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Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
4/22深夜 こと座流星群が極大

恒星間を旅する彗星

2019-10-15 00:05:00 | ほうき星

またつまらんものを撮ってしまった↓
2I_01.jpg

【ボリソフ彗星(2I)10/6】
 キヤノンEOS60Da+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,
 総露出時間24分(3分×8コマ,メトカーフコンポジット),
 タカハシEM-200Temma2M赤道儀,口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,
 トリミングあり,静岡県東伊豆町稲取にて

中央で微かな点像に写っているのが狙った彗星です。光度は16.5等ほどと、かなり暗いです。
今年8月に発見されたばかりの彗星で、極端な双曲線軌道を持つことで先月から話題になってます。
彗星の軌道要素の中に離心率というパラメーターがあって、その値が1未満だと楕円軌道を持つ
周期彗星、1以上だと放物線軌道もしくは双曲線軌道を持った非周期彗星と分類されます。
双曲線軌道を持つ彗星は太陽系外に去っていって2度と戻ってこないことになるんですが、
そういう彗星はこれまでも数多く見つかっていて、さほど珍しいものではありません。
それらの離心率は大きくても大体1.1までで、例えば先日の記事で紹介したアフリカーノ彗星も
双曲線軌道を持っていますが、その離心率は1.00078と、1を少しだけ上回る程度です。
ところがこのボリソフ彗星の離心率は実に3.35! つまりは、とんでもないスピードで太陽系内を
通り過ぎていくことが判明し、明らかに恒星間空間から飛来する軌道を持つことが分かったため
注目されているわけです。ちなみに、この彗星の故郷はケフェウス座の方向に13光年ほど離れた
クリューゲル60という連星系らしいという説があったりします。
地球最接近は12月で、その頃でも光度は15等程度と予想されており、眼視観測は厳しいとみられます。
なお、認識符号の"2I"は、史上2番目の恒星間天体(Interstellar Object)であることを示してます。
じゃあ"1I"は何かというと、2年前に見つかって「オウムアムア」と名付けられた小天体でした。
その離心率は約1.2でしたので、ボリソフ彗星の離心率は異例の値であると言えるでしょう。