「揺りカゴからお墓まで」
こんな言い方をすることもあるけど、
「生まれたときから一生のおつきあい」という意味かと。
家具でもよく「一生もの」と言われるけど、
生まれたときからの「一生もの」はなかなかない。
息子の誕生という機会を逃したらそれこそなかなかないだろうと思い、
「揺りカゴからお墓までの家具」づくりに着手、
製作した「3WAYベビーベッド」です。
はじめはもちろんベビーベッド、
使用期間が過ぎれば、上下分解して、
学習机と棚になる構造です。
この「3WAYベビーベッド」実は構想したものの、設計段階からかなり悩みや挫折を繰り返し、
ときには「そもそも必要なのだろうか」という原点まで立ち返り思いを巡らしました。
父親として命名に続く2番目のプレゼントして作ってやりたい気持ちはありますが、
たんなるベビーベッドでは、成長とともにすぐに使える期間が過ぎてしまいます。
しかも巷にはレンタルをはじめ、数千円からの商品が並んでいるご時世。
一時しか使わないものを果たして手間暇かけて作る必要があるのかどうか。
もちろん作ること自体はいっこうに構わないのですが、
モノとしての存在意義がなければ(短ければ)、単なる自己満足ではないだろうか、
木という限りある材料を使い、自分でデザインを許されている立場であるならば、
もっと頭をひねり、納得いくモノを作らなければなんていう勝手な使命感に駆られ(笑)、
そのあとも引き続き使える実用性の家具に仕立てられないだろうか。
それができないのであれば、
「潔くレンタル品を借りよう」と考えていました。
「既製品はいかにも柵って感じで、なんだか檻の中にいれてるみたいでやだなぁ」なんて思いながらも・・
(あくまで個人の感想ですm(__)m)
一番重要に考えたことは、
ベビーベッドの機能はもちろんですが、その後の利用方法でも、
それぞれが中途半端な家具や道具にならないようにしよう!です。
なかでも、長い期間(~お墓まで)使うであろう学習机については、
単体の完成度が高いものにしようということ。
あと無駄な部品が出ないようにという点。
たとえばベビーベッドで使っていた板や部品が、その後では不要になってしまうようなことは避けたいと考えました。
当初はテーブル天板に分解可能な柵を取り付けようとか考えていたのですが、
天板に穴をあけることになり、その後が見苦しかったり使いづらかったりする可能性が考えられ、
強度的な面でも改良が必要になり、
現在の形態になりました。
机の下に入るチェストやワゴンなどの拡張も考えられますが、まずはここまで。
あまりに大規模化してしまうので、そこは既製品を上手に使ってみてもよろしいのでは~
(家では、ニト〇さんの箪笥に合わせてみました)
ベビーベッド上部は、外して横に立てると棚になり、檜のベッド底板は取り外し可能な棚板になります。
下部は、至極シンプルな山桜無垢材の学習机。
ベビーベッド時も学習机時も引出があったほうが重宝するだろうと思い、
どちらの形態の場合でも使えるように作ってみました。
(ベビーベッド時は体温計や目薬など小物入れておいをて、学習机になったら文房具やA4ファイルも収納可)
ベビーベッドとしては高さがありますが、倒れる心配はありません。
腰を曲げないぶん赤ちゃんを抱えるときに楽とか、
そのままベッドにもたれかかって赤ちゃんに話しかけるときも楽みたいです(妻談)
と、まあこんな感じで、どうにか息子の誕生に間に合うようベビーベッドも誕生!
産院から退院してきた日から毎日このベッドで寝起きをしてくれていますが、
柵の隙間はもう少し狭くしようとか、まだまだ改良点がありそうです。
まずは自分の息子でお試しですね。
子育て先輩ママからのご意見なども大歓迎!
お客様からのオーダーの際もいろいろご要望いただきながら一緒に作り上げていければと思います。
まずは、「揺りカゴからお墓までの家具」というネーミングをどうにかしないと?
子供へ贈る最初の家具にして、一生使える家具。
ちょっとわかりづらい天板の裏にメッセージなんか刻んでおいたら、何十年か後がちょっと楽しみですね~