋さんだったら、今後もがんばっていってくれそうです。

またお伺いするかと思いますが、宜しくお願いします。


■内山金物店

伊那市荒井27
0265-72-2401

ナイフメーキング教室はちょうど来月あたりから新しい期の生徒募集のようです。ご興味のある方はお電話で。
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