週末の三連休はさらに雪が積もるようだ。さけも断続的に降雪が降っていて、自宅周辺では積雪30㌢ほどになっている。庭を眺めると別世界をイメージする。雪を被ったムクゲの木などがまるではしゃいでいるようにも見えるのだ。普段ならばそれぞれに季節の花を咲かせ、悠々としている風景だが、冬の別世界で白い衣を着て木々がじゃれあっているようにも見える=写真・上=。アートっぽい感じがして面白い。
きのう午後、JR金沢駅周辺に用事があって出かけた。吹雪いていて、あの鼓門(つづみもん)がぼんやりとかすんで見えた=写真・中=。鼓のカタチをした、高さ14㍍ほどの2本の太い柱に支えられた門構えは圧巻である。金沢駅での待ち合わせ場所と言えば鼓門で定着している。ここで記念撮影は見慣れた光景でもある。それが、吹雪のせいか人影はまばらだった。雪を珍しそうに眺め、鼓門をバックに撮影するインバウンド観光の人たちもいるにはいた。それにしても、雪でかすむ鼓門を眺めていると、長谷川等伯の松林図屏風(国宝)のような風景イメージが沸いてくる。
ふと鼓門の下を見ると、まるで参道のようにまっすぐに除雪がしてあった。さすが、金沢駅のまさに山門のような鼓門なので係員が雪すかしをしたのだろうと思っていたが、パンフレットをチェックすると、「無散水融雪装置」と書かれてあって、水をまく融雪ではなく、道路にあたる地面の下に温かな地下水をくみあげる放熱管が敷いてあり、道路の上の雪が溶ける仕組みとなっている。初めて知った。
鼓門前の同じ地点から市街地側に身を向けると、これもアートのような冬景色が広がる。駅前の高層ビル(ホテル)と雪吊りの松が競うよう光景だ=写真・下=。松の木は五葉松だろうか。ほかの季節ならば気にもならないビルと松の木だが、雪吊りが施された松の木はその形状からまるで天に向かってようにも見える。それが妙に高層ビルを意識しているような存在感を漂わせる。
上記のような見つめ方は「なんでもアート」の感覚と言える。足しげく通った奥能登国際芸術祭(珠洲市主催・2017年、2021年、2023年開催)に影響されているのかもしれない。身近なテーマや日常の風景にさらにイメージの加飾を施すことで、アート作品のように見えてくる。やっかいな大雪でも、アートとして眺めるとそれはそれで楽しくもある。
⇒21日(金)午前・金沢の天気 ゆき