餌金日記

金魚と川魚飼いの日常です、

札束が飾ってある?

2012-06-08 23:04:22 | 本と雑誌
エドワード・ドルニック「ムンクを追え」読了。
美術犯罪のノンフィクションです。『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜斑の100日という副題がついています。下手なミステリより面白いです。昔読んだ「モナ・リザが消えた日」もノンフィクションでしたがこれは犯人がモナ・リザを盗んだ理由が秀逸。美術犯罪もとうとうここまで近代化したかと思いましたが、本書はさらに現代的。アルセーヌ・ルパンやキャッツ・アイのようなロマンは一切ありません。どんどん犯罪は荒っぽくなっています。それに立ち向かう美術特捜斑のチャーリー・ヒルの人柄がとてもユニークです。繊細であり適当。権力が嫌いで警察官。細心の注意もするがドアを蹴破って突入するのも好き。なかなか付き合うのは面倒くさそうな人です。でも適材適所とはこのことね、と言う人です。しかしノルウェー国立美術館もひどいけどムンク美術館警備酷過ぎ。盗難保険もかけず警備強化費用不正プールって。