手を打つべきときのタイミングを逃したのではないか。アメリカのダウ平均株価が800㌦を超える値下げを受けて、きょう14日の日経平均も前日に比べ一時630円安い2万6300円台に落ち込んだ(午前10時過ぎ)。円安も強烈で、きのう外国為替市場で1㌦が135円台前半まで下落した。メディア各社は24年ぶりの円安は、金融不安で「日本売り」に見舞われていた1998年以来と報じている。
この円売りの背景として上げられるのが、日本とアメリカの金利の差だ。アメリカは物価上昇を抑えるためにFRBが大幅な利上げを行うとの見通しが広まり、日銀が超低金利政策を継続させていて、それぞれの金利差がさらに広がるとの読みから円売りドル買いが加速している。
日銀の黒田総裁は、利上げをすると財務体質が脆弱な企業や住宅ローンを抱える個人の多くが破綻し、銀行経営を直撃することを恐れているのだろう。むしろ、利上げと量的引き締め(QT=Quantitative Tightening)のタイミングを逸したのではないか。円安対策をしたくても身動きがとれないジレンマに陥っている。
岸田総理は先月5日、イギリスの金融街シティーで講演し、自らの経済政策「新しい資本主義」について、「一言でいえば資本主義のバージョンアップ」と説明した。日本では家計の金融資産の半分に相当する1千兆円以上が現金と預金で占める。それをNISA(少額投資非課税制度)の拡充などで、預貯金から投資や資産運用への移行を促し、資産所得倍増を実現すると表明した。預金には0.01%しか利息が付かないので、株式投資などに回してほしいとの趣旨だろう。どこがバージョンアップなのか、そして、今ごろなぜと唐突に感じた。
ロシアのプーチン大統領もウクライナとの停戦のタイミングを失ったようだ。愛国心に訴えて、ウクライナに侵攻したもののきょうで111日目。むしろ、プーチン氏に誤算が目立つ。日米欧による経済制裁や外資の撤退でロシア国内の経済と雇用環境が悪化することは目に見えている。ソ連崩壊後に匹敵する大打撃を受けることは現実味を増しているようだ。側近の中に、この侵攻にひと区切りをつける提案する人物はいなかったのだろうか。
⇒14日(火)夕・金沢の天気 くもり時々あめ
という問いですが、岸田総理は、「企業の自社株買規制」「個人の株式売却益課税強化」を主張してるので、要するに、「株価を上げずに国を成長させる」という事を目指してると思われます。
それを成し遂げた国はないので、それが可能ならば、確かに「新しい資本主義」です。
「株価を上げません」とは言えないので、あのような表現になります。
実例として、三井不動産を考えていると想像できます。
三井不動産は、2014年に、3000億円という巨額増資を行いました。増資をすると、株は希薄化するので、株価は下落します。下落後、株価は、現在まで横這いです。
業績は、増益と減益を繰り返してますが、売上は右肩上がりです。給与の源泉は利益ではなく、売上なので、人件費もこなして、成長してると言えます。増資によって得た資金で、長期戦略を持って成長してます。(岸田総理は短期的な経営を否定してるので四半期決算の廃止を目指している)
通常、利益が減った場合、配当は減りますが、配当は一貫して、増配を続けています。
株主の資産(株式の価値)は株価の下落で減少しましたが、株主の資産所得(株式から得られる所得)である配当は倍増しています。
つまり、三井不動産は、株価を下落させて、企業は成長し、給与も増やし、株主の資産所得を倍増させている。
実際にできているのだから、新しい資本主義も、実現可能なのかもしれません。
確かに、株価上昇によって、国民が売却益を得て消費に回すとは考えにくく(継続的な収入ではないし、売却益ではなく売却した総額で見てしまい、まるまる次の株を買ってしまうので、資産増にはなるが株価上昇は所得増にはならない)、それよりは、むしろ、株価が上昇してる企業が増資によって株価を下落させて、その資金を配当として国民に配る方が、消費に繋がるというのは、試す価値のある考えだと言える。