安倍元総理の国葬がきのう営まれたが、前回のブログでも述べたように、「めりはりのない形式的な追悼式」だった。ただ、苦楽を共にした友人の目線で述べたで菅前総理の追悼の辞には昭恵夫人が涙し、そして終わると会場からは異例の拍手が起きた。これがなければ、今の若者言葉で言う、「なんちゃって」国葬で終わっていたかもしれない。国葬問題に目線が奪われていたが、世界の動きを眺めて見る。
共同通信やウォールストリートジャーナルなど日米のメディア各社がアルツハイマー病の新しい治療薬について報道している。日本の「エーザイ」とアメリカのバイオ医薬品「バイオジェン」が、開発中の治療薬「レカネマブ」について、臨床試験(治験)で症状の悪化を抑制する効果を確認したと発表した。この新薬を投与したグループと偽薬のグループを比較し、レカネマブのグループでは、記憶や判断力などの症状の悪化が27%抑制された。本年度中に日本や欧米で承認申請を目指す。
両社は昨年6月にもアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」を開発し、アメリカのFDAに承認された。タンパク質「アミロイドβ」を取り除き、認知機能を回復させることが見込まれていたものの、効果が不十分だとしてアメリカでは高齢者向け保険が適用されなかった。試行錯誤を繰り返しながら医薬は進歩する。
ロシアは自己矛盾をさらけ出している。プーチン大統領はウクライナ侵攻をめぐり、軍務経験のある予備役を30万人招集する「部分的な動員令」を発動したたものの、ゴタゴタ続き。CNNニュースWeb版日本語(28日付)によると、ロシア国営メディアの司会者が生中継で「就業者や音楽家、病人、学生が招集されている」と疑問を投げかけ、動員担当者を処罰すべきと報道した。(※写真は、今月22日付・BBCニュースWeb版)
ロシアをめぐっては、ウクライナ東部と南部の4州で親ロシアの指導者らが、ロシアへの編入を問う「住民投票」を行い、9割賛成で支持されたと発表している、今後はロシア議会が承認に動く。また、ロシア連邦保安局が、スパイ活動をしたとして極東ウラジオストクの日本総領事館の領事を一時拘束した。理不尽な病(やまい)がまん延するロシアに効くクスリはあるのだろうか。
ところで、話は冒頭に戻る。弔問に訪れたIOCのバッハ会長は岸田総理らと面談したのだろうか。気になるのは、五輪汚職事件についてだ。五輪招致の段階で、高橋容疑者は招致委員会から820万㌦(8億9000万円)の資金を受け、IOC委員にロビー活動を行っていたと報じられている(2020年3月31日付・ロイター通信Web版)。ロビー活動については、フランス司法当局の捜査対象となったJOCの当時の竹田恒和会長が2019年6月に退任している。国際的にもオリンピックにまつわる汚職には厳しい眼が注がれている。五輪汚職事件を受けて、IOCはドーピングと同様に、日本に対してペナルティーを検討しているかもしれない。メディアの続報を待ちたい。
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