餌金日記

金魚と川魚飼いの日常です、

血液は水よりも濃い

2015-10-14 22:33:35 | 本と雑誌
金子豊二「もっと知りたい!海のいきもの キンギョはなぜ海がきらいなのか?」読了。
子供向きの科学の本ですがちょっと難しいかも。でもすごいのはこれ1冊まるまる浸透圧の話なんです。もう浸透圧だけ。コネタ集めて1冊てなもんではありません(それも好きだけど)。潔いというか渋いというかかっこいいです。
淡水の魚も海水の魚も血液濃度は海水の1/3~1/4。つまりそのままでは海水魚はどんどん水を奪われミイラ状に、淡水魚は細胞がどんどん膨らんで破裂してしまいます。優雅に泳いでいるように見える金魚も体内ですごく水と戦っているのです。淡水魚はえらで水の中から薄い塩分を吸収しえらから水をどんどん捨て、海水魚は水を得るために海水を飲み欲しくもない塩分やカルシウムを吸収しなんとか薄い水にして腸の最後の方でようやく水を得ます。つまり淡水魚は水を飲まず海水魚は水を飲むと。金魚が水を飲まないとは意外でした。あと海と川を移動する回遊魚のしくみなど。魚と浸透圧との戦い、奥が深いです。人間が陸上の生き物で良かったかも。