自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★能登の旋風(かぜ)-1-

2008年09月20日 | ⇒トピック往来
 いま能登には旋風(かぜ)が吹いている。金沢大学が国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(金沢市)、石川県などと連携してつくる「里山里海国際交流フォーラム開催委員会」(委員長・中村信一金沢大学学長)は9月13日から4日間にわたって「能登エコ・スタジアム2008」を実施した。その運営メンバーとしてこの数ヶ月かかわったが、その実感が冒頭の言葉だ。

 まず、「能登エコ・スタジアム2008」の概要を説明しよう。金沢大学などが企画し,地域自治体と連携して開催した初めての大型イベント。4日間で3つのシンポジウム、6つのイベント、1つのツアーを実施した。生物多様性などの環境問題を理解するとともに、海や山を活用した地域振興策を探ろうという内容。13日に開催したキックオフシポジウム「里山里海から地球へ」=写真=には市民ら280人が参加し、国連大学の武内和彦副学長(東京大学教授)や生物多様性ASEANセンターのG.W.ロザリアストコ部長、女子美術大学の北川フラム教授が講演した。

 14日からは能登半島に場所を移動。6カ所で「能登エクスカーション」を開催し、延べ500人余りの参加があった。「里山里海国際交流フォーラム開催委員会」は来年以降も継続し,2010年の国際生物多様性年に開催される生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で予定される関連会議の石川県開催を支援していく。

 「なぜ能登に」とよく言われる。答えは一つ。「能登が熱くならないと、石川、北陸全体が活気づかない」と。過疎化、少子高齢化の能登半島、特に奥能登(輪島、珠洲、穴水、能登2市2町)は10年以内に人口は20%減少する。海と山、歴史があり、そしてよき人がいるのに人が減る。ある意味で、ここは日本、あるいは東アジアで起きている「地域の過疎化現象」のモデルでもある。逆に、この能登に「再生モデル」を創造できないか、そんな思いで「能登エコ・スタジアム」に参画した。

⇒20日(土)朝・金沢の天気   はれ
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