Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
2/1宵 金星と細い月と土星が接近

予想外に明るくなった252P/リニア彗星

2016-04-10 23:42:00 | ほうき星

土曜日の未明、観測好期を迎えているリニア彗星(252P)を撮りました↓

252p2016_01.jpg

【4月9日未明の252P/リニア彗星】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
 総露出時間24分(2分×12コマ),中型赤道儀使用,八ヶ岳高原にて撮影

光度は6等台中盤ぐらいでしょうか。口径5cmの双眼鏡で大きく広がった姿を確認できました。
上の写真では青緑色の巨大なコマの中にごく短い尾が右方向へ伸びているのが分かります。

この彗星は太陽を廻る楕円軌道を5.3年で一周する短周期彗星で、発見は2000年4月のことでした。
今年3月15日、発見から3度目の太陽最接近を迎え、その約1週間後には地球に535万kmまで接近。
予想光度は9等でしたが、実際には4等級まで増光し、肉眼で見えるほどの明るさになりました。
ただ残念なことに、最大光度を記録した頃には南天に位置していたため日本からは観測不能で、
しばらくはネット上に公開された海外での撮影画像を指をくわえて見ているだけでした。
その後、3月下旬になってようやく国内でも観測可能な位置まで北上してきていましたが、
このところの悪天候で観測チャンスに恵まれず悶々としながらも、この週末に賭けてました。
撮影の際、彗星の見える空域には薄雲がひっきりなしに襲い掛かってくる中で、
なんとか捉えられたのは幸運と言えそうです。

今後は太陽からも地球からも離れていくため、日毎に光度は低下していくと思われますが、
5月初旬までは双眼鏡で見える程度の明るさを保ちそうなので、月明りの影響の少ないGWに
再度狙ってみたいですね。遠征先は今回と同じく八ヶ岳周辺か、もっと先の乗鞍高原辺りかな?