きょうの金沢は寒気から一転して寒さがやわらぎ、金沢では日中の最高気温が9度だった。あさからときおり雨も降り、積もっていた雪がずいぶんと溶けている。自宅2階からの雪景色が一変している。左の五葉松の枝に積もっていた雪がまったくなく、屋根雪も少なくなった。(※写真は、26日午前7時59分に自宅2階から撮影した近所の雪景色)
積雪60㌢の記録的な大雪となった能登半島の輪島市では、雪による倒木で道路がふさがれ、一時220世帯余りが孤立状態となっていたが、きのう25日夕方にはすべて解消した。また、停電となっていた2200戸はほとんどが復旧したものの、80戸でまだ停電が続いている。
雪害に遭われた方々に申し訳ない言い方になるかもしれないが、今回の能登の集落の孤立や停電は過疎高齢化による里山問題の象徴的な事象ではないかと考えている。孤立した集落の市道などは車2台がすれ違うのが精一杯の細い道で、雪の重みで倒れた樹木などが道をふさいだ。輪島など奥能登の中山間地の道路には杉やアテ(能登ヒバ)など常緑樹が多く植林されているが、枝打ちなどがなされず、横に傾いて、道路を覆うようになっている木も多く見かける。本来ならば山の持ち主が枝打ちなどするが、所有者が地域で不在になって、山の木々が荒れ放題になるケースが増えている。
また、「境界管理」の問題もある。森林には私的所有権が設定されているが、実のところオーナーが健在である場合、その隣地との境界は代々からの言い伝えで分かるが、代を重ねるごとにあいまいになり、分からなくなる。すると、道路沿いの境界にある杉やアテをだれも管理しないということが起きる。こうした木々が今回の大雪で道路に倒れ込む、さらに倒木で電柱の電線を切断することは想像に難くない。また、山道の倒木問題は冬だけでなく、地盤が緩みやすくなる梅雨の時期にも起きる。
里山の管理の問題はこれまでクマやイノシシなどの獣害でよく指摘されてきたが、今回の倒木による集落の孤立問題をきっかけに、危機管理として所有や境界を超えた対策が必要ではないだろうか。
⇒26日(火)夜・金沢の天気 くもり時々あめ