Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 12/18 月と火星が接近

夜空撮り 今日はどこまで 行ったやら(2)

2014-05-07 00:15:00 | 遠征日誌

3夜連続出撃の中日となった5/2は天気が微妙な感じでした。
どうせ曇られるなら少しでも標高の高いところに行ってみようと思い立ち、
久々に長野県の富士見高原を目指すことにしました。
この日は出るのが遅かったため、現地到着は21時台。
天文屋のクルマは他にも2台ほどおり、既に機材をセットアップされてましたが、
上空を見ると薄雲が広がっていて、撮影には厳しい状況だったため機材を出さずに
車中でしばし待機していると、ウトウトして仮眠状態に入ってしまいました。
気付いたら日付が変わる直前で、寝ぼけ眼で空を見上げるとほぼ快晴でした。
急いで機材を組み上げて、1時前から撮影を開始。
最初に狙ったのはコレでした↓

her-galaxies.jpg

【ヘルクレス座銀河団】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
 総露出時間50分(5分×10コマ),中型赤道儀使用,トリミングあり

地球からは5億光年弱の距離にある銀河の群れです。
500mm程度の焦点距離ではぜーんぜん拡大率不足ですが、
トリミングすることで細かな銀河が何とか確認できるようになりました。
エッジがボケたような天体が銀河団の構成メンバーで、
撮影原版では50個ぐらいの銀河を数えることができました。
いつかはもっと長焦点の光学系でじっくり狙ってみたい対象です。

次に南天のさそり座の一角に鏡筒を向けましたが、市街光の影響で空が明るく、
試しに撮ってはみたもののカブリが酷かったため撮影を断念。
代わりに北東天に昇ってきたはくちょう座にあるこの天体を狙いました↓

pelican2014.jpg

【ペリカン星雲】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
 総露出時間24分(4分×6コマ),中型赤道儀使用,トリミングあり

この星雲はすぐ左隣にある北アメリカ星雲と合わせて望遠レンズで狙うことが多いのですが、
久々に単独で狙ってみました。途中で薄明が始まってしまい、コマ数が稼げなかったのが残念。

ということでこの晩は2対象しか撮れず、不完全燃焼に終りました。
こりゃ今夜も晴れたら出掛けねばと思い、速攻で機材をたたんで帰途についたのでした。


夜空撮り 今日はどこまで 行ったやら(1)

2014-05-05 23:15:00 | 遠征日誌

4/29が新月でしたので、今年のGWは月明がほとんど無く、暗夜が続く状況でした。
となると☆撮り屋としては出掛けずにはいられません。
天候もまずまずだったんで、結局5/1から3夜連続で出撃してしまいました。
まずは5/1の撮影成果をまとめます。
この日の遠征先は4/26と同じ伊豆稲取。最近行くのはココばかりだなぁ。
撮影ターゲットは個人的な好物である彗星たちでした。
現地到着直後にまず狙ったのは西空に見えていたコイツです↓

2014E2ジャック_140501.jpg
【ジャック彗星(C/2014 E2)】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
 露出2分,中型赤道儀使用,トリミングあり

今年の3月にブラジルで発見された新彗星で、現在の光度は8等台に入っている模様。
春霞の影響が大きい低空に位置していて、薄雲にも邪魔されたため、写りはイマイチでした。
この後、日毎に太陽へ見掛け上接近していくため、5月中旬には観測不能になる見込みですが、
7月中旬ぐらいに明け方の東天に姿を現す予定です。その時の光度は5等程度になってるかも?
今後の状況次第ではさらに明るくなる可能性も秘めていそうなので、ちょっと期待してます。

お次は北の空の高いところに位置しているこの彗星↓

2012K1パンスターズ_140502.jpg
【パンスターズ彗星(C/2012 K1)とM51銀河】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
 総露出時間6分(2分×3コマ),中型赤道儀使用,トリミングあり

左上の緑色の天体が彗星で、この日は右下に写っているM51(通称「子持銀河」)の傍を通過中でした。
2年も前に約20等で発見された彗星が9等台まで明るくなってきて、今年秋には6等台に達するとの予想があります。
ちなみに昨年春に話題になった彗星と同じ名前ですが全くの別物です。

で、3つめは久々の再会となったこのお方↓

2013r1ラヴジョイ_140502.jpg
【ラヴジョイ彗星(C/2013 R1)】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
 総露出時間6分(2分×3コマ),中型赤道儀使用,トリミングあ

あのLove女医さんです。お会いできたのは1/11以来です。
昨年11~12月の姿と比べるとかなり劣化してしまいましたね。
太陽からも地球からも遠ざかってしまったので仕方ないです。光度は約11等でした。
計算上は1万1千年後に戻ってくるそうですが、自分はそこまで生きられるはずもなく、これが最後の一夜かも?

さて、この日最後に撮ったのはこの彗星↓

2012X1リニア_140502.jpg
【リニア彗星(C/2012 X1)】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
 総露出時間16分(2分×8コマ),中型赤道儀使用,トリミングあり

これも1/11に撮影して以来、ご無沙汰していた彗星です。2月以降、ずーっと8等台をキープしていた模様。
これから徐々に暗くなっていく見込みなので、コイツも今回が最後の撮影になるかもしれません。

しかしまぁ一晩で彗星を4つも撮影したのは初めてのような気がします。
望遠鏡架台をアップグレード改造して実現した天体自動導入システムのお蔭です。
電気食いにはなりましたけど、まだ安物カーバッテリー1個でなんとか一晩は頑張れます。


言われてみれば見えなくもない?

2014-05-04 00:05:00 | 遠征日誌

4/26に伊豆稲取で撮った写真ネタの続編です。

へびつかい座南部を流れる天の川の一角にこんな天体が潜んでます↓

pipe_nebula.jpg

【パイプ星雲】
 キヤノンEOS60Da+200mm望遠レンズ,ISO1600,F2.8,
 総露出時間32分(2分×8コマ×2フレームパノラマ合成),
 中型赤道儀使用,静岡県東伊豆町稲取にて4/26深夜撮影

天の川の星々の光を遮るように存在する暗黒星雲がいくつか連なって

喫煙具の「パイプ」に似たシルエットになっているのが分かるでしょうか?

画像中央部上方には以前に記事ネタとして取り上げた「S字状暗黒星雲」も小さく写ってます。

先日のアンタレス付近とは対照的に色彩感の乏しい星域ですけど、形がユニークなので試しに撮ってみました。

実はもう少し引いた画角で撮影すると、馬のような形をしたシルエットが浮かび上がってくるのですが、

それはまた別な機会に紹介したいと思います。