「やっぱり好きが一番!」
本日はクラスメートと「クラフトフェア松本」に出かけてきました。
このイベントは既に20年以上の歴史があり、全国のクラフトフェアのさきがけにもなったと言われています。そのため、毎年の出展者の選定基準が非常に高く、今年も1250の応募から300ほどの出展者が選出されているようです。
そのため、各出展者の作品、技術は素晴らしいと思うので、その中からさらにお客様が集まっているサイトってどんなところだろう。
そんなところを本日は見てきました。
もちろんいろいろな作家さんとの出会いや情報交換、作品からの学習も目的ですよ。
「工房ゆ木」の石渡さんは上松技術専門校の卒業生でお話を伺っていると、そこに現上松の学生が現れ、長野の技専つながりで盛り上がってしまいました。
私なりにポイントをまとめてみました。
1.敷居は低く
2.立体的な展示を
3.アイキャッチを店先に
4.フロントエンド商品の配置
5.こだわりを伝える
6.雰囲気づくり
7.統一テーマ
8.誰のお店かわかる
以上、8点です。
■1.敷居は低く
超高級ブランド品を売るのであれば、重厚そうな扉にホストのような警備員を配置している銀座のブランドショップを真似ればいいでしょう。でもここはクラフトフェア、多くのお客様に足を運んで頂きたいのですから敷居は低いに越したことはありません。
その具体的方法は2つ。
ひとつは、サイトの前面に高い棚や机を置かずに、展示品を足元に並べるなどして、高さを低くすること
ふたつめは、(脇にスペースがあれば)展示品をサイトから少し離れた場所に並べてみる。これはサイトの管理者が近くにいるとお客様に抵抗を与える場合があるので、無人のところに展示品を並べ気軽に見やすくすることです。
■2.立体的な展示を
商品にもよりますが、平面的に商品が並んでいるいるよりも高さに変化があるなどした陳列のほうがお客様の関心をそそります。
入り口の足元に並べた展示品から、奥にいくにしたがってだんだんと高い棚に並べていったり、上から吊るすなどの陳列もいいと思います。
■3.アイキャッチを店先に
単純ですが、例えば店先に大きな人形が置かれていたり、大きな傘が置かれていたりすると人の注意を引きます。結構多くの出展者の方が自分の愛犬を連れてきていましたが、問題がなければ彼らを店頭につないでおくと思わぬ大きなアイキャッチの効果を発揮してくれると思います。
人はみずみずしいものが好きです。居酒屋の店頭に食材を並べ水をかけてあげるととても新鮮感が生まれます。水を利用するのはいいと思います。
■4.フロントエンド商品の配置
いわゆる買いやすいお値打ち品を配置しておくと、当たり前ですがお客様の購入につながりやすくなります。いきなり数十万円もする箪笥を購入して頂くのは難しいですから、まずはお求め安い商品から自分のサイトに関心を持っていただくことが大切だと思います。お箸や箸置き、小さなお皿など。あとはアクセサリー類も女性を中心に購入しやすい商品ですのでいいと思います。また商品でなく素材ですが、染物の束などが店頭にぶら下げられているサイトは、女性が手を伸ばして触れることが簡単にできていました。
■5.こだわりを伝える
単純に言うとプロとアマチュアの差を見せることだと思います。「ここまでやっているのか~、私達には真似できないね」と一般のお客様が思わず漏らしてしまったらこっちのものです。それは作品への思いだけでなく、実際の製作における材料選びだとか、作業の細かさとかをモノで見て伝わる方法が一番いいと思います。通常ですと文章も駆使して思いからスペックなどを詳細に書き綴っていく方法もありますが、ここはモノづくりの世界。あまり口やペンで達者に伝えるよりは、そのあたりは控えめにされているところが多い気がしました。
◆くつ屋さんでは足型を見せていました。
◆羊毛の手紡ぎ手織りのツイード生地の作品を作られているサイト
■6.雰囲気づくり
サイトの中に花を飾ったり、写真を飾ったりしていい雰囲気づくりをしていくとお客様も快適です。写真はきれいな写真ばかりでなく家族の写真とか自分の家のスナップとか例え下手でも親近感のあるものがいいと思います。
ただ飾るのでなく、あとの「7.統一テーマ」や「8.誰のサイトかわかる」につながるような一貫した雰囲気づくりです。
このあたりから抽象的なテーマになりますので申し訳ないですが、具体的な写真では偏りがあるため載せていません。
■7.統一テーマ
展示品やサイトの雰囲気から統一したテーマを感じられるようにまとめる。なかなか言葉で言い表すと難しいですが、本日拝見させて頂いた「筥陶」(はこすえ)という出展者は、飛鳥・奈良時代の頃(律令制の時代)に宮内省に属していた箱・木器・陶器など、容器類・食器類の管理と生産を仕事とする部署名から名前を取り、すべての家具や小物などに「イレモノ」という名前をつけていました。
■8.誰のサイトかわかる
通常のお店で言えば、蕎麦屋なら蕎麦屋、イタリアンならイタリアンというように外見を見て「何屋か一発でわかる」ということですが、個人の出展サイトであれば「誰のサイトかわかる」ということでしょう。椅子は椅子でも「この椅子はあの作家のもの」とか、グラスはグラスでも「この捻り具合はあの人のもの」ということが展示品群からわかるということです。作風が一目見てわかる、伝わってくることは欠かせないと思います。もちろん冒頭でお話しましたとおり、このフェアは選出基準のハードルが高いので、そのあたりは皆さん素晴らしかったです。
その他全体を見て、この手のイベントでは既に飲食ブースでは完全に「天然」とか「有機」とか環境を配慮した安心・安全一色になっていました。それ以外のお店はまず出展できない状況になったということです。
一般に食とか衣の業界は世の中の流れを先取りした早い動きをしていますので、続く住の分野、家具の分野でもいずれはエコで完全に無害で安心・安全のものづくりしか存在できない世の中に、近い将来なることを感じました。
そして出展者の皆さんとお話をさせて頂いて気づいたことは「やっぱり好きが一番」ということです。
愚問だとは思いますが、フェルト作家の方に「フェルトの魅力ってどこにありますか?」、土のオブジェ作家の方に「どうして家の形が多いのですか?」とお聞きすると、決まった答えが返ってきます。
「私が好きだからです」
皆さんキャンプのようにテントを張ったり(公園内は夜は宿泊禁止のようです)、恋人や親子で接客したり、赤ちゃんをおぶったまま忙しく働くお母さん作家などの様子を見て、自分もいつかこのようなイベントに参加できたら楽しいだろうなと思いました。
「いや絶対やってやろう。」と思ったのでした。
本日はクラスメートと「クラフトフェア松本」に出かけてきました。
このイベントは既に20年以上の歴史があり、全国のクラフトフェアのさきがけにもなったと言われています。そのため、毎年の出展者の選定基準が非常に高く、今年も1250の応募から300ほどの出展者が選出されているようです。
そのため、各出展者の作品、技術は素晴らしいと思うので、その中からさらにお客様が集まっているサイトってどんなところだろう。
そんなところを本日は見てきました。
もちろんいろいろな作家さんとの出会いや情報交換、作品からの学習も目的ですよ。
「工房ゆ木」の石渡さんは上松技術専門校の卒業生でお話を伺っていると、そこに現上松の学生が現れ、長野の技専つながりで盛り上がってしまいました。
私なりにポイントをまとめてみました。
1.敷居は低く
2.立体的な展示を
3.アイキャッチを店先に
4.フロントエンド商品の配置
5.こだわりを伝える
6.雰囲気づくり
7.統一テーマ
8.誰のお店かわかる
以上、8点です。
■1.敷居は低く
超高級ブランド品を売るのであれば、重厚そうな扉にホストのような警備員を配置している銀座のブランドショップを真似ればいいでしょう。でもここはクラフトフェア、多くのお客様に足を運んで頂きたいのですから敷居は低いに越したことはありません。
その具体的方法は2つ。
ひとつは、サイトの前面に高い棚や机を置かずに、展示品を足元に並べるなどして、高さを低くすること
ふたつめは、(脇にスペースがあれば)展示品をサイトから少し離れた場所に並べてみる。これはサイトの管理者が近くにいるとお客様に抵抗を与える場合があるので、無人のところに展示品を並べ気軽に見やすくすることです。
■2.立体的な展示を
商品にもよりますが、平面的に商品が並んでいるいるよりも高さに変化があるなどした陳列のほうがお客様の関心をそそります。
入り口の足元に並べた展示品から、奥にいくにしたがってだんだんと高い棚に並べていったり、上から吊るすなどの陳列もいいと思います。
■3.アイキャッチを店先に
単純ですが、例えば店先に大きな人形が置かれていたり、大きな傘が置かれていたりすると人の注意を引きます。結構多くの出展者の方が自分の愛犬を連れてきていましたが、問題がなければ彼らを店頭につないでおくと思わぬ大きなアイキャッチの効果を発揮してくれると思います。
人はみずみずしいものが好きです。居酒屋の店頭に食材を並べ水をかけてあげるととても新鮮感が生まれます。水を利用するのはいいと思います。
■4.フロントエンド商品の配置
いわゆる買いやすいお値打ち品を配置しておくと、当たり前ですがお客様の購入につながりやすくなります。いきなり数十万円もする箪笥を購入して頂くのは難しいですから、まずはお求め安い商品から自分のサイトに関心を持っていただくことが大切だと思います。お箸や箸置き、小さなお皿など。あとはアクセサリー類も女性を中心に購入しやすい商品ですのでいいと思います。また商品でなく素材ですが、染物の束などが店頭にぶら下げられているサイトは、女性が手を伸ばして触れることが簡単にできていました。
■5.こだわりを伝える
単純に言うとプロとアマチュアの差を見せることだと思います。「ここまでやっているのか~、私達には真似できないね」と一般のお客様が思わず漏らしてしまったらこっちのものです。それは作品への思いだけでなく、実際の製作における材料選びだとか、作業の細かさとかをモノで見て伝わる方法が一番いいと思います。通常ですと文章も駆使して思いからスペックなどを詳細に書き綴っていく方法もありますが、ここはモノづくりの世界。あまり口やペンで達者に伝えるよりは、そのあたりは控えめにされているところが多い気がしました。
◆くつ屋さんでは足型を見せていました。
◆羊毛の手紡ぎ手織りのツイード生地の作品を作られているサイト
■6.雰囲気づくり
サイトの中に花を飾ったり、写真を飾ったりしていい雰囲気づくりをしていくとお客様も快適です。写真はきれいな写真ばかりでなく家族の写真とか自分の家のスナップとか例え下手でも親近感のあるものがいいと思います。
ただ飾るのでなく、あとの「7.統一テーマ」や「8.誰のサイトかわかる」につながるような一貫した雰囲気づくりです。
このあたりから抽象的なテーマになりますので申し訳ないですが、具体的な写真では偏りがあるため載せていません。
■7.統一テーマ
展示品やサイトの雰囲気から統一したテーマを感じられるようにまとめる。なかなか言葉で言い表すと難しいですが、本日拝見させて頂いた「筥陶」(はこすえ)という出展者は、飛鳥・奈良時代の頃(律令制の時代)に宮内省に属していた箱・木器・陶器など、容器類・食器類の管理と生産を仕事とする部署名から名前を取り、すべての家具や小物などに「イレモノ」という名前をつけていました。
■8.誰のサイトかわかる
通常のお店で言えば、蕎麦屋なら蕎麦屋、イタリアンならイタリアンというように外見を見て「何屋か一発でわかる」ということですが、個人の出展サイトであれば「誰のサイトかわかる」ということでしょう。椅子は椅子でも「この椅子はあの作家のもの」とか、グラスはグラスでも「この捻り具合はあの人のもの」ということが展示品群からわかるということです。作風が一目見てわかる、伝わってくることは欠かせないと思います。もちろん冒頭でお話しましたとおり、このフェアは選出基準のハードルが高いので、そのあたりは皆さん素晴らしかったです。
その他全体を見て、この手のイベントでは既に飲食ブースでは完全に「天然」とか「有機」とか環境を配慮した安心・安全一色になっていました。それ以外のお店はまず出展できない状況になったということです。
一般に食とか衣の業界は世の中の流れを先取りした早い動きをしていますので、続く住の分野、家具の分野でもいずれはエコで完全に無害で安心・安全のものづくりしか存在できない世の中に、近い将来なることを感じました。
そして出展者の皆さんとお話をさせて頂いて気づいたことは「やっぱり好きが一番」ということです。
愚問だとは思いますが、フェルト作家の方に「フェルトの魅力ってどこにありますか?」、土のオブジェ作家の方に「どうして家の形が多いのですか?」とお聞きすると、決まった答えが返ってきます。
「私が好きだからです」
皆さんキャンプのようにテントを張ったり(公園内は夜は宿泊禁止のようです)、恋人や親子で接客したり、赤ちゃんをおぶったまま忙しく働くお母さん作家などの様子を見て、自分もいつかこのようなイベントに参加できたら楽しいだろうなと思いました。
「いや絶対やってやろう。」と思ったのでした。